カワサキZ1000試乗|電子制御ほぼ無しの武闘派! だからエンジン、フレーム、素材の良さがよくわかる。

目前に迫った「東京モーターショー2019」では、カワサキからスーパーチャージャー付の「Z H2」がアンベールされるという噂も。そこで、現行モデルのZ系フラッグシップである「Z1000」にあらためて試乗してみた。スーパースポーツZX-9Rをルーツに持つ強力な直4エンジンを高剛性アルミフレームに搭載し、ストリートファイターを思わせる過激なスタイルで仕上げた硬派なモデルである。

REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年10月14日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

Z1000ディテール解説

カワサキ・Z1000
スーパースポーツZX-9Rから進化熟成を重ねた水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ1043ccはほぼスクエアなボア×ストローク設定により、141ps/10,000rpmのピークパワーと豊かな低中速トルクを両立。2バランサー採用により振動も低減されている。ABSの他、スムーズで軽いクラッチ操作を実現するアシスト&スリッパ―クラッチを標準搭載。
カワサキ・Z1000
フロントブレーキはラジアルマウント対向4Pモノブロックとφ310mmダブルペタルディスクにより強力な制動力を実現。フロントフォークはSHOWA製SFF-BPで左右にプリロードと減衰力(伸び側、圧側)の調整機構を振り分けた新機構によりセッティングしやすくなっている。
カワサキ・Z1000
リヤブレーキはロアマウントのシングルピストンとφ250mmペタルディスクを採用。エキゾーストは車体下部にプレチャンパーを設けることでコンパクト化を実現した4-2-2集合タイプで、4本出しをイメージしたエンド部分が迫力だ。
カワサキ・Z1000
スイングアーム上部にショック本体とリンクを設けたホリゾンタルバックリンク式を採用することでマス集中化。エキゾーストから離れた位置にセットすることで、熱の影響を受けにくいメリットもある。プリロードおよび伸び側減衰力調整機構を装備。
カワサキ・Z1000
鋭い表情を見せるフロントマスクは極端な“小顔”の中にプロジェクタータイプの4灯ヘッドライトを装備。その上部に重なるように見えるメーターバイザー正面に光るのはポジションランプ。ウインカーはLEDの軽量薄型タイプを採用。サイドカウル両側には新気を取り込むエアダクトを装備する。
カワサキ・Z1000
低く構えたバーハンドルと大きく開けた視界がファイターらしいコックピット。LEDタコメーターとLCDスクリーンを組み合わせたコンパクトなダッシュパネルはハンドルバーに直接マウントされる仕様だ。フューエルタンクはマイルを稼げる17ℓ容量を確保。
カワサキ・Z1000
カワサキ・Z1000
Z柄のエンボス加工が粋なフロントシートは前部が絞り込まれたデザインによりホールド感と足着きの良さを実現。加速を受け止めるバックレストも小さいが効果的だ。リヤシートと分離したデザインとすることでシングルシートのように見える演出も。シート下にはバッテリー横に書類などが入れられる小スペースがある。
カワサキ・Z1000
コンパクトなテールまわりを演出する別体式ステーにLEDウインカーをセット。リヤフェンダーもタイヤに寄せたインナータイプを採用する。
カワサキ・Z1000
カワサキ・Z1000
左右のスイッチボックスは複雑なコントローラなどを持たないオーソドックスなタイプ。クラッチレバーは5段階、ブレーキレバーは6段階にライダーの好みに合わせて調整可能だ。
カワサキ・Z1000
佐川健太郎

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。
MFJ認定インストラクター。

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