ワンオフモデル「ポルシェ 911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」を抽選販売

「ポルシェ 917」の初勝利をオマージュした世界に1台の「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」

ポルシェ 917の初勝利をマークしたスイス人ドライバー、ジョー・シフェールをオマージュした「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」。
ポルシェ 917の初勝利をマークしたスイス人ドライバー、ジョー・シフェールをオマージュした「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」。
ポルシェは、スイス出身のレーシングドライバー、ジョー・シフェール(Jo Siffert)をトリビュートしたワンオフモデル「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」を公開した。1969年8月10日、シフェールとクルト・アーレンスJr.は、ポルシェ 917を駆ってエステルライヒリンクで開催されたインターナショナル1000kmレースにおいて初優勝を飾った。

Porsche 911 GT3 RS “Jo Siffert”

スイスのディーラーがオーダー

シフェールとクルト・アーレンスJr.は、ポルシェ 917を駆ってエステルライヒリンクで開催されたインターナショナル1000kmレースにおいて初優勝を飾った。
スイス出身のレーシングドライバー、ジョー・シフェールのポルシェ 917をオマージュしたワンオフモデルを、スイスのディーラー「ポルシェ・シュヴァイツAG」が、ソンダーバーシュにオーダーした。

1969年のエステルライヒリンクでの勝利は、プロトタイプレーシングカーの世界に革命を起こした「ポルシェ 917」の記念すべき初勝利となった。今回、ポルシェ・エクスルーシブ・マニュファクチャーが2021 年から導入したカスタマイズプログラム「ソンダーバーシュ(Sonderwunsch:スペシャルリクエスト)」が、シフェールの917をオマージュしたワンオフモデル「911 GT3 RS」を製作した。

911 GT3 RS “ジョー・シフェール”は、2024年8月にスイス・ポルシェセンターにおいて初公開を予定。その後、世界に1台限りの貴重なトリビュートモデルは、2024年11月7~10日にかけて「オート・チューリッヒ(Auto Zürich)」に展示され、購入希望者から抽選で選ばれた1名へと販売される。

ジョセフ・“ジョー”・シフェールは、没後50年以上を経た今もスイスでカリスマ的な人気を誇るレーシングドライバー。スイス・フリブール出身のシフェールは、主にスポーツカーレースにおいてポルシェのエースとして活躍した。そのレースへの情熱は伝説になっており、キャリア11年間で298ものレースに出場した。彼は同じレースウイークに開催された複数のレースに参戦することもあったという。

そして、ポルシェでのキャリアを終えた後、1971年10月24日にブランズハッチで開催されたF1英国GPにおいてで35歳の若さで帰らぬ人となった。今回のワンオフモデルを企画したポルシェ・シュヴァイツAGのミヒャエル・グリンスキーCEOは、ジョー・シフェールについて以下のようにコメントした。

「ジョー・シフェールは、クルト・アーレンスとともに1969年にエステルライヒリンクで行われた1000kmレースで優勝し、917のサクセスストーリーの幕開けを飾りました。彼がレースという夢を追い求めた情熱は、今日でも多くの人々の印象に残っています。ポルシェのブランドコンセプト 『Driven by Dreams』を完璧に体現していると言えるでしょう」

ジョー・シフェールの家族が全面協力

ポルシェ・エクスルーシブ・マニュファクチャーの「ソンダーバーシュ」プログラムによって製作された「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」。
今回のプロジェクトには、ジョー・シフェールの家族が全面協力。ツッフェンハウゼンで行われた、細かいディテールなどを決めるワークショップにも参加した。

特別な911 GT3 RSの製作には、ジョー・シフェールの家族が深く携わった。1991年から2003年までフォーミュラ・フォードとフォーミュラ3で活躍し、BMWのワークスドライバー経験を持つ息子のフィリップ・シフェールに加え、孫のジェレミー・シフェールも、ドイツ・ツッフェンハウゼンで行われたプロジェクトワークショップに参加した。

