”ファンティック”って懐かしい? 目新しい? キャバレロ500ラリーはエンジンのピックアップ鋭い痛快ストバイ!

競技用モトクロッサー好きが気に入った”449ccショートストロークエンジン”|ファンティック キャバレロ500ラリー

ファンティックと聞いて、トライアルの名門とわかる人は、もうバイク詳しすぎっ! いま売られている新生キャバレロは、オフロードも意識したストリートバイクで、スタイリッシュさと軽快な走りがウリ。豪華で本格的な足まわりにピックアップ鋭いエンジンが秀逸。さすがは伝統のイタリアンブランド、「500ラリー」はそのフラッグシップモデルです!!

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) 
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2020年3月23日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。
ファンティック・キャバレロ500ラリー

ファンティック・キャバレロ500Rally…124万円(税込み)

ファンティック・キャバレロ500ラリー

「スクランブラー」や「フラットトラック」といった土の匂いのするシングルスポーツ、そしてクロームモリブデン鋼ペリメタフレームを骨格とするプレミアムトレール「エンデューロ」をリリースしているのが、新生「Fantic(ファンティック)」です。

 70〜80年代はモトクロスやエンデューロ、特にトライアル競技で活躍しましたが、90年代以降は経営破綻と再建を繰り返し、日本ではあまり馴染みのないメーカーでした。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 創業開始は1968年、イタリア北部のバルザーゴにて。翌69年には初開催のミラノ展示会で、50ccのオフロード車「Fantic Caballero(ファンティック キャバレロ)」が紹介されました。歴史あるイタリアンブランドと言えるでしょう。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 日本でいま取り扱うのはサインハウス(※)。2019年春より輸入・販売元となり、現在では東京都世田谷区尾山台、環状八号線沿いにショールームを構えています。※2022年現在の輸入販売元はモータリスト合同会社(東京都大田区仲六郷2-41-8)

 ストリート向けの主軸モデルが『スクランブラー』と『フラットトラック』で、それぞれクロームモリブデン鋼セントラルチューブフレームに、水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブエンジンを搭載。125、250、500ccという排気量設定となっていますが、車体は共通。スクランブラーはフロント19、リヤ17インチ、フラットトラックは前後19インチの足まわりを持ちます。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 そんななか『500ラリー』をラインナップ。“ラリー”と名乗るのはこのモデルだけで、車体構成は『スクランブラー』に近いと言えます。ホイールサイズは『スクランブラー500』と同じフロント110/80-19。リヤは140/80-17で、後輪のみ125や250(130/80-19)より1サイズ太くなっています。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 前後サスペンションは調整機構が追加され、ストローク量も50mm延長し200mmを確保。スイングアームはアルミ製にグレードアップされ、メーターバイザーやヘッドライトグリル、アンダーガード、ラジエターガードも標準装備されました。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 跨ると腰高な印象です。シート高は860mmあり、身長175cm、体重64kgの筆者の場合、着座するとサスが沈み込み片足立ちならお尻をずらせばカカトまで地面に足が届きます。
 フラットシートで体重移動がしやすく、アグレシッブな走りを予感させます。ライポジに自由度があり視線も高く、ストリートバイクとしての素質の高さも感じます。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 両足を下ろすと、ツマ先立ちに。ハンドルはアップライトで、ゆったりとした乗車姿勢です。ハンドル幅があって、車体が振られても抑えの効くオフロード走行を考慮したライディングポジションです。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

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著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…