MT-03で350kmの日帰りツーリングしたら、MT-25との違いがいくつも見えてきた。/ヤマハ

筆者は中間排気量が好きだと以前に書いた事がある。200ccや600cc前後のクラスに見られるバランスの良い弾けるような高性能ぶりに思わず頬が緩むからだ。ご存じの通りMT- 03は同25との兄弟車。見た目はもちろん、車体寸法や重量を始めカタログまで共通。違うのはエンジンの排気量のみ。テールには緑枠ナンバーを装着する自動二輪車なのである。果たしてその乗り味はどうか。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年06月19日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ヤマハ・MT-03
異形クリアレンズは3次曲面デザインを採用。光源は60/55Wのハロゲンランプ式。ランプ上のカバーとの間にはキャラクターラインのLED式ポジションランプが光る。
ヤマハ・MT-03
6点でフローティングマウントされたフロントシングルディスクローター。油圧ブレーキキャリパーはダブルピストンのピンスライド式。装着タイヤは前後17インチのチューブレスで、MT-25と同サイズ。ただMT-25の速度記号S(許容される最高速度180km/h)に対してMT-3はH(同210Km/h)を履く。
ヤマハ・MT-03
水冷DOHC4バルブ2気筒エンジンはボア・ストロークが68×44.1mmの320cc。MT-25に対して8mmボアアップ。よりショートストロークタイプとなり、排気量にして70ccのアドバンテージは侮れない。
ヤマハ・MT-03
右上に跳ね上げられた黒いショートマフラー。リヤブレーキは3点リジッドマウントのディスクローターにシングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを組み合わせる。
ヤマハ・MT-03
前後シートは段差を設けたセパレートタイプ。後席の両サイドにはタンデムライディングに有効なグラブバーが装備されている。
ヤマハ・MT-03
左脇下部にあるキーロックを解錠するとリヤシートは取り外しできる。ETC機器を収納できるスペースは確保されている。車載工具はシート裏面にゴムバンドで固定。
ヤマハ・MT-03
オーソドックスなハンドル左側のスイッチ。定石とも言えるホーンボタンの位置は咄嗟の時にも押しやすい。写真では少ししか見えないが人差し指で操作する赤いスイッチはパッシングランプ用だ。
ヤマハ・MT-03
右側のハンドルスイッチも慣れ親しんだタイプ。赤いエンジンキルスイッチと下の黒いスイッチがエンジン始動用。
ヤマハ・MT-03
アナログ表示の回転計と多彩な液晶表示を組み合わせたコンビネーションメーター。時計やオド・トリップの他ギヤインジケーターや燃費計も装備。天辺の白いランプは1万1000rpmで点灯。シフトアップタイミングを知らせてくれる。
ヤマハ・MT-03
ヒップアップでフィニッシュするテールまわり。Vの字を描くテールランプや中央に追加点灯するストップランプはLED式だ。
ヤマハ・MT-03
タンクやヒップまわりはそれなりにボリュームあるが、乗車位置の車体部分がスマートにえぐられたフォルムが印象深い。

主要諸元

認定型式/原動機打刻型式:2BL-RH13J/H405E
全長/全幅/全高 :2,090mm/745mm/1,035mm
シート高 :780mm
軸間距離 :1,380mm
最低地上高:160mm
車両重量 :166kg
燃料消費率*1 国土交通省届出値
定地燃費値*2 41.3km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 *3 27.6km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列, 2気筒
総排気量:320cm3
内径×行程:68.0mm×44.1mm
圧縮比:11.2:1
最高出力:31kW(42PS)/10,750rpm
最大トルク: 29N・m(3.0kgf・m)/9,000rpm
始動方式 : セルフ式
潤滑方式 :ウェットサンプ
エンジンオイル容量:2.40L
燃料タンク容量:14L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式: フューエルインジェクション
点火方式 :TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 7.0Ah(10HR)/GTZ8V
1次減速比/2次減速比 3.043/3.071 3.043/3.071
クラッチ形式 湿式, 多板 湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比: 1速:2.500 2速:1.823 3速:1.347 4速:1.086 5速:0.920 6速:0.800
フレーム形式 :ダイヤモンド
キャスター/トレール:25°00′/95mm
タイヤサイズ(前/後):110/70-17M/C(54H)(チューブレス)/140/70-17M/C(66H)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ :ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1
乗車定員:2名

ライダープロフィール

ヤマハ・MT-03
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン.jpのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…