クロスカブ110用のマフラー交換手順、スペシャルパーツ武川製マフラーで実践! 【動画・モトチャンプTV】

これまですでにクロスカブ110用マフラーを数種類ラインナップしているSP武川。今回新たにリフトアップタイプのスクランブラーマフラーが加わった。もちろん政府認証によるJMC適合品なので安心して装着できる。今回はDIYで装着したい人向けに手順を紹介しよう。
SP武川の新作スクランブラーマフラー(リフトアップ)。

2022年にマイナーチェンジされ新型ロングストロークエンジンを採用したクロスカブ110。すでに多くの社外マフラーが発売されているが、今回新たにスペシャルパーツ武川からスクランブラーマフラー(リフトアップ)が発売された。新作マフラーはクロスカブ110だけでなくスーパーカブ110にも適合するもので、一度エンジンの下を通ってサイドカバーを避けるようにしてリフトアップするのが特徴だ。

既存のスクランブラーマフラーはエキパイから立ち上がるタイプだった。

SP武川のスクランブラーマフラーといえば、すでに既製品がある。だが従来のものはエキパイ直後から立ち上がりサイドカバーの上を通るスタイルだった。そのためセンターキャリアを装着して荷物を固定する場合、バンドや紐がマフラーと接触しないよう注意しなければならなかった。新作マフラーだとエンジンの下を通りサイドカバーの後ろで立ち上がるスタイルなので、より実用的な形状と言っていいだろう。今回はYouTubeで動画を無料配信しているモトチャンプTVの中から「クロスカブ110用のSP武川製マフラーを装着テスト!」という回をダイジェストにして、交換方法を紹介する。

純正マフラーを外す

触媒がある純正マフラーを抜くにはステップを外す必要がある。
ブレーキペダルを押し下げながらステップを抜く。

触媒があるFIエンジンの場合、マフラーを抜こうとしてもクリアランスが足りず、そのままでは抜けない。そこでマフラーを外す前にステップを外してクリアランスを確保することから始める。ステップはエンジン下で4本のボルトにより固定されているが、そのままボルトを外すとブレーキペダルが持ち上がってエンジンと接触する。傷を防止するため養生するといいだろう。またステップはブレーキペダルを手で押し下げた状態にしないと抜けないので注意する。

エンジンと干渉して抜けない場合はリヤブレーキを緩めてクリアランスを広げる。

ステップを抜こうとしてもエンジンやブレーキペダルと干渉して抜けないこともある。リヤブレーキが減ってアジャストナットを締め込んであることが原因なので、一度アジャストナットを緩めることでブレーキペダルの下がる量が増えてクリアランスを確保できる。アジャストナットを緩めたら、次にステップを装着した時忘れずに元の位置まで締め込むようにしよう。

ブレーキペダルとエンジンの間を養生したらピボットナットを外す。
エンジン側のフランジナットを外してマフラーを抜く。

ステップが外れたらエンジン側のフランジナットを外してスイングアームピボットで固定されているマフラープレートのナットを外す。ピボットナットはまれに車体反対側のボルトと共回りして緩まないことがあるので、その場合はボルトを工具で押さえてナットを緩める。これでマフラーがフリーになるので、ステップを抜く時と同じ要領でブレーキペダルを手で押し下げながら知恵の輪を外すようにマフラーを回転させながら抜き取る。

SP武川製マフラーを装着する

スクランブラーマフラーのエキパイはフランジを写真のように押さえながら入れる。

純正マフラーが抜けたら最初に外したステップを元通りに組み直しておく。リヤブレーキのアジャストナット緩めた場合は必ず元の位置まで締め込むこと。続いてスクランブラーマフラーのエキパイをエンジンにセットする。この時注意したいのがエキパイとフランジを擦らせて塗装表面を傷つけてしまうこと。艶消し塗装であるためフランジと擦れ合うことで打痕のようなテカリが生じてしまうのだ。フランジを手で写真の位置に固定しながらエキパイを差し込み、フランジナットを手で締め込む。

リヤショック上のナットを外してワッシャーは残す。
マフラー付属のピボットナットを追加する。

続いてサイレンサー側を固定するため、リヤショック上のナットを外す。ナットにはワッシャーが使われているが、ワッシャーはそのまま残しておくことがポイント。ナットが外れたボルトにマフラー付属のピボットナットを装着して締め込む。

接続内部にガスケットを入れ液体ガスケットを塗布したらエキパイとマフラーを合体させる。

サイレンサー側とエキパイが接続するサイレンサー側に付属のガスケットを入れ、さらに液体ガスケットを塗布しておく。排ガスが漏れないための処置だが、FI車の場合ここまでやっても水が出ることがある。不具合ではないので水が垂れても気にしなくて良い。さらにサイレンサー側に固定バンドを差し入れたら、エキパイと接続してスイングアームピボットへプレートの穴を通す。さらに各ナットを手で締め込み緩まないようにしておく。

各ナットを手で締めたら前側から規定トルクで締め込んでいく。

手で締め込んだのには訳がある。緩いままの状態で各ナットを規定トルクまで締め込むとエキパイとサイレンサーの接続部がズレてしまい固定部に無理なトルクがかかってしまうからだ。また手で締め込んだ仮止めの状態でマフラーと車体側のクリアランスが確保されているかを確認することも重要。エンジン付近では特にキックペダルが干渉することが考えられ、サイレンサーとリヤショックが干渉することもあり得る。いずれもクリアランスが確保されているか確認した後、車体前方から各ナットを規定トルクで締め込む。

最後にマフラーとエキパイを結合させるバンドを締める。

マフラーが固定できたら最後に接続部のバンドを締め込む。ここでの注意はバンドの位置で、かぶさる部分がサイレンサー側の端から1mmのあたりにセットすること。これより後でも前でも完全に締め込むことができず排気漏れの原因になるので要注意だ。またバンドを締めるボルトは若干下向きにしておくとキックペダルと干渉しない。いずれにしても締め込んだらキックペダルを手で下ろしてバンドと干渉しないか確認しよう。

手前のヒートガードはボルト1本に対して2枚のワッシャーでガードを挟む込むようにして固定する。

続いて手前側のヒートガードを装着する。マフラーと2カ所で接続されるが、ボルト2本とワッシャーが4枚付属している。ヒートガードをワッシャーで挟むようにしてボルトを通すためで、ボルトにネジロック剤が塗ってあることにより本体とガードが密着する。

サイレンサーのヒートガードはグロメットにカラーを入れてボルトを通す。

サイレンサーに付くヒートガードは装着方法が異なる。4本のボルトを通して固定するのだが、ヒートガード側4カ所の穴にまずゴム製のグロメットを嵌め込む。さらにグロメットの内側へ金属のカラーを差し込んでからボルトを通すのだ。こちらにもネジロック剤が塗られているので、4本装着したら最後に規定トルクで締めこもう。

ヒートガードを規定トルクで締めたら完成だ。

これにて完成だ。交換作業自体はそれほど難しいものではないので、工具を使うことに慣れている人なら誰でも自分で交換できるだろう。動画では最後に試乗インプレッションも収録されており、交換後のマフラーサウンドや中速域でのトルクアップを体感できたことを報告している。クロスカブ&スーパーカブ110の排気音を変えたい、出力特性をドラマチックにしたいなど考えているなら、交換してみることをオススメする。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…