【バイク免許】大型バイクに乗れる! 排気量制限なしの「大型二輪免許」と「AT限定大型二輪免許」の取得方法

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方を紹介
多くのライダーが憧れる1000cc超えなどの大排気量バイクは、迫力あるフォルムや長距離ツーリングも快適な余裕ある走りなどが魅力。運転するためには「大型二輪免許」または「AT限定大型二輪免許」が必要だが、これらの違いは一体なんだろう? また、実際に、それぞれを取得するためにはどういった方法があり、どの程度の費用がかかるのだろう? 
ここでは、排気量制限なしの大型二輪免許やAT限定大型二輪免許を取得したいライダー向けに、基本的なイロハを紹介する。

REPORT●平塚直樹
PHOTO●本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキモータースジャパン、写真AC
*写真はすべてイメージです

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許とは?

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許は、いずれも排気量400ccを超えるバイクを運転するために必要な免許だ。主な規定は以下の通り。

【大型二輪免許】
・運転できるバイクの排気量:制限なし
・取得可能な年齢:18歳
・2人乗り:可
・高速道路の走行:可

【AT限定大型二輪免許】
・運転できるバイクの排気量:制限なし(AT限定)
・取得可能な年齢:18歳
・2人乗り:可
・高速道路の走行:可

バイク免許には、原付免許、小型限定普通二輪免許、AT小型限定普通二輪免許、普通二輪免許、AT限定普通二輪免許もあり、これらは16歳以上で取得できる。だが、大型二輪免許やAT限定大型二輪免許の場合は、18歳以上でないと取得できない。

また、2人乗りは可能だが、高速道路や自動車専用道路での2人乗りについては、

「年齢が20歳以上」
「大型自動二輪車免許又は普通自動二輪車免許を受けていた期間が通算3年以上」

といった制限もあるため注意したい。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
高速道路を走るには一定の規定がある

乗ることのできるバイクの排気量はいずれも無制限。ただし、AT限定大型二輪免許の場合は、オートマチック車のみしか運転できない。クラッチ操作を必要としないスクーターを中心とした2輪車に限定される。ちなみに、AT限定大型二輪免許は、以前まで排気量が650cc以下に制限されていたが、2019年12月1日の道路交通法の改正によって、上限なしへと変更された。

AT限定大型二輪免許で運転できるバイクとしては、例えば、ヤマハのスポーツスクーター「TMAX560」がある。また、ホンダであれば、「ゴールドウイング ツアー」「CRF1100アフリカツイン」「NT1100」「レブル1100」などがある。これらは、一見するとスクーターモデルではないが、いずれも独自のAT機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を搭載。クラッチ操作が不要なので、AT限定の免許でも運転可能なのだ。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
AT限定大型二輪免許で運転できるバイクの例(ヤマハ・TMAX560)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ホンダ・XL750トランザルプ)

一方、大型二輪免許を取得すれば、クラッチレバーやシフトペダルを駆使して走るMT(マニュアル・トランスミッション)車の運転も可能だ。しかも、このクラスには、かなり多様なタイプが用意されており、好みや使い方に応じた車種選びをできる。

例えば、ツーリングを楽しめる機能や装備が満載のツアラーやアドベンチャーモデル。ヤマハなら「トレーサー9GT/9GT+」、スズキなら「Vストローム1050/1050DE」や「GSX-S1000GT/GX」、カワサキであれば「ニンジャH2 SX/SX SE」「ニンジャ1000SX」などが選択できる。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ヤマハ・トレーサー9GT+)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(スズキ・Vストローム1050DE)

また、MotoGPマシンを彷彿とさせる1000ccのスーパースポーツも運転できる。例えば、ホンダ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード/SP」、ヤマハ「YZF-R1/R1M」、カワサキ「ニンジャZX-10R」など、各メーカーのフラッグシップといえるモデルが軒を連ねる。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ホンダ・CBR1000RR-RファイヤーブレードSP)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ヤマハ・YZF-R1)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(カワサキ・ニンジャZX-10R)

