スズキGSX1100S KATANA改。フランス発「BSバッテリー」のデモ車として製作された“RCM-644”【東京モーターサイクルショー2025】

2025年3月28日(金)~30日(日)の3日間、東京ビッグサイトにて開催された国内最大級のモーターサイクルイベント「第52回 東京モーターサイクルショー」。写真はフランス発の「BSバッテリー」日本正規代理店である『丸中洋行(本社:大阪府和泉市)』ブースに展示された、BSリチウムバッテリー搭載のスズキGSX1100S KATANA(カタナ)・RCM-644(シリアルナンバー:644)。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
丸中洋行 https://www.marunakayoko.net/
サンクチュアリー(SANCTUARY) https://www.ac-sanctuary.co.jp/

スズキ GSX1100S KATANA(カタナ)

東京モーターサイクルショー2025の「バイク王」ブースに展示されたGSX1100S KATANA(カタナ)改。

1981年に登場したスズキの名車「GSX1100S KATANA(カタナ)」は、高性能な空冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ1,074ccエンジンを搭載。最高出力は111馬力を発揮。

GSX1100S KATANA(カタナ)は長年高い人気を誇っていたが、エンジン設計の古さゆえ排ガス規制に対応しきれず、2000年をもって生産終了。ファイナルエディションとして、2000年に1100台が国内で限定発売。同モデルは即時完売し、カタナ人気の高さを改めて知らしめた。

写真は東京モーターサイクルショー2025の「バイク王」ブースに展示された車両。同車はヨシムラサイクロンマフラー、フロントカウル埋め込み型ウインカーなどでライトチューンされている。

チタン製エキゾーストパイプ+カーボン巻きサイレンサーで構成されたヨシムラジャパン製集合マフラー。スズキ車でレース参戦する「ヨシムラジャパン」のサイクロンマフラーは、スズキGSX1100S KATANA(カタナ)はもちろん、他のスズキ車オーナーにも大人気のアイテム。
スズキGSX1100S KATANA(カタナ)の純正スピードメーターとタコメーターの針は、停車時に平行しているのが特徴。これは純正KATANA(カタナ)シリーズの定番中の定番。

スズキ GSX1100S KATANA(カタナ)……サンクチュアリーのRCMで製作されたコンプリートマシン(シリアルナンバー:RCM-644)

バイクカスタムのエキスパート「サンクチュアリー(SANCTUARY)」が展開する『RCM(Radical Construction Manufacture)』は、2000年よりスタートしたフルオーダーメイドのコンプリートマシン製作システム。
サンクチュアリーが製作するオリジナルコンプリートマシン『RCM』は、部品を交換しただけの車輌とは一線を画すのがポイント。車輌完成後は、200~300kmに渡るロードテスト走行を敢行。旧車カスタムマシンにありがちな問題点をトラブルシューティングして納車する。
2008年にフランスで誕生した「BSバッテリー」を搭載したデモ車として製作された、スズキ GSX1100S KATANAをベースにしたコンプリートマシン『RCM-644』。
フロントフォークはオーリンズ製倒立型、リアショックはオーリンズ製ブラックライン、スイングアームはSCULPTURE製ワイドスイングアームを装着。
ヘッドライトはマルチリフレクター、前後ウインカーはミニ型を選択。
前後タイヤはブリヂストン RS11。サイズはF120/70-17、R180/55-17。
マフラーはフルチタンのナイトロレーシング ウェルドラフト 3DチタンEX+ヴァリアントチタンサイレンサー(マットブラック)。
タコメーター下にRCMのシリアルナンバープレートを配置。RCM-644は「RCMの644台目」という意味。

サンクチュアリーが展開するコンプリートマシン「RCM」はエンジン、フレーム、足周り、外装まで、余すところなくフルカスタム

バイクカスタムのエキスパート「サンクチュアリー(SANCTUARY)」が展開する『RCM(Radical Construction Manufacture)』は、2000年よりスタートしたフルオーダーメイドのコンプリートマシン製作システム。

RCMは基本的に国産オンロードスポーツモデルを対象に受付。これまでカワサキの空冷Z系、カワサキNinja各種、カワサキゼファー、スズキKATANA、ホンダCB-Fなどの“お宝BIGバイク”を、現代版として復活させてきた。

