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外装パーツはほぼ同じ足周りは流用できる?
2017年の現行型発売以来、高い人気をキープし続けているスーパーカブ&クロスカブのうち、110エンジンを搭載するモデルが大幅な改良を伴うモデルチェンジとなった。外観にはほぼ変更はないものの、前後ホイールはスポークからキャストタイプへ、フロントにはディスクブレーキが採用され、ABSが標準装着となった。さらに気になるのはエンジンが変更になったこと。これまでのボア×ストロークが55×55.6mmから、47×63.1mmへ変更されたこと。これにより形式もこれまでのJA44/JA45(スーパーカブ/クロスカブ)から、59JA/60JAへと変更になっている。新型となってどう変わったのか、早速外装を外して検証してみた。
まず、外装はデザインや形状もほぼそのまま。ネジや爪の位置も同じなので、JA44/JA45を分解したことがある人なら、作業に戸惑うことはないだろう。エンジンが新型になったことで、ECUやレギュレターも変更となり、形状やサイズも異なっている。エアクリーナーはボックス形状が変更になっているものの、中のエレメントは互換性があった。スロットルボディやインジェクターも変更され、マニホールドの形状も異なるので流用は難しそうだ。
ただし、マフラーはシリンダー、ヘッドの形状が変更されたにもかかわらず、44JA/45JA用を取り付けることができた。足周りはディメンションが同じ部分が多く、流用ができる部分も多かった。
気になる足周りを色々計測
ワイヤースポークホイールからY字デザインのキャストホイールになった。ただ、リヤはブレーキドラムのサイズやアクスルシャフトの径に変更はなかったので、流用は可能。フロントはディスクブレーキ化されているのでホイールの流用はできないが、フロントフォークの径は同じなので、丸ごとなら取り付けはできそうだ。
JA45用のスポークホイールをJA60に装着してみたらピッタリフィット!その逆もイケるはずなので、リヤはポン付けでJA45のキャスト化も可能。
アクスルシャフトの径や長さ、カラーのサイズ、ハブの形状、ブレーキドラムを計測してみたら、どちらもほぼ同じだった。
フロントフォークの径はφ27mmで新旧同じ。インナーチューブも同形状なので流用は可能。ただし、ABS付きなのでブレーキホースは要変更。
CT125のフロントホイールは流用可能か? 試してみた。
スポーク&ディスクブレーキのCT125ハンターカブ用ホイールは流用できるのか。CTは車体右側にブレーキユニットが付くが、ひっくり返せば……。結果、装着はできるが、ブレーキを引きずるので多少のオフセットが必要。ABSセンサーのプレートも加工が必要だ。
CT125用ホイールが装着できればスポークホイールのディスク仕様にすることができそう。ただし、あくまで簡易的な実験なので走行できるかなどは不明。やるなら自己責任で!
外装はJA45とほぼ同じ
カウル類のデザインに変更はなし。取り付け方法も同じだった。爪やネジ位置も同じなので全部流用可能かと思いきや、サイドカバーは電装品の位置が変更になったために形状が変わっている。右カバーは従来のものにプレートが追加されただけだが、左カバーは内部のデザインが変更されているので、これまでのものは付けられなかった。
上は新型(JA60)、下は先代(JA45)のサイドカバー。レギュレターが大型化されたうえ左に取り付けられたため、形状が変更になっている。むしろ初期型に近いかも……。
タンクはこれまでの黒塗装から無塗装になった。タンクの上部には樹脂カバーがあるものの、隙間から見えると正直ちょっと気になる。やっぱりコストダウンかな。
ステップはエンジンに取り付けるボルト穴の位置が変更になったのでまったく別物。右側にサイドスタンドを付けるためのステーがなくなっているのが分かる。
ミッションケースから出ているシャフトの長さが変更になっているため、シフトペダルも形状が異なっている(上が新型、下が先代)。踏み込む感触に大きな違いはない。
シートのヒンジ部分にゴム製の丸い部品が取り付けられている。おそらくシートが左右に動くのを抑えるため。これはヒンジを交換すれば先代にも取り付け可能だ。
エンジンとその周辺は大幅に変更された
日本独自の仕様ではなく、世界で生産されるカブと共通化を図ったロングストロークエンジンに変更となった。シリンダーやヘッド、クランクだけでなく、クランクケースも変更になっているので、エンジンはこれまでのパーツが流用できない。スロットルボディも変更され、長いインマニにインジェクターが付いている。
エンジンはケースの形状まで変わっているものの、マウントの位置は3か所とも同じ。幅も同じなので旧型エンジンが載せられる可能性あり。電装は全交換になるけど……。
左/エンジン、吸気系が変更になったので、エアクリーナーボックスの形状も変更された。ただ、エレメントとカバー側は同じものなので、これまでのものが装着できる。
左の写真が新型、右の写真は先代。スロットルボディ、インジェクターはまったく別物に。インジェクターは取り付け位置がスロボからインテークマニホールドに変更されている。
下/斜めに差し込めない形状の先代用(写真下)から、以前のカブと同じゲージ部分が斜めになったレベルゲージに変更。なぜかここだけ退化してしまった。
マフラーも変更されたが流用可能⁉️
エンジンが大幅に変更されたものの、マフラーの形状に大きな変化はない。排ガス対策のためにキャタライザーが大きくなり、シリンダーもシリンダーヘッドも変更されているので、エキゾーストパイプの角度や長さも変わっているんだろうと思っていたが、先代用(上)を新型(下)に装着してみると、問題なく取り付けできた。
マフラー本体の形はほぼ同じ。キャタライザー部分が大きく、エキパイの曲がり方も違うのでおそらくそのまま取り付けはできないと思われたのだが……。
エキパイ付近をよくみると、キャタライザーが大きいだけでなく、フランジ付近のパイプが二重になっていて、太く見える。振動などによる折れ対策と考えていいだろう。
比べて気がついたのは、マフラーガードを取り付けるステーが大型化されて強化されていた。ただし、マフラーガード自体は同じものだった。耐久性が高くなっていると考えていい。
フランジの角度が違うから多分無理だろう、と先代用のBRD製マフラーを装着してみたら、問題なく取り付けできてしまった。マフラーのディメンション的に大きな変更はなさそうだ。
電装は流用
エンジンが変更されたことで、電装系も大きく変更されている。先代はECU、レギュレター、リレーなどは車体右側に集中していたが、新型は右側には大型化したECUのみ。左側にレギュレターとリレーが装着されている。