目次
Lamborghini SC63
細かなトラブルに見舞われながらも無事完走
ランボルギーニのWECプログラムは、モータースポーツ部門のスクアドラコルセとレイナードがプロトタイプレーシングカー「SC63」を共同開発。ランボルギーニ・アイアン・リンクスがチーム運営を行う。2024年シーズンのWECには1台のみが投入され、ミルコ・ボルトロッティ、エドアルド・モルタラ、ダニール・クビアトの3人が63号車のステアリングを握る。
3月1日金曜日に行われた予選は、元F1ドライバーのクビアトがチーム最速の1分41秒699をマークし、18番グリッドにつけた。3名のドライバーは決勝レースで安定したラップを刻み、ペナルティを受けることなく、経験豊富なライバルチームともバトルを展開。スティントを重ねるごとに、マシンと選手権に関する貴重なデータや知見を蓄積していった。
レース後半、63号車はフロントサスペンションにトラブルが発生し、クビアトはペースダウンを余儀なくされる。この想定外のトラブルにも、チームは迅速に対応し、レース最終盤にはペースが復活。フィニッシュドライバーを担当したモルタラが、予選ポジションから3つ順位を上げた15位でチェッカーフラッグを受けた。
デビュー戦においてランボルギーニ SC63をフィニッシュまで運んでみせたモルタラは、次のようにレースを振り返った。
「ようやくカタールでの1週間が終わろうとしています。私にとっても長い1週間で、長時間におよぶかなりのハードワークになりました。改善すべき点はたくさんありますが、少なくとも信頼性という点では大きな問題なくレースを終えることができたのは収穫です。これから開発に関する長い日々が待っているのは確かですが、素晴らしいプロジェクトだと断言できます。個人的にもランボルギーニとの最初のレースウイークを楽しむことができました。次のレースが楽しみです」
新クラス初の決勝レースで8位入賞
今シーズンからWECに導入された「LMGT3クラス」は、アイアン・リンクスとアイアン・デイムスから、2台のランボルギーニ ウラカン LMGT3 Evo 2がエントリー。アイアン・リンクス 60号車はクラウディオ・スチアボーニ、マッテオ・クレッソーニ、フランク・ペレーラ、アイアン・デイムスの85号車はサラー・ボビー、ドリアーヌ・ピ、ミシェル・ガッティングが参戦する。
9メーカー18台のGT3が集結した開幕戦カタール、85号車は予選ハイパーポールに進出し、6番手グリッドを獲得。一方、60号車は思うようなアタックができず、予選17番手に沈んでいる。
スタート直後、85号車をドライブするサラー・ボビーが、マクラーレンの59号車と接触。スチュワードはこれをレーシングインシデントとみなし、ペナルティを受ける事なく85号車はトップ10に復帰し、さらに上位を狙う。タイヤ戦略がハマらず一時順位を落としたものの、8位で走り切り、貴重なポイントを持ち帰った。また、60号車は12位で完走している。
ランボルギーニ・スクアドラ・コルセのチーフテクニカルオフィサーを務めるルーベン・モールは、開幕戦を終えて次のようにコメントした。
「SC63のデビュー戦を、無事に完走できたことをとてもうれしく思います。私たちにとって大きな挑戦だっただけに、フィニッシュはとてもエキサイティングな瞬間でした。決勝レースではチームがしっかり機能し、マシンの基本性能も悪くないレベルで示せたと思っています。ただ、もっと安定した走りを披露するには、もう少し改善が必要なようです」