”ファンティック”って懐かしい? 目新しい? キャバレロ500ラリーはエンジンのピックアップ鋭い痛快ストバイ!

競技用モトクロッサー好きが気に入った”449ccショートストロークエンジン”|ファンティック キャバレロ500ラリー

ファンティックと聞いて、トライアルの名門とわかる人は、もうバイク詳しすぎっ! いま売られている新生キャバレロは、オフロードも意識したストリートバイクで、スタイリッシュさと軽快な走りがウリ。豪華で本格的な足まわりにピックアップ鋭いエンジンが秀逸。さすがは伝統のイタリアンブランド、「500ラリー」はそのフラッグシップモデルです!!

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) 
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2020年3月23日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

フランクにつきあえて、自在に操れる!

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 走り出してすぐに感じるのは、個人的に好みのエンジンだということです。4スト競技用モトクロッサーが登場してすぐに購入し、数年おきに買い換えつつ長らく所有していた筆者としては、ピックアップ鋭い低中速重視の出力特性がとても痛快です。

 ボア×ストローク94.5×64mmで排気量449ccとするショートストローク設計の水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブエンジンは、軽快に吹け上がり、ARROW(アロー)の小径ツインマフラーからは歯切れのいい元気溌剌としたサウンド。シャープなスロットルレスポンスで、高回転まで引っ張り上げなくともキビキビ走り、身のこなしの軽さが際立ちます。

 ブン回すより早めにシフトアップし、トルク変動を滑らかに走らせた方が市街地では気持ちよく、パンチの効くヒット領域でアクセルをワイドオープンすれば強烈な加速が味わえるのです。

ファンティック・キャバレロ500ラリー

 前後サスペンションはしなやかに動きつつも減衰がしっかりと効き、腰のある足まわり。ストロークが伸びて重心が上がったので、ハンドリングに軽快感が増しています。寝かし込みで落ち着いた安定性を求めるなら、より低重心な「スクランブラー500/250/125」に軍配が上がるかもしれません。

 車体の挙動が把握しやすく、ハンドリングもクセがありません。フロント19インチは軽快かつオーソドックス。神経質さはなく、マシンの向きをスロットルワークでコントロールする快感に酔いしれそうです。

 フランクにつきあえて、自在に操れる。小難しさのないライドフィールは病みつきになる楽しさがあります。これはぜひダートにも持ち込みたい。ワクワクしてくるではありませんか!

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著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…