ほかにも、ネイキッド系ならホンダ「CB1300スーパーフォア/スーパーボルドール」、ヤマハ「MT-10」、スズキ「GSX-S1000」などがあるし、ネオクラシック系ならホンダ「ホーク11」なども選べる。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ホンダ・CB1300スーパーフォアSP)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ヤマハ・MT-10)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ホンダ・ホーク11)

さらに、最近は、1000cc未満のミドルクラスも充実。さまざまなスタイルや排気量のバイクが百科繚乱だ。例えば、ホンダの「XL750トランザルプ」「CBR650R」「CB650R」、ヤマハの「XSR900」「XSR700」「YZF-R7」、スズキの「Vストローム800/800DE」「GSX-8R」「GSX-8S」、カワサキの「Z900RS/カフェ」「Z900」「Z650」「ニンジャ650」等々だ。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(カワサキ・Z900RS)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ホンダ・XL750トランザルプ)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(スズキ・GSX-8R)
大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許で運転できるバイクの例(ヤマハ・YZF-R7)

こうしたミドルクラスのバイクは、いずれも、ちょうどいいパワーと扱いやすい車体などにより、ベテランライダーをはじめ、大型二輪免許を取得したばかりの若い世代などから大きな支持を受けている。

取得するにはどんな方法がある? 

大型二輪免許やAT限定大型二輪免許を取得するには、自動車教習所に通うか、運転免許試験場(運転免許センター)などで直接受験するいわゆる「一発試験」を受けるといった2つの方法がある。

それぞれの大まかな流れは、以下の通りだ。

【自動車教習所に通う場合】
学科教習・技能教習

卒業検定

適性検査・学科試験
↓*技能試験は免除
免許証の交付

自動車教習所では、交通法規や安全運転のマナーなどを学ぶ学科教習と、教習所のコースを使って実際にバイクを運転しながら、知識と技術を学ぶ技能講習がある。後述する所定の時間をそれぞれ受講したのち、卒業検定に合格すれば卒業だ。その後は、運転免許試験場(運転免許センター)へ出向き、適性検査と学科試験をパスすることで免許の取得が可能となる。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許やAT限定大型二輪免許の取得は、自動車教習所に通う方法がある

【一発試験の場合】
適性検査・学科試験

技能試験

取得時講習・応急救護講習

免許証の交付

一発試験の場合は、運転免許試験場(運転免許センター)で適性検査や学科試験、技能試験に合格した後、取得時講習や応急救護講習を受ければ免許証が交付される。ちなみに、取得時講習や応急救護講習は、一般的に都道府県の公安委員会が委託する指定自動車教習所で実施することが多い。技能試験に受かったのち、指定自動車教習所へ予約を取り受講すると、免許証の交付を受けることができる。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
大型二輪免許やAT限定大型二輪免許の取得には、運転免許試験場で一発試験を受ける手もある

自動車教習所へ通う場合と比べると、一発試験の方が、取得に必要な日数が比較的短く、費用も安くなる傾向だ(詳しくは後述)。ただし、それは、もしスムーズにいけばの話。運転免許試験場などで行う技能試験はかなり難易度が高いといわれている。特に、大型二輪免許やAT限定大型二輪免許の場合は、普通二輪免許などと比べ、より高い運転技術が要求される。そのため、受験1回目で合格するケースは少ない傾向で、何度も落ちると取得の日数や費用的にもかかってしまうので注意したい。

教習所の教習時間はどれくら

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許では、自動車教習所に通う場合の学科教習や技能教習の教習時間は異なる。クラッチやシフトの操作がないAT限定の方が、より運転が楽な分、教習時間も短くなる傾向だ。

また、すでにほかの免許を持っているかどうかでも教習時間は異なる。特に、免許なし又は原付免許のみの場合は、教習時間が長い。ただし、教習所によっては、いきなり大型二輪免許やAT限定大型二輪免許に挑むのではなく、まずは普通二輪免許などを取得し、その後にステップアップすることをすすめるケースもある。

