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尾上サービス ジレラ elf3
前後とも片支持式の足まわりが目を引く尾上サービスのレーサーは、1980年代の世界GP500で活躍したロン・ハスラムのelf3を再現。このマシンを製作した理由を代表の尾上忠則さんに尋ねてみたところ、以下の答えが返ってきた。「単純に好きだからです(笑)。あの頃のelfとロン・ハスラムは、本当にカッコよかったですからね。ベースは1990年頃にジレラが販売したCX125で、本来のエンジンは2スト単気筒ですが、もて耐に参戦するためにCBR250Rの4スト単気筒に変更しました」
elf3を再現するにあたって、スチール製ツインスパーフレームのカラーは銀→黒に変更し、マフラーはショートタイプをワンオフ。カウルはタイガパフォーマスのアプリリアRS250用で、ガソリンタンクはTZR250、シングルシートカウルはCBR250Rのレース用を選択している。
CF MOTO Landscape Racing 250SRS
CF MOTO Landscape Racingが2023年のもて耐に参戦した目的は、自社で輸入販売を手がける中国製オートバイ、CF MOTOの動力性能や信頼性を確認すること。ライダーの1人としてこのマシンをテストした、KURE35茂原ベースの紅林さんは、かなりの好感を抱いたようだ。「予想以上にしっかりしたバイク、耐久性が高いバイクだと思いました。近年のCF MOTOは、KTM のOEM生産を行っていますし、Moto3にも参戦しているので、心配はしていなかったのですが、サーキットで長時間の全開走行をしても、トラブルは一切起こりませんでした」
もっとも、実際にもてぎを走るとパワー不足を感じたため、燃料噴射マップとマフラーは変更。なお他機種では交換が普通になっているラジエターとリアショックは、ノーマルで問題なかったそうだ(ただし、ラジエターには導風板を追加し、前後ショックはセッティングを変更)。
CLUB1.2FKクシタニ川口店 WR250-FK
2009年からもて耐参戦を開始したCLUB1.2FKクシタニ川口店は、当初はSRX250を使用していたものの、空冷エンジンの限界を感じ、2012年からはWR250用水冷単気筒+TZR250用アルミフレームのオリジナルマシンでエントリー。友人の佐野英明さんと共に車両を製作した長野克哉さんに、このマシンの素性を語ってもらった。「もともとは勝手知ったるSRX250の車体にWR250のエンジンを載せるつもりでしたが、せっかくなら車体も一新して戦闘力の向上を図ろうという展開になって、TZR250のアルミフレームを採用しました。足まわりにはTZやRSのパーツを多用しているので、全体の雰囲気は1980~1990年代のシングルレーサーっぽいですね」
2023年はクラッチトラブルやタイヤのパンクで苦戦を強いられたCLUB1.2FKクシタニ川口店だが、同チームのオリジナルマシンはデビューイヤーから大活躍。2014/2020年は総合優勝を果たし、2012/2013/2015年は2位、2018年は3位入賞という好成績を獲得している。
TeamガリンコⅢ VT250 SPADA
もて耐で4スト250ccクラスが開催されるようになったのは2008年からで、当初の最大勢力はスパーダやVTRを含めたホンダのVTシリーズだった。その一例として2009年の数字を記すと、全76台中なんと37台がVTシリーズ。ただし、近年のVTシリーズの台数は徐々に減少し、2023年はTeamガリンコⅢの1台のみとなった。
VTシリーズの台数が激減した背景には、純正部品の欠品による維持の難しさ、レーシングパーツの少なさなどがあるようだが、そういった事情をTeamガリンコⅢではどう考えているのだろう。以下は同チームの結城一宏さんの返答だ。「他機種の流用やワンオフで何とかしています。現行車と比べればいろいろな面で手間がかかりますが、ウチのメンバーは全員がスパーダ好きなので、今後もできるだけ長く、このマシンで参戦を続けたいですね」
結城さんの言葉にある通り、TeamガリンコⅢのスパーダは他機種用&ワンオフパーツが多く、フェアリング/前後ホイール/フロントフォークはNSR250R、ガソリンタンクはカワサキ車の流用で、シートレールやインジェクション用のECUはワンオフ。フロントブレーキキャリパーはブレンボ、リアシショックはオーリンズを選択する。
MASSA-R+たかさき整骨院 ジクサーSF250
昔から大のスズキ好きだったと言うMASSA-R+たかさき整骨院チームの大澤 光さんは、もて耐にエントリーするにあたって、水冷並列2気筒のGSX250Rとスペックを比較したうえで、油冷単気筒のジクサーSF250を選択。2022年は3耐、2023年は7耐に参戦し、いずれも完走を果たしたものの、エンジンパワーにはかなりの物足りなさを感じたそうだ。「コーナリングスピードはかなり速いし、安定した油温には感心したのですが、いかんせんストレートが遅すぎる。単独で走るぶんには非常に楽しいですが、このバイクでもて耐を続けるのは難しいですね」
そんなわけで、大浦さんのジクサーSF250の評価はなかなか厳しいのだが、ライディングポジション関連パーツやリアショック、車体姿勢などを変更してからは、ノーマルとは一線を画する一体感や旋回性が実現できたと言う。