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カブシリーズの人気は衰えることを知らないかのように、今も盛り上がり続けている。誰もが気兼ねなく乗り回せるだけでなく、カスタムパーツが豊富に揃うことも人気を後押ししていることだろう。ところが昨今では新車の供給が追いつかない状況にあり、新型スーパーカブ110とクロスカブ110はオーダーしても納車されるのが半年後というケースもザラ。手元に届くのが待ち遠しい日々を過ごしている人も多いことだろう。納車を楽しみに待つ間、ついつい考えてしまうのが愛車のカスタムプランではないだろうか。すでに各社から多数のアフターパーツが発売されているから、アレもコレもと考えることすら楽しめる。そこで今回はユーチューブで無料配信している「モトチャンプTV」の動画から「新型クロスカブ110 マフラー交換手順解説」を紹介したい。
以前の記事でCT125ハンターカブのマフラー交換や、スーパーカブC125のマフラー交換を紹介したように、今回クロスカブ110に装着するのもスペシャルパーツ武川から発売されている製品を取り付ける。商品名は「スクランブラーマフラー(アップタイプ)」で、純正のダウンマフラーから変更することでハンターカブのようなルックスを手に入れることができる。しかもサイレンサーからは2本のパイプが飛び出すデュアルマフラーとなっていて、迫力満点。それでは早速、写真とともに交換手順を紹介しよう。
純正マフラーの取り外し
純正マフラーを取り外すことから作業は始まる。詳しくは写真を追っていただきたいが、マフラーを外すためにはステップを外さなければならない。というのもエキゾーストパイプがステップやブレーキペダルの間を通っているため、ステップごと外さないとならないのだ。ステップの取り外し自体はボルトを4本外すだけで可能になるが、必ず前方へ引き抜くようにして外そう。
ステップが外れたらエキゾースト側のフランジナットを緩めてエキゾーストパイプをフリーにする。この時気をつけたいのはステップを外すとブレーキペダルが勢いよく持ち上がりエンジンに傷をつけてしまうこと。ブレーキペダルとエンジンの間にウエスなどを差し込んで養生することを忘れないようにして作業したい。フランジナットを外したら、車体中央付近のスイングアームピボットで固定されているサイレンサーの固定ナットを取り外す。以前のカブシリーズだとこのナットを外すために、車体反対側のナットが回らないように工具で固定する必要があった。ところが新型になってその必要がなくなり、片側だけで作業できる。まれに反対側のナットが共周りしてしまうことがあるようなので、念のため確認してから作業を進めよう。
サイレンサーが外れたら、いよいよ純正マフラーを車体から取り出す。ここでもブレーキペダルが作業の邪魔になるので、ペダルを片手で押し下げながら、純正マフラーを知恵の輪外しのように向きを変えつつ取り外すことになる。マフラーの向きを変える時、どうしてもエンジンなどに当たってしまうことがあるので、力任せに作業してはいけない。ゆっくり確実に外せる向きを見ながら取り外そう。
スクランブラーマフラーの装着
SP武川のスクランブラーマフラーは純正マフラーと違ってサイレンサーが車体の上に位置するアップタイプ。つまり純正サイレンサーを固定していたピボットナットを使うことはないので、純正マフラーを外したら必ず元に戻しておく。スイングアームを支えるナットなので、必ず規定トルクで締め込むことも重要だ。同時に取り外した純正ステップも装着してしまおう。スクランブラーマフラーは純正のようにエンジンとステップの間を取り回すことなく装着可能なので、ピボットナット同様にステップも規定トルクでしっかり車体に戻しておく。
スクランブラーマフラー装着の準備として、次に右リヤショック上のナットを取り外す。外した後でスクランブラーマフラーに付属しているロングナットを装着するのだ。このロングナットへスクランブラーマフラーのサイレンサーを固定することで、車体とのクリアランスを稼ぐことになる。
続いてはエンジンにエキゾーストパイプを取り付ける。パイプは1本でサイレンサーまで繋がるので、写真のように左手で支えながらフランジナットを取り付けることになる。始めからスムーズにはめ込むことができないかもしれないが、焦りは禁物。ゆっくり確実に作業することが大切だ。またフランジナットは手で回すだけの仮止めで大丈夫。エキゾーストパイプが動かない程度まで手で回しておこう。
パイプが固定できたらサイレンサー本体に付属のガスケットを差しこむ。この時、ガスケットの表面と裏側に液体ガスケットを塗布して排気漏れの原因とならないように処置することを忘れずに。ガスケットと固定バンドで接続しても、排気漏れを100%防ぐことはできないからだ。この時点でサイレンサーの固定バンドは締め込まなくていいので、先ほどリヤショック上に取り付けたロングナットにサイレンサーをボルト留めする。これでスクランブラーマフラーの仮固定が終わるため、本締めする前に車体とマフラーのクリアランスが各部でしっかり取れているか目視しよう。特にサイレンサーがリヤショックやウインカーなどと当たらない位置にあるかは大事。問題なさそうなら次の工程に進む。
クリアランスがしっかり取れていたらエキゾーストのフランジナットを規定トルクで締め込み、サイレンサーも本締めする。この時サイレンサーを固定するナットを締め込むとサイレンサーが回転方向へ動いてしまうことがある。必ず片手でサイレンサーが動かないように固定してから、ナットを規定トルクまで締め込むようにしよう。そして最後にサイレンサーの固定バンドを締め込んでスクランブラーマフラー本体の装着は完了だ。
ルックスの要! ヒートガードを取り付ける
最後に3分割されているヒートガードをマフラーに装着する。特別に難しいことはなく、ビスを使って固定するだけだ。ただし、サイレンサーに装着するヒートガードにはゴム製のグロメットと金属製のカラーを用いるので忘れないようにしたい。まずヒートガードの穴へグロメットの溝をはめ込む。そこへ金属のカラーを差し入れておくのだ。これを4カ所で行い、サイレンサーに取り付けよう。
スクランブラーマフラー交換作業完成!
これにてマフラーの交換作業は完了だ。この間、マフラーやヒートガードを指で直接触った場合、エンジンを始動して熱が入るとステンレス表面に指の脂が悪さをして妙な焼け色がついてしまう。マフラー本体を装着した後は必ずパーツクリーナーなどを併用して脱脂しながら拭き上げておく。ヒートガードも同様に装着した後で必ず指の脂分を拭き取っておこう。交換作業をしている間は新品の軍手などを使えば最後の噴き上げが若干楽になる。このルックス、いかがだろう。クロスカブにオフロード色を強めた個性あるスタイルになったと思わないだろうか。ハンターカブのようにも見えて、交換マフラーとしては超オススメだ。動画では排気音や走行インプレもあるので、動画もチェックしてみね!