【動画モトチャンプTV】PCXの足つきを良くする方法! SP武川のローダウンリヤショックで車高マイナス20mm

原付2種スクーター界をリードするホンダPCXはスタイルや走行性能など、ライバルと比べて抜群に魅力的な内容を備えている。ただ、足つき性に不安を抱えるユーザーもいることだろう。スペシャルパーツ武川からリリースされているローダウンリヤショックアブソーバーを装着すれば足つき性は確実に向上させられる。では、どうやって装着すればいいのだろう。実際にSP武川のメカニックによる作業工程が公開されているので、要点を絞って紹介しよう。
SP武川製ローダウンリヤショックアブソーバー。

ホンダPCXは原付2種スクーターの中で「ミスターパーフェクト」との異名を持つほど、スタイル、走行性能ともに文句のつけようがない魅力を備えている。だから純正のまま乗って楽しめる存在ではあるけれど、人気車種だけにカスタムパーツも豊富に揃っているからイジりたくもなる。手始めとして足つき性に不安を抱える人のため、リヤショックを交換してシート高を下げてみてはいかがだろう。しかも交換作業はコツさえ掴めばDIYでも可能。雑誌モトチャンプがユーチューブで無料配信しているモトチャンプTVでは、DIYでカスタムしたいユーザーにぜひ視聴してほしいプログラムが用意されている。それが今回紹介する「PCXをカスタムしよう! SP武川のローダウンリヤショックを装着」という回で、工具さえあれば誰でも交換作業ができるよう、親切丁寧に作業工程を紹介している。SP武川製のローダウンリヤショックアブソーバーは純正比20mmダウンとなり、足付き性が向上するのは間違いない。交換作業が自分でできれば工賃がかからないから部品代だけで済む。これは魅力的なカスタムではないだろうか。では早速、作業工程を見てみよう。

ボディカバーを取り外そう

装着するにはボディカウルを外す必要がある。まずはグラブレールカバーを外す。

交換作業を教えてくれたのはSP武川のメカニックであるうっち〜さん。ライターのHIDE川島とともに手順をわかりやすく紹介してくれている。リヤショックを交換するには、まずボディからカバー類を外さなければならない。というのもリヤショックを固定するボルト&ナット類は規定トルクで締め込む必要があるから。カバー類を外さなくても交換自体は可能だが、安全安心に乗りたいならトルク管理は最重要なのだ。

続いて下にあるグラブレールを取り外す。

リヤ側のグラブレールカバーはプラスネジを外せば緩められる。カウル同士の隙間に樹脂製のレバーを差し込んでカバーを外すと傷をつけずに済む。グラブレールカバーを外したら、その下にある黒いスチール製のグラブレール本体を取り外す。こちらはプラスネジだけでなく六角ボルトを外す必要がある。

バッテリーカバーを外してラゲッジボックスを取り外す準備をする。

グラブレールを外したらラゲッジボックスを取り外す。まず始めにバッテリーが収納されているカバーを外して周囲にあるボルトを取り外す。外すボルト類は動画中で丸く囲って紹介しているので確認できるはずだ。またバッテリーを固定しているゴムバンドも外しておく。ゴムバンドはラゲッジボックス側に引っ掛けられているからだ。

ボルト&ナットだけでなくクリップもあるので外し方を要チェック。

ラゲッジボックスは左右に樹脂製のクリップが複数あり、フレームと接続されている。クリップを外すには中央を押し込んでロックを解除すると手で引き抜くことができる。上写真のようにボールペンなどで押し込むとラクに作業できる。

カウルに刺さっている部分を抜いてから外すこと。

すべてのボルトとクリップを外したら、ラゲッジボックス後ろ側の左右でボディカバーと固定されている個所を見つけよう。ラゲッジボックスから飛び出ている突起がボディカバーの穴に刺さっている部分が2個所あるはずだ。ラゲッジボックスを下に押し込むと突起が抜けてくれるので、抜けた状態でボディカバーより上へ持ち上げるとラゲッジボックスを引き抜くことが可能になる。この時、シートがラゲッジボックスについてくるので、注意して取り外そう。

ボディのサイドパネルであるカバーを外す時にハーネスのカプラーを分離させる。

最後に残ったボディカバーを取り外す。ここはクリップとボルトで固定されているので、今までと同じ手順で取り外す。ただ、それだけでは右側が外れないので、フレームとの間に収まっているハーネスのカプラーを分離させよう。これで右側がフリーになるので、ボディカバーを後ろへ引き抜くように取り外す。ボディカバーは一体で外れるので傷をつけないように注意しよう。

