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Ferrari 499P
3台目の499Pが5位でフィニッシュ
事前の予想どおり、高い気温にさらされる中東のカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットにおいて、フェラーリ 499Pは苦戦を強いられることになった。
決勝レースでは 50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)と51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョヴィナッツィ)が好スタートを切ったものの、接触による予定外のピット作業や、いくつかのミスによるペナルティも科され、上位争いから大きく遅れてしまったのだ。この結果、優勝争いに絡むことなく50号車が8位、51号車は14位でレースを終えた。(他車の失格もありそれぞれ6位と12位となった。3月29日更新)
一方、今回が初レースとなったAFコルセの499P 83号車(ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イェ・イーフェイ)は、途中接触がありながらも、安定したペースで10時間のレースを走り切り、5位でフィニッシュ。83号車はプライベーターで争われる「FIAワールドカップ(ハイパーカーチーム)」において、ポルシェのハーツ・チーム・ジョタに続く、2位を得た。
フェラーリでのWEC初レースを走り切ったシュワルツマンは、次のようにタフなレースを振り返った。
「10時間におよぶカタール1812kmレースを走りきれたことで、非常にポジティブな結果を持ち帰ることができました。プラクティスと予選を終えて、決勝は簡単ではないことは分かっていましたし、実際その通りの展開になりましたね。総合5位とFIAワールドカップでの2位という結果は、チームとして喜ぶべきでしょう。ただ、自分のスティント中にLMGT3マシンと接触してしまったため、リヤウイングを交換しなければならず、貴重な30秒をロスしてしまったのは残念です」
WECデビュー戦を5位で走り切った296 LMGT3
2024年シーズンからWECに導入された「LMGT3クラス」に、フェラーリはビスタ・AFコルセが、2台の「296 LMGT3」を投入。54号車(トーマス・フロール/フランチェスコ・カステラッチ/ダビデ・リゴン)が5位、55号車(フランソワ・エリオ/サイモン・マン/アレッシオ・ロベーラ)が7位で完走した。
54号車はスタートから5時間の段階でトップ3のポジションをキープし、厳しいコンディション下においても素晴らしいパフォーマンスを発揮。リゴンは279周目に1分53秒529のファステストラップも記録している。
表彰台こそ逃したものの、296 LMGT3のWECデビュー戦で入賞を果たした54号車のトーマス・フロールは「フェラーリ 296 LMGT3は本当に最高のフィーリングでした。チームも素晴らしい仕事をしてくれたと思います。特に予選では、プロローグとフリー走行で行ったハードワークを活かすことができました」と、笑顔で振り返った。