650ccパラツイン搭載のミドルクルーザー

街乗りが得意な都会派クルーザー、カワサキ・バルカンS試乗|両足べったり、乗り手を選ばないコンパクト系です。

クルーザーと言えば、ハーレーに代表されるような大排気量エンジンを積んだビッグアメリカンを想像する人が多いだろう。だがこのジャンルにも小回りが利くコンパクトで扱いやすいモデルが存在する。カワサキの「バルカンS」はまさにその代表格とも言えるミドルクルーザー。これは隠れた名車かもしれない。
REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年09月06日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

バルカンS ディテール解説

水冷4スト並列2筒DOHC4バルブ649ccエンジンはニンジャ/Z650と同系で元々スポーティな特性ながら、クランクマスを増やすなど低中速重視にアレンジ。出力と回転数も61ps/7,500rpm(ニンジャ/Z650は68ps/8,000rpm)と最適化されている。
高張力鋼パイプフレームは、ペリメターフレームからリヤサスペンションを通じてスイングアームへとつながる独特のデザインが目を惹く。車体右側にオフセットされたレイダウンリヤサスペンションはリンク式とすることで快適性を向上。
フロントブレーキはφ300mm大径シングルディスクにニッシン製2ピストンキャリパーを装備。フロントとリヤタイヤはそれぞれ120/70-18、160/60/17とオンロードモデルとして標準的サイズを採用。ハンドリングも自然だ。
リヤブレーキはφ250mmディスクにニッシン製シングルピストンキャリパーを装備。コンパクトなABSユニットをリヤサスペンション下に収納する。エンジン下にまとめられたエキゾーストがスリムな車体と足着の良さにも貢献。
クルーザーらしいゆったりとしたライポジを構成するプルバックハンドルは、やや垂れ角をつけて手前に引かれている。振動を軽減するラバーマウント方式だ。ティアドロップ型タンクは容量14リットルと意外と入る。
どっかりと腰かけられて快適、ホールド性にも優れるシート。タンデム用はサブ的な感じでソロライディングに重点を置いていることが分かる。別売でより快適性に重点をおいたコンフォートシートも用意。
スリムにまとめられたリヤまわり。LEDテールライトはコンパクトな外観とモダンイメージを演出。
上下2段タイプのユニークなメーターディスプレイを採用。上段はアナログ式タコメーター、下段はデジタル式スピードメーターや距離の他、ギヤポジションなども表示する。

佐川 健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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