1996年に米国ロードアイランドで設立された電動バイク専門メーカーVECTRIX(ベクトリクス)は、主にアメリカとヨーロッパを市場とする大型スクーターを生産。日本国内にもVX-1と呼ばれる大型スクーターが輸入されていた。2018年、現在のVECTRIX JAPAN取締役である駒里リンダ氏がオーナーとなって新生VECTRIXが誕生。2019年からはデリバリーでの使用を想定した3輪の商用BEVであるi-Cargoの開発に着手した。これまでポーランドにあった本社拠点をシンガポールに移管し、ASEAN(シンガポール)、台湾、イタリア、ポーランドから構成されるグローバルチームの確率を目指し、BEV車両だけでなく、ソーラーや水素エネルギー、バッテリーシステムの開発など、カーボンニュートラルに関する事業を展開する。
新生VECTRIXから登場した第1弾モデルは、小型商用3輪BEVである「i-cargo」。バイクでもない、クルマでもない新たなカテゴリーをコンセプトに開発され、誰でも簡単に運転できるシティコミューターとして誕生した。登録は側車付軽2輪となり、車検のない250ccと同様の扱いとなるが、普通免許で運転できヘルメットの着用義務はない。
車両の全長は2130mm、全幅は1020mmとコンパクトながら、100kgの最大積載量となっている。2台の長さやリヤボックスのカスタマイズが可能で、保冷や保温など、ニーズに合わせたオーダーが可能になっている。
ブラシレスDCホイールハブモーターを左右の後輪それぞれに搭載し、最大出力は4kW。最高速度はスポーツモードで45km/hとなっているが、これは高速道路での使用を制限する意味もある。バッテリー容量は60Ahで、航続距離は80〜100km。取り外しが可能なリチウムイオンのバッテリーを2基搭載しているので、充電済みバッテリーを交換することで、充電による待ち時間がなく使用可能。ちなみにバッテリーの充電時間は約4時間。
価格は未定だが、リース販売で100万円程度になる模様。バッテリーはサブスクリプション方式を採用し、バッテリーの劣化や規格の変更による買い替えの心配がなく、使用頻度に合わせて複数のバッテリーを使い分けることもできる。追加バッテリーは1個当たり1万円/月くらいになる予定。
主要諸元
全長:2130mm×全幅:1020mm×全高:1815mm
シート高:715mm
車両重量:246kg
乗車定員:1名
登録区分:側車付軽2輪自動車
モーター:ブラシレスDCホイルハブモーター
定格出力:4kW×2(左右)
最大出力:4kW
バッテリー容量:60Ah
航続距離:80〜100km
充電時間:4時間
最高速度:45km/h(スポーツモード・高速道路走行不可。ECOモードの場合は20km/h)
バッテリータイプ:リチウムイオン
最大積載量:100kg
タイヤサイズ:F 120/70-14、R 145/70-13
VECTRIX Tokyo Ginza Gallery
東京都港区新橋1-5-2
TEL:03-6264-5995