ショックアブソーバーを交換する

カウルが外れたら純正ショックを取り外す。

フレームが剥き出しになるのでショックアブソーバーを固定している様子が丸見えになる。まず純正ショックを固定しているボルトを緩めることから始める。この時、ボルトは緩めるだけで外してはいけない。ボルトを外してしまうとフレームが支えを失うことになり、思わぬ事態に発展してしまうためボルトは緩めるだけにするよう注意しよう。

ボルト&ナットを緩めたらジャッキでエンジンを持ち上げる。

ショック固定ボルトは上下でサイズが違うので注意。動画ではサイズも紹介されているので確認してみてほしい。ボルトを緩めた状態のまま、次にジャッキを使って駆動系を持ち上げる。ジャッキを当てるポイントもあり、下部にはチューブが飛び出ているのでジャッキで潰さないようにして当てる。動画では場所もわかりやすく紹介しているぞ。駆動系を上げるとショックが縮むので、ここで純正ショックを取り外す。

純正ショックを外してSP武川製を装着。U字部分の形状に注意。

純正ショックを外したらSP武川製ローダウンリヤショックを取り付ける。まずは上側をフレームにボルトで引っ掛ける。ここでも最後まで締め込まず、緩い状態のままでいい。続いて下側を取り付けるが、この時気をつけたいのはショック下のU字になっている部分の向き。上写真で指差している平らな面が内側になり、折れた側が外を向くようにすること。ローダウンショックは純正より全長が短いため、このままでは下側が固定位置まで届かない。ジャッキをさらに持ち上げてボルトが通せるようにしてから下側のボルトを通す。こちらも最後まで締め込まず緩いままでいい。

規定トルクで締める時は乗車した状態を作り出したい。

最後にリヤショックを規定トルクで締め込むわけだが、ここでポイント。空車状態で締め込まず、誰かしらにまたがってもらい1Gがかかった状態、つまり乗り込んでサスペンションが縮んだ状態で締め込むのが理想的とのこと。またショック上側はトルクレンチがそのままで使えるが下側にはエアクリーナーボックスがあるため、そのままではトルクレンチが入らない。動画ではエアクリーナーボックスを外す手順も紹介されているので、参照してほしい。

ローダウン時に欠かせない調整式サイドスタンド

サイドスタンドを交換するためサイドカバーを外す。

以上でローダウンショックの装着は完了。最後に外したボディカバー類を元に戻せば完成だが、車高が下がることでサイドスタンドをかけても車体が傾かず安定しない。そこで純正サイドスタンドの代わりにスタンド長を調整できるアジャスタブルサイドスタンドへ交換して、下がった車高と車体の傾きを釣り合うようにしたい。サイドスタンド交換は左側のフロアサイドカバーを脱着する必要がある。取り外すにはゴムマットをめくってボルトを外すのだが、マットを力任せに外してはいけない。理由や方法は動画で紹介しているので確認してほしい。

純正サイドスタンドは持ち上げた状態で取り外す。

サイドスタンドを外すためには、まずスプリングを取り外す。続いてサイドスタンドスイッチを上写真のように外すのだが、ここでも注意点がある。スイッチの裏側には突起があり、スタンドが持ち上がった状態を検知できないとエンジンスタートができなくなる。そのためスタンドを持ち上げた状態でスイッチを取り外す必要があるのだ。詳しい原理や手順は動画でしっかり確認しよう。

アジャスタブルサイドスタンドを取り付ける。

センタースタンドスイッチを外したら、その下にあるボルトとナットを外して純正スタンドを取り外す。続いてアジャスタブルサイドスタンドを固定するが、この商品はボルトだけで固定できるようになっているので、裏側で固定していたナットは不要になる。ただ、純正スタンドに戻す可能性もあるので、ナットの紛失には十分注意したい。最後にスプリングを元通りに組めば作業終了だ。スプリングは上写真の向きで装着すること。

ルックス・走行性能ともに大満足!

SP武川製ローダウンリヤショックはメッキ仕上げのためルックスも際立つ。

SP武川製ローダウンリヤショックを装着したリヤスタイルは、純正の黒いショックと比べて高級感がありルックス面にも大きく貢献しているように感じられるだろう。気になる足付き性は動画でどれくらい改善されたか確認してほしいが、20mmもダウンするので確実に良くなる。短足ライダーなら安心材料になるはずで、日頃からの通勤やツーリングでの使い勝手が向上することだろう。

足つき性が向上するとともに引き締まった乗り心地になる。

リヤショックを変更したことで乗り心地はどう変化するのだろう。動画の最後では簡単な試乗インプレッションも紹介されているので、どのように変化したのか視聴してほしい。ローダウンしているので乗り心地は固くなるのが当たり前なのだが、どの程度固くなるのか、フラット感はどうなのか、確認できることだろう。ローダウンショックに変更するなら、動画を視聴しながら自分で作業してみるなんて楽しみ方もできるはずだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…