スモールベスパの「プリマベーラ」と「スプリント」、誕生から10年目で大幅に進化! ついに電動です|EICMA2023

11月7日からイタリア・ミラノで開催されているEICMA2023(モーターサイクル国際博覧会)のベスパブースで、スモールクラスの「プリマベーラ」と「スプリント」の新型が発表。電動モーターを搭載したEVモデルも発表となった。
中央にループした道路を配したユニークなベスパブース

11月7日からイタリア・ミラノで開催されている「EICMA2023」において、新型のプリマベーラシリーズとスプリントシリーズを発表した。

従来のフォルムはそのままに大きく進化したプリマベーラシリーズ。
テールランプやウインカーレンズ、インナーボックス周りのデザインも変更されている。

プリマベーラは1968年に誕生。これまでのモデルより小さなボディはシンプルで扱いやすく、それでいてパフォーマンスが高いモデルとして世界的に成功した、スモールシリーズの流れを汲むコンパクトなスクーター。一度は生産を終了しているが、2013年に新生プリマベーラとして復活。旧モデルのスタイルを進化させたデザインで、フルスチールボディに4ストロークエンジンを搭載した新世代のベスパとして新たなる一歩を踏み出した。復活から10年が経過した2023年、その魅力はそのままに、スタイルとテクノロジーを刷新した新モデルを発表。

スプリントは1965年、プリマベラと同様にスモールボディをベースにハイパワーな150ccエンジンを搭載したスポーツモデルで、現在のスプリントもその伝統を継承したスポーツモデル。今回、スプリントも新世代モデルを発表となった。

スポーツモデルのスプリントSシリーズ。

他のスクーターとは異なる魅力があるベスパらしく、スチールボディを持つこの2つの車種をさらに魅力的にアップデートしている。ハンドル周りは全体の形状と細部の両方に細心の注意を払って再設計され、ハンドルグリップも軽快で自然なコントロールができるように新しいデザインになっている。レッグシールドのバックプレートも刷新し、ホイールリムはプリマベーラには5本スポークデザイン、スプリントには6本スポークデザインを採用し、ダイナミックなシルエットのスパイラル形状を形成する。シートも新素材を採用して質感がさらにアップしている。

プリマベーラのTechバージョンには新たにキーレスシステムを採用。イグニッションスイッチの代わりに装備されたセレクターをONに切り替えるだけで、通常通りセルスイッチでの始動が可能。キーを使用してベスパ・リモート識別システムを作動させれば、全てのインジケーターを点滅させることができるため、混雑した駐車場ですぐに愛車を見つけることができる。全てのライトにLEDを採用して安全性も強化している。

プリマベーラとスプリントSシリーズに採用されるアナログとLCDパネルを組み合わせたメーター。
Techバージョンには5インチのTFT液晶パネルが搭載される。スマホとの連携も可能。

プリマベーラとスプリントSバージョンに採用されるメーターパネルはアナログとデジタルを組み合わせ、3インチLCDスクリーンには走行管理、消費燃費、平均速度、最高速度を表示。さらにスマートフォンに接続してVespaMIAメディアプラットフォームの管理も可能となる。また、125ccと150ccモデルのTechバージョンには5インチのTFTフルカラー液晶パネルを搭載。VespaMIAアプリを使用すると、通話、メッセージ、音楽プレイリストの管理、絵文字ベースのナビゲーションの表示も可能になっている。

電動モデルのプリマベーラ・エレクトリカ。見た目はほぼガソリンエンジン車と同じ。

新型のプリマベーラとスプリントSは合理的な設計によってガソリンエンジンと電気モーターの両方が搭載できるようになった。ガソリンエンジンは50cc、125cc、150ccの3タイプで、電子インジェクションと3バルブヘッドを備えた4ストローク。全てが最新のユーロ5+規格をクリア。電気モーターはモペッド規格に合わせた原付バーションと、出力の高いオートバイジャージョンを用意。バッテリーは全モデルシート下に装備し、簡単に脱着できるようになっている。

脱着式バッテリーはシート下に配置。ラゲッジスペースも確保されている。

 

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