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自動車業界60秒ブリーフィング

欧州におけるパワーユニットの未来は、多くの不確定要素に左右されている。2021年に欧州委員会が発表した「Fit for 55」は2035年以降のエンジン車を事実上禁止する内容で、自動車業界に大きな影響を及ぼした。しかし、法案成立には欧州議会と欧州理事会の承認が必要であり、特にドイツ政府がe-Fuel使用可能なエンジン車の容認を条件に同意するなど、さまざまな反発と妥協が続いている。

現在、EUは2035年以降の新車販売におけるエンジン車全面禁止の方針を撤回し、2026年にゼロエミッション技術の進捗を考慮してCO2削減目標を見直すことを表明した。この決定は一時的な妥協であり、BEV(バッテリー電気自動車)とe-Fuelを用いたエンジン車の対立は続く見込みである。

BEVが推進される背景には、テールパイプからのCO2排出量が少ないことが挙げられるが、電力使用に伴う発電所のCO2排出量は計算に含まれていない。この点を批判する声もあり、エンジン研究者がBEVの実際のCO2排出量は従来計算の約2倍になると主張している。

一方で、e-Fuelは再生可能エネルギーで製造された水素やバイオ由来の燃料を使用し、カーボンニュートラルな走行が可能である。e-Fuelを使用する高効率エンジン車は、CO2排出量を大幅に削減できる可能性があるが、製造効率やコスト面での課題が指摘されている。

詳細を読む→パワーユニットはどこへ行く?①|欧州のエンジン車販売禁止に待った!

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