古典的なスタイリングと最新鋭エンジンが融合|SWMアウトロー125試乗

1971年に創業、1984年に製造を一旦中止したものの、2014年に中国のShinerayグループと手を組んで復活したイタリアンブランドがSWMだ。同国のビアンドロンノにある最新鋭の工場を拠点とし、ハスクバーナやモトグッツィの元技術スタッフが開発に携わっているという。今回試乗したのは、フルサイズの本格的なエンデューロモデルRS125Rの水冷シングルを搭載したネオクラシック、アウトロー125だ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
問い合わせ●SWM(https://www.swm-motorcycles.jp)
取材協力●BEAR SETAGAYA

※2020年2月10日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

SWM・アウトロー125
エンジンはフィンガーフォロワーロッカーアームや1次バランサーを採用した124.7cc水冷DOHC4バルブ単気筒。58.0×47.2mmというボア×ストロークは、くしくもホンダのCB125RやKTMの125デュークらと共通だ。ミッションは6段。
SWM・アウトロー125
ピーシュータータイプのサイレンサーを上下に2本並べる。エキパイはクランクケースの下で二又に分離。
SWM・アウトロー125
φ41mm倒立式フロントフォークは台湾のファーストエース製。タイヤは前後ともピレリのスコーピオンラリーで、原二クラスでは非常に珍しいラジアルだ。
SWM・アウトロー125
リヤショックもファーストエース製で、こちらはダブルナットにてプリロードの調整が可能だ。タンデムステップステーはボルトオンとなっており、カスタマイズしやすい設計となっている。
SWM・アウトロー125
フロントはφ300mmソリッドディスクと片押し式3ピストンキャリパーの組み合わせ。フットペダルを踏むと中央のピストンも作動するコンバインド(前後連動)タイプだ。
SWM・アウトロー125
リヤはφ220mmソリッドディスクとシングルピストンキャリパーのセット。スイングアームはエンドに向かって楕円から長円へと断面形状を変えるという凝った作りだ。
SWM・アウトロー125
ハンドルバーは中央が太いテーパードタイプで、しかもクランプはラバーマウントとなっており、手に伝わる微振動を軽減。左右のスイッチボックスは非常にシンプルだ。
SWM・アウトロー125
シートは前後一体式で、わずかな段差が絶妙にお尻をホールドしてくれる。グラブバーは荷物の積載時に重宝。これもボルトオンなので簡単に取り外し可能だ。
SWM・アウトロー125
外周にバーグラフ式のタコメーターをレイアウト。トリップは一つというシンプルなデジタルメーターだ。
SWM・アウトロー125
クラシカルな外観ながらもヘッドライトやテールランプ、前後のウインカーはLEDで統一。被視認性は非常に高い。
SWM・アウトロー125

アウトロー125 主要諸元

■エンジン
 エンジン形式:水冷DOHC4バルブ単気筒
 総排気量:124.7cc
 燃料供給方式:Euro4、電子制御インジェクション
 ギア:6速
 燃料タンク容量:16.5L
■寸法
 全長×全幅:2,078mm×808mm
 ホイールベース:1,386mm
 シート高:720mm
 乾燥重量:130kg
 フロントサスペンション:倒立式テレスコピックフロントフォーク(41mm)
 リアサスペンション:ダブルハイドロリックショックアブソーバー、スプリングプリロードアジャスター付き
■ブレーキ
 フロントブレーキ:油圧式ブレーキ、φ300mmソリッド・ブレーキディスク、フローティングキャリパー
 リアブレーキ:油圧式ブレーキ、φ220mmソリッド・ブレーキディスク、CBS付きフローティングキャリパー
■タイヤ
 フロントタイヤ PIRELLI Scorpion Rally 120/70R17
 リアタイヤ PIRELLI Scorpion Rally 150/60R17

キーワードで検索する

著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…