サンクチュアリーが製作するオリジナルコンプリートマシン『RCM』は、部品を交換しただけの車輌とは一線を画すのがポイント。要となるフレームは、修正後に補強。また、シャシー寸法に併せた専用加工を実施。

エンジンは細部に至るまで、フルオーバーホールを施した後に搭載。足周りは高精度に仕上げられた上で、現行のハイスペックな部品を採用。電装系・吸排気系・ポジション系・ボディパーツと、すべてのセクションにおいて妥協を許さない工程で製作されているのが特徴。

車輌完成後は、200~300kmに渡るロードテスト走行を敢行。旧車カスタムマシンにありがちな問題点をトラブルシューティングして納車するという、徹底した体制を実施している。

写真は2008年にフランスで誕生した「BSバッテリー」を搭載したデモ車として製作された、スズキ GSX1100S KATANAをベースにしたコンプリートマシン『RCM-644』。エンジン、フレーム、足周り、外装まで、余すところなくフルカスタムされている。カスタムメニュー&導入パーツは下記の通り。

カスタムメニュー&導入パーツ

ピストンWossner Φ73
シリンダーDiNx シリンダーボーリング&ホーニング/ブロック上面研磨
バルブノーマル
シリンダーヘッドDiNx カタナ用オーバーサイズ バルブガイド/シートカット/下面研磨
カムシャフトノーマル
クランクシャフトDiNx クランクシャフト曲がり点検修正
クランクケース上面研磨
クラッチハウジングノーマル
トランスミッションノーマル
ブリーザーカバーオイルクーラーホース フィッティング対応ボス溶接
エンジン塗装フルガンコート
キャブレターヨシムラミクニ TMR-MJN Φ38/デュアルタックファンネル
マフラーナイトロレーシング ウェルドラフト 3DチタンEX+ヴァリアントチタンサイレンサー(マットブラック)
マフラーステーオリジナル ワンオフ
オイルクーラーナイトロレーシング 9インチ 13Row
フレームダミーエンジン搭載 レーザー測定 修正ストレッチ済み
オリジナルフレーム補強&ワイドレイダウン加工
ドライブチェーンライン オフセット対応インライン処理
ブラックパウダーコーティング
エンジンハンガーナイトロレーシング アルミ削り出し
前後ホイールO・Zレーシング GASS RS-A ZRX1200用(F3.50-17/R5.50-17)
フロントフォークオーリンズ 倒立E×M パッケージ(21FF5210ブラック倒立フォーク レングス800mm・バネレート0.85N/mm)
前後タイヤブリヂストン RS11(F120/70-17/R180/55-17)
前後キャリパーF ブレンボ CNCラジアルマウント GP4-RX
R ブレンボ CNC 2P
マスターシリンダーブレーキ:ブレンボ CNCラジアルポンプ Φ19
クラッチ:コーケン ブレンボ スタイルレバーASSY
ブレーキホースAllegri ショルトシステム
ブレーキ&クラッチレバーZETA RCMコンセプト フライトレバー
ハンドルバーデイトナ アルミセパレートハンドル
ステアリングステムSCULPTURE 倒立E×Mパッケージ専用ステムKIT
ステアリングダンパーオーリンズ ステアリングダンパー E×Mパッケージ プロトモデル
スイングアームSCULPTURE ワイドスイングアーム+ブロックピーススタビライザー&レーシングスタンドフック
リアサスマウントSCULPTURE アジャスタブル リアサスマウント
リアショックオーリンズ ブラックライン
ドライブチェーンEK530RCM(チェーンライン 108mm)
フロントウインカーステーアルミ削り出し
前後フェンダーワンオフ アルミインナーフェンダー/リアフェンダーレスKIT
オイルキャッチタンクアルミ製ワンオフ
ドライブスプロケットカバーナイトロレーシング
シートオリジナル肉抜き/レザー張り替え
メインハーネスOHNO SPEED
ヘッドライトマルチリフレクター
電装系ハイグレードスターターコイル&MOSFETレギュレーター
ASウオタニ SP-Ⅱ
BSリチウムバッテリー/ワンオフ バッテリーケース
OHNO SPEED スターターモーター
メータースタックST700SR タコ&スピードメーター
油温計(ワンオフオリジナルネーターパネル カウルステーマウント化)

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