「トゥオーノ=雷」|アプリリアのミドルクラス・スーパースポーツ・ネイキッド「トゥオーノ660ファクトリー」がさらなる進化!|EICMA2024

アプリリアのスーパースポーツモデルをベースとしたネイキッドシリーズ「トゥオーノ」。ミドルクラスのトゥオーノ660がモデルチェンジ。同時に登場したRS660同様にエンジン出力がパワーアップして電子デバイスが進化している。
RS660をベースにしたネイキッドモデルが進化。今モデルよりグレードがTUONO660Factoryのみとなった。

 イタリア語で「雷」を意味するトゥオーノ(TUONO)と名付けられたネイキッドスポーツは、アプリリアのスーパースポーツがベースとなっている。トゥオーノ660はRS660を基にハーフカウルのネイキッドモデルとして仕立てられたモデルとなる。搭載されるエンジンは水冷並列2気筒DOHC4バルブ。これまで95HPだった最高出力は、今回のモデルチェンジでスロットルボディの口径をφ48mmからφ52mmへ拡大して105HPへとパワーアップした。燃焼室は非対称で270°クランクを採用することで、不規則な点火によってVツインに似たサウンドとなる。

ショートテールの戦闘的なスタイル
ツインフェアリングが空気の流れを効果的に導く

今回のモデルチェンジで「TUONO660ファクトリー」のみのモノグレードとなった。RS660ファクトリーと同様に前後ともにサスペンションはオーリンズ製を採用。フロントには43mmのNIX30シリーズの倒立フォーク、リヤにはSTX46ショックアブソーバーを装着。ショックアボソーバーにはタンクが内蔵され、両方のユニットのリバウンド、圧縮ダンピング、スプリングプリロードの調整が可能となっている。

高度な電子デバイスも搭載され、電子ライドバイワイヤアクセラレーターと慣性6軸プラットフォームを備えたAPRC(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)が標準装備されている。APRCは加速度計とジャイロスコープ搭載し、路面状況とバイクの状態を認識し、走行中に得たデータを記録、処理してそのデータを制御ユニットに送信。制御パラメーターを最適化して介入する。競技用車両に使用されるスタンディングスタートを管理するALC(ローンチコントロール)が搭載され、調整可能なトラクションコントロールであるATC(アプリリア・トラクション・コントロール)が含まれている。高性能な微調整介入ロジックが特徴のAWC(アプリリア・ウイリー・コントロール)、スロットルコントロールを使用せずに設定速度を維持するACC(アプリリア・クルーズ・コントロール)、フットペダルを離したりクラッチを使用せずに高速なギアチェンジを行う電子ギアボックスAQS(アプリリア・クイック・シフト)、スロットルオフ時に調整可能なエンジンブレーキ制御を行うAEB(アプリリア・エンジンブレーキコントロール)、エンジン出力特性と配分方法を変更するAEM(アプリリア・エンジンマッピング)が含まれ、これらを制御している。また、これまで同様にマルチマップABSコーナリングも同歳され、特定のアルゴリズムによりカーブでのブレーキングとABSの介入を最適化。横方向の加速度、フロントブレーキのレバー入力、旋回、ロール、ヨー角などの様々なパラメーターを常に監視して、ブレーキの動作を調整し、減速と安定性を可能な限り最適に組みわせる。

前後ともにオーリンズ製のサスペンションを採用している。

メーター部は5インチのカラーLCDを採用。明るさの向上と反射を低減したパネルによってこれまでより視認性を大幅に向上。様々な情報が確認しやすいように改善されている。また、ハンドル周りのスイッチ類にはバックライトが内蔵され、夜間でもわかりやすくなっている。

メーターパネルは5インチのフルカラーLCDを採用している。

新しいトゥオーノ660の外観デザインは、スポーティなイメージを強調する小さなフットレストと、空力学的に機能するツインフェアリングの採用によってシャープな印象を際立たせている。2つのフェアリングの間に流れる空気の圧力によって高速走行時の安定性が向上し、エンジンから取り出された熱気を逸らして、ライダーに直接当たらないようにすることでライダーの快適性も向上させている。フロントエリアのデザインも一新して、全体的に流線型のフォルムになっている。

シングルシートテールが付属し、パッセンジャーシートと交換してシングルシートにできる

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橘 祐一