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SHOWA オンロードレース向け冷却アクスルホルダー&ツインチャンバーフロントフォーク【EICMA(エイクマ)2023公開バージョン】
SHOWA オンロードレース向け冷却アクスルホルダー&ツインチャンバーフロントフォーク【EICMA(エイクマ)2022公開バージョン】
オンロードレース向け冷却アクスルホルダー
近年、スーパーバイク世界選手権(WSBK)に参戦するSHOWA製フロントフォーク装着マシンにとって、旋回性とブレーキ温度上昇による抗力低下が大きな課題。これをクリアするため、SHOWAではアクスルホルダー部をベンチレイテッド式(走行風による冷却式)に改良。これにより、フロントフォーク本体の軽量化に加え、ばね下重量の軽減によるコーナリング性能の向上を目指している。
また、ワークスマシンが採用するバランスフリーフロントフォーク(BFF)は、フォークのボトム部に減衰力発生バルブや、その調整機構を備える構造のため、ディスクブレーキキャリパーに走行風が直接当たらず、ブレーキ部の冷却性を阻害しがち。そこでSHOWAでは、アクスルホルダーをベンチレイテッド化するとともに、フロントフォークをBFFからツインチャンバータイプへの変更を推進中。
ベンチレイテッド式アクスルホルダーは、ブレーキ部の冷却性を向上させる作用あり。SHOWAによるテストでも、10%以上の温度低下を実現。同ベンチレイテッド式アクスルホルダーは、条件によって冷却過剰とならないよう、樹脂プレートなどで温度を最適化することも可能。このアクスルホルダーはBFF用に対し、8%も軽量なので、バネ下重量軽減によるコーナリング性能向上も期待できるのがポイントだ。
EICMA2023公開バージョンは、ラジアルマウント型のディスクキャリパー取り付け部を、肉抜きされたオールアルミ製から、カーボン導入型に変更。2023年12月現在、スペックや性能面でのメリット等は公表されていないが、ディスクキャリパーのさらなる冷却効果の向上、フロントフォーク本体の軽量化、ばね下重量の軽減によるコーナリング性能の向上を達成していると予測される。
ツインチャンバーフロントフォーク
ツインチャンバーフロントフォークは、すでに市販モトクロッサーやワークスモトクロッサーにも採用実績あり。EICMA2022で発表されたフロントフォークは、それをオンロード向きに転用したもの。BFFは加圧構造により、減衰力応答性が高い優れた機構だが、このツインチャンバータイプも加圧ダンパー構造によって高い減衰力応答性を獲得。
さらにシリンダーや加圧機構がバネ上に配置されているため、バネ下重量が軽量になるというメリットを獲得。現在開発中のタイプも、バネ下重量を約10%、フロントフォーク全体でも2%以上の軽量化を実現している。
EICMA2023公開バージョンは、アウターチューブをオールアルミから、中央部分にカーボンを採用。2023年12月現在、スペックや性能面でのメリット等は公表されていないが、フロントフォーク本体の軽量化を実現している模様だ。