トライアンフ・ボンネビル Bud Ekins(バド・イーキンス)|900cc 水冷2気筒、これは大人が楽しめる程よいエンジンだ。

のっけから古い話をすると、1969年にホンダが投入したCB750Four が大ヒットするまで、世界最速レベルの“スポーツバイク”として君臨していたのは、間違いなく英国車。その代表格がトライアンフのボンネビルだった。今回はT100 Bud Ekinsに試乗。スポーツバイクとしての標準的な乗り味には懐かしさと新鮮味を覚え、改めて感心させられる事が多かったのである。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン

※2020年7月22日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
クリアレンズを採用した丸型ヘッドランプや同ステー及びウインカーのマウント方法もいたってオーソドックスなデザインである。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
懐かしい雰囲気のフロントフォークまわり。スポークホイールにはピレリ製ファントムを履く。フローティングマウントされたシングルディスクローターはφ310mm。NISSIN製の2ピストン・ピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
実に程よいパフォーマンスを発揮する水冷の900cc直立ツイン。現在トライアンフの2気筒エンジンは全て270度クランクが採用される。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
左右1本ずつ、若干尻上がりにレイアウトされたツインマフラーは、キャブトンと呼ばれるタイプだ。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
リヤサスペンションもオーソドックスなツインショックを左右に持つスイングアーム式。リヤディスクはφ255mm。NISSIN製シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
僅かにアップしたクロームメッキのパイプバーハンドルを装備。バックミラーはステーがグリップエンドにマウントされている。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
明るいグレーのグリップラバーを装備。ハンドル左側のスイッチはベストポジションに赤いホーンスイッチ。ウインカーの上はメーター表示を切り替えるインフォメーションスイッチがあり、どれも扱いやすい。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
左右メーター間やハンドルクランプ部分にもブランド名が誇らしげに掲げられている。電気式だがアナログ式のツインメーターを装備。それぞれに四角い液晶表示も組み込まれている。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
ほぼフラットに続く長いダブルシート。段差は極めて小さく、ステップ位置も含め、ポジション的には快適なタンデムライディングが楽しめる。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
前方がくびれたデザインのシートレール。左脇のキーロック解錠で簡単に取り外す事ができる。バッテリー搭載位置も標準的である。
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
写真はボンネビル T100

主要諸元

エンジンタイプ:水冷並列2気筒SOHC 8バルブ 270°クランク
排気量:900cc
ボア・ストローク:84.6×80mm
圧縮比:10.55:1
最高出力:55PS(40kW)/5900rpm
最大トルク:80Nm/3230rpm
吸気システム:マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射
排気システム:クロームメッキ仕上げ 2-INTO-2 エクゾーストシステム
駆動方式:Xリングチェーン
クラッチ:湿式多板式、アシスト付
トランスミッション:5速
一次減速比:1,257(93/74)
二次減速比:2,412(41/17)
ギヤ比:
1速:3.500(49/14)
2速:2.500(45/18)
3速:1.850(37/20)
4速:1.480(37/25)
5速:1.296(35/27)

フレーム:チューブラースチール製ツインクレードル
スイングアーム:チューブラースチール製両持ち式
ホイール(前/後):32本ワイヤースポーク、スチールリム 2.75-18インチ/同4.25-17インチ
タイヤ(前/後):100/90-18 / 150/70 R17
サスペンション(前/後): KYB製φ41mmカートリッジフォーク/KYB製ツインショック、プリロード調整機能
ホイールトラベル(前/後):120mm / 120mm
ブレーキ(前/後):φ 310mmシングルフローティングディスク、Nissin製2ピストンフローティングキャリパー、ABS / φ255mmシングルディスク、Nissin製シングルピストンフローティングキャリパー、ABS

全幅:715mm
全高:1100mm (除くミラー)
シート高:790mm
ホイールベース:1450mm
キャスター:25.5 º
トレール:104mm
乾燥重量:213kg
燃料タンク容量:14.5L
燃料消費率:3.8L/100km(26.3km/L)  

ライダープロフィール

トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス)
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。常にオーナー気分になっての記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…