車重200kgでも意外とフレンドリー。ドゥカティ・スクランブラー1100はじつに心地よい乗り味だった。

ドゥカティのスクランブラーシリーズ最大排気量モデル。2018年12月に登場した。オーバー1LのOHC空冷エンジンを登載、同シリーズ最上級の仕上がりを誇っている。なお同バリエーションにはSpecalとSportがある。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年11月08日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・スクランブラー1100
クリアなガラスレンズを採用した丸形ヘッドライトやタンクのデザイン手法がオーソドックス。デイタイム・ランニングライトも光る。スモークバイザーはオプション品。
ドゥカティ・スクランブラー1100
マルゾッキ製φ45mm・フルアジャスタブル式倒立フォークのボトムにはブレンボ製4ピストンのモノブロックキャリパーがラジアルマウントされている。ボッシュ製9.1MPコーナリングABSも搭載。
ドゥカティ・スクランブラー1100
かなり細かなピッチで冷却フィン(次の写真参照)を備える空冷エンジンを登載。もちろん横置き90度L型ツイン。スクランブラーに相応しいチューニングが施されたOHC2バルブエンジンだ。
ドゥカティ・スクランブラー1100
スイングアームの前方左片にマウントされたモノショック・ユニットはKYB製。プリロードと伸び側のダンピング調節機構がついている。
ドゥカティ・スクランブラー1100
エンジン後方、リヤタイヤ直前を排気管が立ち上がる。リヤブレーキはφ245mmのシングルディスクローターにブレンボ製1ピストン・ピンスライド式キャリパーを採用。
ドゥカティ・スクランブラー1100
テーパータイプのパイプアップバーハンドルを装備。ゆったりと自然体な乗り味の演出に大きく貢献している。グリップヒーターはオプション品。
ドゥカティ・スクランブラー1100
ホーンボタンは咄嗟の時に押しやすいベストポジションにある。上はディマースイッチ。パッシングは人指し指で扱う。右にあるのはモード選択に使用。ウインカースイッチはエンターキーを兼ねている。
ドゥカティ・スクランブラー1100
赤い上のスイッチはエンジンキルスイッチ及び始動用セルスターター。下は横スライド式のハザードスイッチだ。
ドゥカティ・スクランブラー1100
斬新かつ美しいデザインのデジタル液晶メーター。円形&楕円形の組み合わせとクロームメッキ仕上げがとても綺麗。
ドゥカティ・スクランブラー1100
前後で段差の少ないロングのダブルシート。後席の両脇にツインアップマフラーが左右へはみ出ている。
ドゥカティ・スクランブラー1100
シートは一体式で脱着できる。トレリスフレームはスチール製だがリヤ(サブ)フレームはアルミニウム製。
ドゥカティ・スクランブラー1100
シート下にはバッテリー、ABSユニット等を登載。ETC機器(オプション品)の右脇には、USB電源ソケットも備わっている。
ドゥカティ・スクランブラー1100
排気系は一度1本に集合された後、再び2本のアップマフラーへ分配排出される。熱さ避けにアルミ製カバーを装備。

主要諸元

全長/全幅/全高:2,190mm/895mm/1,330mm
シート高:810mm
軸間距離 :1,514mm
操舵角(左/右):34°/34°
乾燥重量:189kg
車両重量:206kg

原動機型式:デスモドュエ
原動機種類:4ストローク・デスモドロミック2バルブ、空冷
気筒数配列:L型2気筒
排気量:1,079cc
内径×行程:98.0mm×71.0mm
圧縮比:11.0:1
最高出力 :63kW(86ps)/7500rpm
最大トルク:88Nm(9.0kgm)/4750rpm
始動方式 :セルフ式

燃料タンク容量:15.0L(無鉛プレミアムガソリン)
燃料供給:電子制御燃料噴射、55mm径スロットルボディ、フルライドバイワイヤ
エキゾースト:2-1-2システム、ステンレス製ツインマフラー
燃料消費率:20km/L

1次減速比/2次減速比:1.850/2.60
クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
変速装置/変速方式:6速リターン式
変速比:
 1速:2.467 
 2速:1.765 
 3速:1.400 
 4速:1.182
 5速:1.043 
 6速:0.958
フレーム形式:スチールパイプトレリスフレーム+アルミニウム製リアサブフレーム
キャスター/トレール:24.5°/111mm
タイヤサイズ(前/後):
 120/70 ZR18(チューブレス)/
 180/55 ZR17(チューブレス)
制動装置形式(前/後):
 油圧式ダブルディスクブレーキ(ブレンボ製4ピストンM4.32モノブロックキャリパー)/
 油圧式シングルディスクブレーキ(ブレンボ製1ピストン、ピンスライド式キャリパー)
懸架方式(前/後):マルゾッキ製倒立フォーク/KYB製モノショック
乗車定員 :2名

ライダープロフィール

ドゥカティ・スクランブラー1100
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…