そこで、ここでは、免許なし又は原付免許のみの場合と、すでに普通二輪免許を持っている場合の例を紹介する。

【免許なし又は原付免許を持っている場合】
・大型二輪免許:学科教習26時限 技能教習36時限
・AT限定大型二輪免許:学科教習26時限 技能教習29時限

【普通二輪免許を持っている場合】
・大型二輪免許:学科教習なし 技能教習12時限
・AT限定大型二輪免許:学科教習なし 技能教習9時限

このように、普通二輪免許を持っていれば、まったく免許がない場合と比べ、圧倒的に教習時間は短くなる。

ちなみに、受講できる一日あたりの教習時間は、教習所や本人のスケジュールなどによって異なるため、実際に卒業できるまでの日数はさまざま。詳しくは、自分が通う予定の自動車教習所へ直接相談して欲しい。

運転免許試験場でかかる費用は?

自動車教習所を卒業した後に学科試験を受けたり、一発試験を受ける場合に、運転免許試験場で必要な費用は以下の通りだ。なお、これらは、大型二輪免許とAT限定大型二輪免許で違いはない。

【教習所を卒業し学科試験を受ける場合】
・受験料:1750円
・免許証交付料:2050円
*合計3800円

【一発試験の場合】
・受験料:2600円
・試験車使用料:1450円
・免許証交付料:2050円
・取得時講習(応急救護講習含む)受講料:1万6650円
*合計2万2750円

自動車教習所に通う場合の教習費用については、自分が通う教習所などによって違うため、一概にいえない。ただし、教習時間の少ないAT限定大型二輪免許の方が比較的安くなる傾向だ。例えば、ある教習所では、ほかの免許なしか原付免許のみの場合で、大型二輪免許が29万円程度。それに対し、AT限定大型二輪免許の場合は25万円程度に設定しており、4万円近く安くなるようだ。

受験資格の注意点は?

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許を受験できる年齢は、前述の通り、18歳以上。ほかのバイク免許が16歳以上であるのに対し、より技量が求められることもあり、取得年齢も高くなっている。

また、自動車教習所に入学する際や一発試験を受ける際に受ける適正検査では、例えば、視力などに以下のような規定がある。

・視力が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること
・一眼の視力が0.3に満たない人、もしくは一眼が見えない人については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること

なお、視力検査については、メガネやコンタクトレンズを使用してもOKだ。ほかにも、適正検査では、色彩識別検査、運動能力検査、聴力検査などが実施されることが多い。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
受験資格には視力などに一定の規定がある

「いきなり大型二輪免許」よりステップアップがおすすめ

大型二輪免許やAT限定大型二輪免許の取得は、バイク好きの多くが憬れる。ただし、大型バイクは、ほかのクラスと比べ車格やパワーもあるので、操るにはかなりの技量が必要だ。

そのため、初めて取るバイク免許が大型二輪免許やAT限定大型二輪免許というより、まずは普通二輪免許を取り、400cc以下のバイクで腕を磨いてからステップアップするほうがいい。

前述の通り、自動車教習所によっては、はじめてバイク免許を取る場合、まずは小型限定(またはAT小型限定)普通二輪免許か、普通二輪(またはAT限定普通二輪)免許を取得することをすすめるところもあると聞く。

また、一発試験の場合も、いきなり大型二輪免許やAT限定大型二輪免許を取るのはかなりの難関。より取りやすい小型限定普通二輪免許か普通二輪免許を取った後、ある程度バイクに慣れた後にチャレンジする方がいいだろう。

大型二輪免許とAT限定大型二輪免許の取り方
教習所の教習車や一発試験の試験車は750ccなど大型バイクを使う(写真はホンダ・NC750L MT教習車仕様)

なお、ここで紹介した内容は、あくまで一般的な例だ。地域や場所によっては内容が異なる場合があるので、具体的な不明点や気づいた点などは、自動車教習所や運転免許試験場などに直接確認して欲しい。

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