気分は徳川家康。スズキ GSX-S125ABSを相棒に、東京・日本橋から京都をめざす東海道ガス欠チャレンジ第6弾[2日目]

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
どないするタカハシ♪ GSX-S125ABSを駆って、東京・日本橋から京都をめざし、徳川家康を追う。満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタック、雨の箱根を越えて駿河に突入!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 小田原 徳川家康陣地跡
これが徳川家康陣地跡。1590年(天正18年)の小田原戦役で家康が布陣した。

雨のなか宿を出て、すぐ近くの徳川家康陣地跡を見物した。小田原城の北条氏を攻めようと家康が陣を張った場所だそうだ。が、AFOのタカハシにはさほど面白くなかった。歴史を愛する粘着系インテリライダーとかだったら見て損はないが、そんな知的な人物がタカハシのAFO記事を読んでるはずはない。ここで詳しく紹介する意味もないだろう。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 箱根
山の天気は不安定だ。箱根は視界をさえぎる本降りに。

昨日、湘南で残4目盛りになったフューエルメーターは、今朝にはまたフルの残5目盛りに戻っていた。箱根の山坂道に入ってからも、減ったり戻ったりでなかなか落ち着かない。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 箱根
あいにくの雨。だがタイトなワインディングではGSX-S125のパワフルな走りが楽しめる。

レイニーロードは駿河湾に続く

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 箱根
芦ノ湖には暗雲が立ち込めていた。靴の中まで雨が浸み込んでびちゃびちゃだ。(においを想像するとリアルに酸っぱいものが吐けるかも)
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 箱根
箱根の絶景ダウンヒルも、雨の日は高度とともに気分までダダ下がる退屈な下り坂だ。はるか行く手には、駿河湾がうっすら姿を見せている。

箱根を降りて静岡に入り、駿河湾岸へ。あいかわらず雨は降ったりやんだりだ。フューエルメーターも一瞬減ったと思うとまたすぐ戻り、やたらフラフラしていたが、富士市五貫島の道の駅富士で、ついに残3目盛りが確定した。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
トリップ171.2km地点でフューエルメーターは残3目盛りに。

東海道チャレンジャーとの遭遇

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 由比 蒲原
静岡市街に向かう富士由比バイパス。大粒の雨が容赦なく叩きつける。

静岡市清水区には、子ども時代の家康が教育をうけた清見寺がある。バイパスを降り、休憩がてら門前にバイクをとめて寺の威容を眺めていると、ザックを背負ったおじさんが近づいてきた。日焼けした顔と装備をみれば、東海道五十三次を歩くチャレンジャーだとすぐわかる。なぜならタカハシ自身も、かつて同じように東海道を歩いたことがあるからだ。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 清見寺
奈良時代の創建と伝わる古刹、清見寺の総門。「東海名區(区)」の扁額(へんがく)は「東海の名所」という意味だ。戦略上の重要地だったため、戦国時代はあちこちのゴタゴタに巻き込まれまくってひどい目にあったが、その後は家康はじめ徳川家の手厚い庇護をうけた。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 清見寺
写真は載せていいけど、名前はNGという旅人A氏と。東海道チャレンジャーは、たいてい杖をもっているからすぐ見分けがつく。A氏がその後、無事京都に着いていればいいんだが。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
清見寺近くの東海道をゆく昔日のタカハシ。おおかたの東海道チャレンジャーとは逆向きに、京都から東京をめざす東行ルートに挑んだ。全20泊21日のうち19泊がノーテントの道ばた野宿、杖のかわりにビニール傘を突いて歩く貧乏くさい旅だった。

久能山から田中城へ

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
晴れていれば、息をのむ太平洋の絶景が楽しめる清水バイパス。雲は厚いが雨は上がり、空も明るくなってきた。

静岡市街を避け、海岸まわりに西へ抜ける国道150号清水バイパスへ。この道沿いには、かつて家康が愛し、今なお静かに眠る久能山東照宮がある。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 久能山東照宮
家康の墓所、久能山東照宮を訪れる人は平日も途切れない。ここから本殿(国宝)まで約1000段の石段が続く。併設の博物館では、家康ゆかりの品を数多く収蔵・展示している。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 イラスト
■家康の死後、1617年(元和3年)に二代将軍秀忠が社殿を作った久能山東照宮。その後も代をまたいで整備が重ねられた。今も壮麗な建築が数多く残る。本殿などは国宝、楼門などは重要文化財♪
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 久能山東照宮
久能山東照宮の参道は、鳥居から太平洋の彼方まで、まっすぐのびていた。

久能山を走り出して、偶然みつけたロードサイドのおしゃれスペースにバイクを止めた。早くガソリンを減らしたい一心で朝から休まず走り狂ってて、つい昼メシを食い忘れていたのを思い出したからだ。ベンチでくつろぎ、手持ちのパンをかじり、ペットボトルの水で腹の虫をなだめた。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
そこそこステキ感があってイケてるベンチに見えるが、じつはただの公衆トイレ。トイレランチは、入れたらすぐ出せる究極の合理性がうけ、タイパを重んじる若者に人気のアクティビティとなっている。(←嘘)

ランチを済ませ、藤枝市の田中城下屋敷へ。田中城は1503年(天文6年)に駿河今川氏が築城して以来、なにかと家康と因縁のある城のひとつだ。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 田中城下屋敷
夕暮れの田中城下屋敷。まわりはごく普通の住宅地だが、ここだけがぽつんと江戸時代化している。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 田中城下屋敷
田中城の本丸櫓。世間では、家康はこの田中城で鯛の天ぷらを食い過ぎて死んだといわれることが多い。しかし現在では、胃がんを死因とする説のほうが有力だ。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
田中城あたりの川辺、日没が近い。

田中城から宿までは目と鼻の先だ。夕陽を追うように宿に入り、ガレージにバイクを格納、部屋にあがってコンビニ飯を食い、ただちに眠った。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
トリップは229.7km、本日の走行距離は138.8kmだった。フューエルメーターは残3目盛り。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 地図
■東海道ガス欠チャレンジMAP/スズキ GSX125ABS/日本橋~藤枝

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AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…