目次
車体を眺めた後は、実際に走ってみて診断することに。
エンジンの吹け上がりは? 異音は? 車体の違和感は??? オーナーとしてはプロの視点が気になります!
8900rpm! エンジンがよく回る
後付けタイプのタコメーターを取り付けての走行結果は、最高エンジン回転数は8900rpm。カタログ値の最高出力が7000rpmなので、これくらい回るということは調子がいいと言えるでしょう。とM&Fカビィの影山さん。
なお、なかには6000rpmくらいしか回らない車両も存在し、マフラーにカーボンが詰まっていたりと原因は様々。
シフトチェンジがギクシャク
スピードの上昇とともに左足のシフトペダルで1速→2速→3速へとシフトチェンジさせるスーパーカブですが、筆者の車両はうまくギヤが入ってくれないことが多い。
これはクラッチ調整で簡単に解消します。
クラッチの調整位置がずれている(遊びが多い)と=半クラ状態でミッションを操作していることなので、このまま乗り続けるとミッションが壊れる可能性も。
シフトペダルを踏むストロークが大きいので、駐車時にニュートラルに入れづらい症状も現れます。
調整方法は次の通り。
(1)ロックナットを14mmのレンチで緩める。 (2)中央のアジャストスクリューをマイナスドライバーで右側に1回転回す (3)中央のアジャストスクリューを左側に重くなるまで回す (4)重くなった位置から中央のアジャストスクリューを右側に1/8回転戻す (5)ロックナットを締め込む(1.2kgf・m)。
ドライブチェーンの状態は?
走ってみてのドライブチェーンに違和感はなし。チェーンケースを開けて確認してみると、自体に目立った痛みはなく、もう一度くらいなら張り直しても問題ないでしょう。なお、チェーン交換時にM&FカビィがおすすめしているのはEKチェーン・ヘビーデューティチェーン 420SR リンク数:98L。で価格は2300円くらい。純正チェーン+数百円で購入できて、強度も耐久性も高くて好評です。
エンジンオイルは……
ちょっと走っただけでエンジンの良し悪しはわからなかったので、目視でオイルの状態を確認してみることに。
水平な場所でセンタースタンドを掛けて、オイルフィラーキャップを開ける。オイル量は適正、汚れはあまり目立たず。銘柄が不明なので一概には言えないけれど、シャバシャバなので劣化している可能性は高そう。
なお現在販売されているホンダの純正オイルウルトラG1スタンダードは5W-30。このスーパーカブの推奨オイルは旧仕様のウルトラG1(10W-30)なので、同粘度を選ぶのもアリです。
結局、良いカブ、悪いカブ?
クラッチ調整がメチャクチャだったり、ヘッドライトが上下逆だったりと、素人的なメンテナンスの痕跡がいくつか見られましたが、全体的にみるとグッドコンディションです。
エンジンは年式なりで、始動性も良好。消耗部品は適宜交換すれば、これからもしっかりと走ってくれるでしょう。フレームや足まわりに大きなダメージもなし。外装類のきれいさは、保管状況が良かったことを物語っています。
最近はスーパーカブの中古相場も上がっているので、今手に入れるなら15万円くらいかもしれません。なかなか良い買い物だったようです。
今回伺ったショップ
●M&Fカビィ
住所:愛知県豊橋市西幸町浜池56-1
C100を筆頭としたキャブレター世代のスーパーカブから、現行のスーパーカブ、クロスカブ、CT125 ハンターカブまで、カブシリーズを得意とするショップ。レストア、メンテ、カスタム、オリジナルパーツの販売、レース車両の製作まで守備範囲が広く、頼りがいのあるショップだ。