トライアンフの新型スピードツインシリーズがいよいよ日本上陸! 900はフロントフォークが倒立式に

トライアンフの中でも人気のモダンクラシックファミリーは、エンジン形式により400cc単気筒と900cc/1200cc2気筒に大別できる。後者で唯一キャストホイールを採用するのがスピードツインシリーズで、その2025年モデルの日本導入が発表された。まずは概要についてお伝えしよう。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

発表会ではバイきんぐの小峠英二さんと元AKBの平嶋夏海さんが登壇

発表会でのトークショー。右から大貫社長、小峠英二さん、平嶋夏海さん、そしてMCの和田鉄平さん。

去る12月4日、トライアンフモーターサイクルジャパンは、東京都品川区天王洲にて新型スピードツインシリーズのプレス発表会を開催した。大貫陽介・代表取締役社長は、国内の販売台数が2019年の1958台から、2024年(~11月)は4515台へと2.3倍もアップしたと発表。拡大の要因としては販売ネットワークや商品力の強化などが挙げられ、前者についてはここ5年間で全国各地に20店舗を新規オープンしている。また商品力についても、今年はスピード400/スクランブラー400Xという普通二輪免許で乗れるモデルを2機種も投入しており、そうした努力が結果に結び付いたと言えるだろう。

この発表会では、1961年製のトライアンフ・タイガーT110を所有していたバイきんぐの小峠英二さんと、ライダーの間ではお馴染みのバイク好きタレント、平嶋夏海さんがトークショーで登壇。新型スピードツインについて小峠さんは「昔のイメージをそのまま維持しているのがいいですね」とコメント。また平嶋さんは「これでサーキットを走ってみたい!」と楽しそうに話すと、隣にいた大貫社長は「ぜひぜひ!」と応じていた。

トライアンフ スピードツイン900……119万9000円~(2025年1月販売予定)

カラーバリエーションは3種類。写真は最も安価なアルミニウムシルバーで119万9000円。

新型スピードツイン900はスタイリングを刷新した。これまでのモダンクラシックな雰囲気を残しながら、燃料タンクは前方にフォークの逃げを設けた新デザインに。加えて曲線基調だったサイドカバーはシャープな意匠となった。フロントフォークはブーツ付きのφ41mm正立式から、マルゾッキ製のφ43mm倒立式となり、これに合わせてフロントフェンダーはフォークプロテクター付きへと進化。リアショックユニットはマルゾッキ製の別体リザーバータンク付きとなり、リアのホイールトラベル量は120mmから116mmへとわずかに短縮している。なお、アルミ製のスイングアームも新型となった。

写真のピュアホワイトとファントムブラックは123万4000円。

270度位相クランクを採用する900cc水冷4ストローク並列2気筒エンジンは、基本的に前作から変更なし。灯火類はよりモダンなデザインとなり、特にテールランプは非常にコンパクトになった。 メーターはTFTスクリーンを備えた新型となり、スマホ接続機能やUSB-Cポートも採用している。車体色は全3種類で、価格は119万9000円~。先代が115万5000円~だったので、アップデートされた内容を考慮すると、かなり戦略的な価格設定と言えるだろう。

最高出力65ps(48kW)/7500rpm、最大トルク80Nm/3800rpmは前作から不変。ライディングモードがロードとレインの2種類というのも共通だ。トルクアシストクラッチを採用し、トランスミッションは5段。
フロントフォークの倒立化に伴い、シングルディスクブレーキのキャリパーはブレンボからトライアンフブランドのラジアルマウントへ。リアキャリパーはニッシン製で変わらず。ホイールは新型となり、標準装着タイヤにはミシュランのロードクラシックを採用する。

トライアンフ スピードツイン1200……184万9000円~(2024年11月下旬発売)

スピードツイン1200のカラーバリエーションは3種類。写真のアルミニウムシルバーが184万9000円。クリスタルホワイト×サファイアブラックとカーニバルレッド×サファイアブラックが188万4000円となっている。

STDとRSの2バリエーションを展開するスピードツイン1200についても、900と同様のスタイリング変更を実施。フロント18インチ/リア17インチの900に対し、前後17インチのワイドタイヤを履く1200/RSはよりスポーティなイメージとなる。

エンジンについてはSTD、RSとも最高出力は5psアップして105psに。ライディングモードはロードとレインの2種類で、RSはこれにスポーツモードを追加して3種類に。両モデルとも最適化コーナリングABSと最適化トラクションコントロールを標準装備する。

STDのハンドルバーは前作比で17.8mm高く、13.4mm前方へと移動。ハンドル1本分に満たない変化だが、これによりライディング時に大きくワイドな感覚を生み出すという。価格は184万9000円~で、先代の174万9000円~から10万円ほどアップした。

270度位相クランク採用の1200cc水冷4ストローク並列2気筒エンジンは、最高出力を100psから105psに引き上げている。最大トルク112Nm/4250rpmは前作から不変だ。新型のエンジン外観はよりスリムでスクエアとなった。トランスミッションは900の5段に対して6段とされる。
フロントキャリパーはブレンボ製M50からトライアンフブランドのラジアルマウントへ。ホイールは新型で、標準装着タイヤはメッツラー・スポルテックM9RRだ。フロントフォークはマルゾッキ製φ43mm倒立式で、ホイールトラベル量は120mm。
リアショックユニットはマルゾッキ製の別体リザーバータンク付きに。900と同様にホイールトラベル量は120mmから116mmへと短縮している。

トライアンフ スピードツイン1200RS……222万9000円(2024年11月下旬発売)

写真のサファイアブラックのほかにバハオレンジ×サファイアブラックを用意。

スピードツイン1200の上位モデルである“RS”は、オーリンズのリアショックユニットや、ブレンボ製Stylemaキャリパー、メッツラー・レーステックRR K3タイヤを採用するなどして、コーナリング性能をさらに高めているのがSTDとの相違点だ。ライディングポジションについては、新型STDに対してハンドルを16.2mm下げ、ステップを6.5mmアップ/40mmバックとし、より前輪荷重を掛けやすいように見直している。

ブレンボ製Stylemaキャリパーや、メッツラー・レーステックRR K3など、最新のスーパースポーツ顔負けの足周りとなっている。
リアショックユニットはオーリンズの別体リザーバータンク付きだ。

注目すべきは、トライアンフのモダンクラシックシリーズとしては初となるクイックシフターを標準装備したことだ。5psアップしたエンジンと合わせ、RSのスポーティなキャラクターをより引き立てることとなるだろう。

シフトリンケージにクイックシフター用のセンサーが確認できる。

星野リゾート宿泊ギフト券付き2週間モニターキャンペーン開催中

トライアンフモーターサイクルジャパンは、新型スピードツインシリーズの発売を記念し、2024年12月4日(水)~2025年1月14日(火)までの期間中、抽選で4名に新型スピードツイン900/1200/1200RSの2週間モニターキャンペーンを開催すると発表。これには星野リゾート宿泊ギフト券5万円分も付くので、新型スピードツインをじっくりと試したい方はぜひ応募してほしい。

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…