「父を偲ぶポルシェ 911 GT3 RSの誕生に立ち会えたことは、私にとっても本当にエキサイティングな経験になりました。ソンダーバーシュのスタッフは、歴史的なディテールに細心の注意を払いつつ、最高品質のクラフトマンシップを駆使しています。希少な911 GT3 RSをジョー・シファートのエスプリが吹き込まれた唯一無二の1台へと生まれ変わらせたのです」と、フィリップ・シフェール。

ホワイトにバイパーグリーンの組み合わせ

「911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」の走行シーン。
1969年のインターナショナル1000kmレースで勝利したポルシェ 917のホワイトとバイパーグリーンのカラーリングが忠実に再現された。

モチーフとなった917と同様、ピュアホワイトをベースにフロントフェンダーとフロントセクションの一部にバイパーグリーンのコントラストカラーが加えられた。どちらのカラーも、ポルシェ・エクスルーシブ・マニュファクチャーの「Paint to Sample」からチョイス。大型リヤウイングのセンター部もバイパーグリーンでペイントされた。

レーシングナンバーはインターナショナル1000kmレースで使用された書体を再現。ドア、フロントボンネット、リヤウィング下部、タイヤのバルブキャップにも 「29 」の文字が入れられた。ドアとサイドセクションに配置されたクラシカルな「PORSCHE」レタリングも、オリジナル車両からインスパイアされている。

当時のスポンサーだった「ボッシュ」と「シェル」の協力を得て、ポルシェ・デザインのエキスパートが現代的にスポンサーデカールを再現。スパークプラグが描かれたボッシュのデカールは、リヤホイールアーチにレイアウトされた。シェルのロゴ入りデカールは、リヤウィンドウ下、オイル/クーラント用サービスフラップに貼られている。

サテンブラックのマグネシウム製ホイールのセンターロックには「917KH」の専用シルエットを配置。 このスタイリッシュなデザイン要素は、リヤウイングのサイドプレートにもあしらわれた。Bピラーにはジョー・シフェールのヘルメットをデザインした専用バッジに、「Jo Siffert」のレタリングと彼の直筆サインが加えられた。

ヘルメットとサインが入れられた専用プレート

「ポルシェ 911 GT3 RS “ジョー・シフェール”」の専用ディテール。
インテリアはブラックとガーズレッドでまとめられたインテリアには、ヘルメットとサインが入れられた専用プレートなど、各部に専用ディテールが奢られた。

コクピットは、味わい深いクラシカルなレーシングカーの雰囲気がコンセプト。メインカラーはブラックとガーズレッドがチョイスされ、レーステックス製ヘッドレストにはジョー・シフェールのヘルメット・モチーフが刺繍された。ドアエントリーガードには、917のシルエットとサインを組み合わせた専用プレートを装着。サイドボルスターはピュアホワイトとバイパーグリーンでペイントされ、917のシルエットがコントラストカラーでプリントされている。

ポルシェAGのインディビジュアリゼーション&クラシック担当副社長、アレクサンダー・ファビッヒは、911 GT3 RS “ジョー・シフェール”の製作過程について次のように説明する。

「このトリビュートモデルは、見る者に2つのインスピレーションを与える1台です。ひとつはそのビジュアルデザインが、約55年前にジョー・シフェールとクルト・アーレンスJr.が、エステルライヒリンクで勝利した917のリバリーをベースにしていること。もうひとつ、ソンダーバーシュ・プログラムが提供するエクステリアとインテリアのカスタマイズオプションの豊富さも示しています」

大胆でシックなスペシャルカラーリングが施された、911 GT3 - 30イヤーズ・オブ・ポルシェ・スーパーカップ。

公道走行可能な911 GT3 カップカー!? 「ポルシェ・スーパーカップ」30周年記念でスペシャルカラーの珠玉の一台が誕生

ポルシェ・モータースポーツは、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥール(Porsche Exclusive Manufaktur)に、特別な911 GT3 カップの製作をオーダー。ポルシェ・スーパーカップ30周年記念カラーリングが施された、特別な1台が完成した。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…