丸→角なデザインに進化したツイート125GT。プジョーのスクーターがなかなか良い感じ! 【動画・モトチャンプTV】

フランスを代表する創立125周年を迎えたブランドがプジョーモトシクル。2023年に発売されたミッションモデルのPM01と同時に発表された原付2種スクーターであるツイート125GTの試乗インプレッションを届けしよう。

プジョー・ツイート125GTをご紹介

スタイリッシュなプジョー・ツイート125GT。

プジョーと聞くとフランスの4輪メーカーというイメージが強い。ところが2輪メーカーとしても創立125周年を迎える老舗メーカーなのである。そのプジョーから2023年に発売されたツイート125GTは原付2種スクーターらしく実用性を訴求しつつ、ヨーロッパに多い石畳の路面でも安定して走行できるよう前後に16インチのハイホイール(大径タイヤ&ホイール)を採用していることが特徴だ。

前後16インチのハイホイールを採用したことがポイント。

さらにはこのデザイン。オシャレなフランスらしくデザイン性に優れることもポイントで、全体的に鋭角なラインで構成されている。カラーリングにも工夫が見られ、鋭角なデザインのなかにポップな感覚も盛り込んでいる。先代のツイートが丸っこいデザインだったことを考えると、大きくデザインを変えてきた。また前後に4輪と共通イメージのエンブレムを装備していることも意欲的だといえる。

単色ながらデザイン性に優れるデジタルメーター。
テールランプの下に4輪と共通イメージになったエンブレムがある。

実はツイート125GTについては発売直後に記事化している。ではなぜ今このタイミングでの紹介になったかといえば、動画を無料配信している「モトチャンプTV」で取り上げたから。「プジョーの注目スクーター、ツイート125GTが良すぎた!」というのがその回で、編集長のチャボとジャーナリストの中村友彦が解説している。今回の記事もモトチャンプTVの動画をダイジェストにまとめたものだ。より深くツイート125GTのことを知りたいなら、過去の記事と合わせてぜひ読んでいただきたい。

エンジンは空冷2スト単気筒125ccを搭載する。

今どき空冷2バルブと聞くと古いというイメージを抱いてしまうが、エンジンは空冷2ストローク単気筒を採用している。実はツイートには200ccモデルもあり、そちらでも冷却方式は空冷のまま。空冷でも最新の廃ガス規制をクリアできるということ。気になるパワーは最高出力11.4ps/8500rpmで、ライバルと目される国産125スクーターたちは水冷が多くパワーも若干高い。

段差の少ないシート。

ハイホイールであることのほかに、ツイート125GTの特徴としてフラットフロアを採用していることが挙げられる。この組み合わせは長らくライバル車が存在し続けているのでヨーロッパでは一定の需要があるのだと想像できる。フラットなフロアに対してシートはどうかというと、やはりヨーロッパメーカーらしく幅が若干広めになっている。ただ段差は少なく前後へポジションをズラしやすいデザイン。またリヤキャリアまでもフラットに近いので使い勝手は良いだろう。

後ろに燃料タンクがあるためシート下スペースは広くない。

ハイホイールでシート自体も薄いデザインのため、シート下スペースは想像通りに広くはない。おまけに燃料タンクが配置されているため、小物入れと割り切るのが良いだろう。

シート高はハイホイールであることを考えたら高くはない。

では気になる足つき性はどうだろう。ハイホイールだとシート高が高くなるイメージだが、カタログ数値は790mm。実際に中村友彦がまたがるのだが、身長が182cmもあるのであまり参考にはならないかもしれない。続けて身長175cmのチャボがまたがっても両足が踵まで着地する。チャボの印象では身長170cm前後だと踵が浮くだろうとのことだ。

フラットフロアだが足の自由度はあまりない。

フラットフロアなことも特徴だが、実際に足を載せると意外と自由度はあまりない。写真は靴サイズが28cmの中村友彦のもので、ほぼ前後にスライドさせる余地はなさそうだ。ただ、高くないシート高と合わせて乗降性の良さは特筆すべきで、実用的な使い方にちょうどいいだろう。気になる値段だが実に戦略的な価格設定で39万500円(税込)なのだ。ホンダPCXやヤマハNMAXなどより3万円前後高いだけで、十分に射程範囲といえる。これはどのような走りを披露するのか、とても気になるところだろう。

中村の試乗インプレッション

試乗はミニサーキットをメインに行われた。

ミニサーキットで試乗した中村友彦の第一声はエンジンが予想以上に滑らかだということ。空冷2バルブということで予想された振動などはほぼなく、キレイに高回転まで回ってくれる。パワー的にも十分で前述したPCXやNMAXと比べて見劣りするかといえば、全くそんなことはない。馬力的に少々低く重量が嵩むハイホイールを採用しているのでライバルより遅そうなイメージを抱くが、走り出すと当初の予想を良い意味で裏切ってくれた。

16インチタイヤ&ホイールながら軽快な倒し込みができる。

16インチのハイホイールによる乗り心地や旋回性はどうだろう。これも意外と軽快感があってヒラヒラと向きを変えてくれる。タイヤ幅が前後とも110というところにポイントがありそうだ。フラットフロアなのでフレーム剛性という意味で不利なはずなのだが、ハイホイールによる恩恵なのか実にバランスが良くコーナリング中やブレーキング時にもしっかりした車体であることを確認できた。

一般道に出て段差や凹凸路での操安性をチェック。

今回はあえてミニサーキットだけでなく一般道にも出ている。一般道らしく凹凸や段差もあるわけだが、ここでもハイホイールならではの好印象が続いた。試乗したチャボも語っているが、乗る前に想像した重さをまるで感じなく軽快でナチュラルに走り加速する。ただ、渋滞した通勤路をヒラヒラ走れるかというと微妙だが、コーナリングの安心感などツーリングに行きたくマシンなるのだ。ライポジは足元の狭さから想像したことを良い意味で裏切ってくれ、ツーリングでも疲れないだけの余裕がある。滑らかな走りと個性あふれるデザインは非常に魅力的で、中村友彦は「ツーリングに行きたい」と語りチャボも「久々にとても良い」と太鼓判。ただし、200cc版は42万3500円(税込)であり、高速も走れることを考えると無視できない存在なのだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…