目次
スズキ・レッツ……163,080円(消費税込み)
正直言ってゼロハンスクーターの試乗は久しぶりのことだったが、改めてその気軽な乗り味がとても楽しく思えたのが実に印象的だった。車重は装備重量で70kg、このクラストップレベルの軽量ぶりだ。全高は1000mmを切り、全長やホイールベースも小さめ。大きな差ではないもののライバル達と比較するとシート高も唯一700mm を切り、全体的な車体サイズはミニマムレベルにある。
ハンドルを握りセンタースタンドを下ろした時、クルリと反対側に向ける等車体を取り回す時の手応えは本当に軽い。スタンドを立てる時も車体を持ち上げる程の意識する事はなく簡単に掛けられる。シート脇の左側には丁寧に右手を添えられるグリップが設けられているがそれも必要ない程に扱いは軽々だ。2輪車に初めて乗る人でも、腕力に乏しい小柄な女性でも不安なく乗り始めることができる事は請け合いである。
もっぱら気楽な足代わりと割り切るのなら軽い乗り味とコンパクトな車体サイズは大きな魅力となる。家の軒下や駐輪場からの出し入れも楽だし、さほど大きなスペースも必要としない。つまり普段使いする上でのストレスが少ないのである。
今回実用燃費率の計測は叶わなかったが定地燃費は66km/L。モード燃費率で53.4km/L。燃費率は使い方で大きく左右されるものだが大雑把に実用でも1Lで40~50Kmは走りそう。ちなみに燃料タンク容量は4.8Lあるので、一度満タンにすると200km近くかそれ以上走れてしまう。隣町程度への買い物利用ならおそらく1カ月以上は賄えてしまうだろう。
自転車感覚の気軽な乗り味が楽しい!
跨がるとフラットなフロアに膝を揃えて乗れる行儀の良いライディングポジションが特徴。コンパクトな車体の割に窮屈な印象はない。右手のスロットルを開けると穏やかながらもそれなりに不足の無いトルク感で立ち上がる。極めて軽かった操舵フィーリングも加速と共に安定感が伴うようになり、快適に走れた。
減速時も4ストロークエンジン独特のエンジンブレーキが良く利く。アクセルを戻すだけで程よい減速感があり12~13km/hまでは十分頼れる。
それ以下では自動遠心クラッチが切れるのでスーッと転がるから前後ブレーキを使えば良い。加速感もストレスは感じなかったが、軽量故に減速操作も不安なくスパッと止められる。全体的に軽々と扱える軽快な走りが気持ち良い。
日常的に使う近場の足として割り切るなら、若干前傾斜ながらもフラットスペースが広いフロアは、荷物の運搬にも好都合。例えばフロントインナーカウルにある荷掛けフックを活用すれば、大きな荷物だって邪魔にならず、楽に運べてしまう使い勝手の良さは自転車の比ではないのである。家から数km程度の快適移動道具としての活用がお勧めであり、その軽快な使い心地が魅力である。
ディテール解説
足つき性チェック(ライダー身長170cm/52kg)
主要諸元
型式 2BH-CA4AA 全長 / 全幅 / 全高 1,660mm / 615mm / 995mm 軸間距離 / 最低地上高 1,150mm / 105mm シート高 695mm 装備重量 70kg 燃料消費率 国土交通省届出値: 定地燃費値 66.0km/L(30km/h)1名乗車時 WMTCモード値 53.4km/L(クラス1)1名乗車時 最小回転半径 1.8m エンジン型式 / 弁方式 A409・強制空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ 総排気量 49cm3 最高出力 2.7kW〔3.7PS〕/ 8,500rpm 最大トルク 3.4N・m〔0.35kgf・m〕/ 7,000rpm 燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム 始動方式 キック・セルフ併用式 潤滑油容量 0.8L 燃料タンク容量 4.8L クラッチ形式 乾式自動遠心シュータイプ 変速機形式 Vベルト無段変速 フレーム形式 アンダーボーン ブレーキ形式(前 / 後) 機械式リーディングトレーリング タイヤサイズ(前 / 後) 80/90-10 35J 乗車定員 1名 排出ガス基準 平成28年国内排出ガス基準に対応