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ヤマハ・YZF-R9…2025年春以降発売

扱いやすいパワーとなエンジン性能

ヤマハは2025年モデルとして、新型スーパースポーツ「YZF-R9」を発表した。このモデルは、890ccの水冷DOHC直列3気筒エンジンを搭載し、最高出力117.3馬力を10,000rpmで発生する(欧州モデル)。
また、最大トルク93.5Nmを7,000rpmで発揮し、低中速域から力強い加速を実現している。このエンジンは、MT-09と基本構造を共有しながらも、専用のECUチューニングと最適化されたギア比により、サーキット走行にも対応する性能を持つ。
専用設計のシャーシとサスペンション

YZF-R9は、ヤマハのスーパースポーツモデルとして最軽量のアルミ製デルタボックスフレームを採用している。これにより、車体の剛性を高めつつ、軽量化を実現。
前後サスペンションには、フルアジャスタブルなKYB製43mm倒立フォークとシングルショックを装備し、プリロード、高速・低速圧縮、リバウンドの調整が可能で、多様な走行シーンに対応する。
ブレーキシステムには、プレミアムなブレンボ製Stylemaモノブロックキャリパーとラジアルマスターシリンダーを採用。フロントには320mmのダブルディスク、リアには220mmのシングルディスクを装備し、ABSも標準搭載されている。これにより、高い制動力と優れたコントロール性を実現している。
6軸IMU搭載

YZF-R9は、フラッグシップモデルYZF-R1から継承された6軸IMU(慣性計測ユニット)を搭載している。これにより、9段階のトラクションコントロール、3段階のスライドコントロール、3段階のリフトコントロール、ブレーキコントロールなど、多彩な電子制御システムを実現。
これらのシステムは、ライダーの好みや走行状況に応じて調整可能で、あらゆるコンディションで最適なパフォーマンスを提供する。
モータースポーツがより身近に

車体デザインは、ヤマハのRシリーズの特徴であるM字型フロントダクトやテールウイングを継承しつつ、最新のデザイン要素を取り入れている。LEDポジションライトやMotoGPからインスパイアされたフロントウイングレットなど、空力性能と視認性を向上させるデザインが採用されている。シート高は830mmで、車体サイズは全長2070mm、全幅705mm、全高1180mmと、日本人ライダーにも適した設計となっている。
日本の大型SSといえば1000ccの4気筒というのがセオリーだったが、YZF-R9はそれを打ち破る新たな価値を持ったモデルとなるだろう。敷居が高かったサーキットおよびモータースポーツをより身近にしてくれる存在となりそうだ。