ホンダ・モンキーZ50J、足周りのリファインで1日200kmツーリングも楽しめる仕様に大進化!

2023年もモンキーミーティングが東京都あきる野市の「東京サマーランド」で開催された。ここではその中から気になるカスタムマシンを紹介しよう。

まずは、純正外装と現代的な足周りをバランスよくまとめたモンキーZ50Jが登場!

REPORT●佐賀山 敏行(SAGAYAMA Toshiyuki)
PHOTO●山田 俊輔(YAMADA Shunsuke)

乗りやすさを重視した純正風カスタム

1967年に市販版モンキーが誕生してから3代目(多摩テックの遊具からだと4代目)となるのが、1974年に登場したモンキーZ50Jだ。燃料タンクやシートの形状はその後に登場するZ50Jz-1とは異なるものの、アップマフラーのデザインやリヤ2本ショックなど、今に続くモンキーの原型ともいえるディテールを各所に備えている。また、それまでのモンキーがクルマに積むことを前提にして開発されていたのに対し、はじめてバイク単独での快適なツーリングが可能になったモンキーとして、今なお高い人気を誇るモデルである。

スイングアームは10cmロングタイプで、NSRフォークを突き出すことで高バランスを実現。

そんなZ50Jのフルカスタムモデルに乗るのはPLL racingさん。なんと年齢は19歳ということで、Z50Jより断然若い!! しかも、このマシンを手に入れたのは2年前、高校2年生の頃だそうだ。

手に入れた時はほとんど純正に近かったというが、そこからコツコツと、時には仲間の力も借りつつ、このスタイルに仕上げたという。そんなカスタムのきっかけになったのが「乗りやすさ」だとPLL racingさんは言う。

純正パーツとカスタムパーツを違和感なく配置している。

「純正フロントフォークと8インチホイールが頼りなくて(笑)。そこでホイールを10インチにしたのが、カスタムのスタートでした」

ホイールのインチアップで安定性をアップさせ、ブレーキはフロントをドラムブレーキからディスクへ変更し、ブレンボ製4ポットキャリパーを装着。安全性も大きく向上させている。

白いフォークカバーはワンオフ。ライトステーとウインカーステーは鉄板から作ったとのこと。

スイングアームも今では貴重なレガスピードの10cmロングを装着。フロントフォークはNSR50純正を突き出すことで、リヤとのバランスを取っている。

しかし「スタイリングはあくまでも、純正風にこだわっています」と、PLL racingさん。

前後フェンダーやテールランプなどは純正のまま。さらに燃料タンクには友人によるリペイントを施し、違和感のない仕上がりを見せている。

ライトステーとメーターステーも鉄板を溶接したワンオフパーツ。NSR50のフロントフォークとZ50Jのルックスが違和感なく溶け込んでいる。

メーターパネルも鉄板を切り出したワンオフ品。結晶塗装を施し、高級感をアップしている。

他にも、メーターステーを鉄板から作り上げ、結晶塗装を施すなど、随所にこだわりが詰まっている。

そしてエンジンは、SP武川製パーツによって排気量を106ccにアップ。トランスミッションは5速化されている。

排気量は106cc。余裕のパワーでツーリングもラクにこなす。

2年前に購入したマシンだが、カスタムが完成したのはつい最近とのこと。本格的にカスタムをスタートしてから、この1年ほどはほとんど乗っていなかったそうだ。

その反動なのか、「今ではほぼ毎週末、ツーリングに出掛けています」とPLL racingさんは笑顔で話す。安定感や安全性、そしてパフォーマンスをバランスよくアップさせたおかげで、1日200kmのツーリングも難なくこなすと満足げだ。

スイングアームはレガスピード製をチョイス。

昭和を代表する4miniマシンだが、古臭さをまったく感じさせない……オーナーの若いセンスを存分に発揮した1台といえるだろう。

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著者プロフィール

佐賀山敏行 近影

佐賀山敏行

学生時代からのバイク好きが高じて、 雑誌『カスタムバーニング』やムック『ハーレー・バガースタイル』な…