目次
空冷式よりも効率良くエンジンを冷やす水冷式とは?
バイクの2ストエンジンにも4ストエンジンにも、「空冷式」と「水冷式」がある。
空冷式はエンジンに設置された冷却フィンに走行風を当て、エンジンを冷やすシステム。このエンジンは、
・走行風が当たる面積を増やすため、シリンダーやシリンダーヘッドの周囲に羽根状の冷却フィンを設置
・水冷式に採用されるラジエターなどの付随パーツがないため、エンジン周りがシンプルかつ軽量に仕上がる
・水冷式よりも構造が簡単なためにコスト安
などの特徴がある。
一方、水冷エンジンは、シリンダーやシリンダーヘッドなど、エンジンの内部に冷却水用の通路を設置。通過する冷却水に熱を吸収させ、エンジンを冷やすタイプ。このエンジンは、
・パワー重視のレースマシンやスポーツモデルに多用
・空冷式に比べて冷却効率が高く、高性能なハイパワーエンジンでも安定した性能を発揮
・空冷式に採用の冷却フィンを必要としないため、スッキリした外観に仕上がる
などがポイント。ただし、空冷式よりも、
・構造が複雑
・構造上パーツ数が多くなるために重量が重くなる
などの特徴がある。現況、市販車は排気ガス規制をクリアしづらい空冷式よりも、効率的にエンジンを冷やし、排気ガス規制をクリアしやすい水冷式が主流。
水冷式はエンジン内で発生した熱を冷却水が吸収するシステム。一定の温度まで上昇した冷却水は、ラジエター側に移動し(冷却水が一定温度に達していない場合はサーモスタットが感知。ラジエター方向のバルブを閉鎖し、冷却水をバイパスさせる)、熱を外部に放出。その後、冷却水は再びエンジンに戻り、エンジンを冷却する。
冷却水が下限ライン(LOWER)を下回る前に、キャップを開けて水を補給すること!
高温になる冷却水は、蒸発して徐々に減少していく。リザーブタンクには冷却水の上限ライン(UPER/F)~下限ライン(LOWER/L)が表示されているので、規定内に冷却水があるかを定期的にチェックしよう。冷却水が不足するとオーバーヒートやエンジン破損を招くので要注意。
もしも冷却水が下限ライン(LOWER/L)を下回っていたら、キャップを開けてすぐに水を補給すること。極端に冷却水の減りが早い場合は、ラジエター本体やホースの破損による水漏れがないかをよく確認。水漏れがあればビニールテープ等で応急処置した後、バイクショップへGO。
寒冷地では冬場の凍結に要注意!
冷却水は水道水や市販の飲料水でOKだが、錆の防止、また氷結時の膨張による部品の破損を防ぐため、「ラジエタークーラント」と呼ばれる不凍液を混ぜること。なお寒冷地では冬場の凍結を防ぐため、不凍液(ロングライフクーラントと呼ばれる)に入れ替えるのが定番だ。