EV専用モデルの「ボルボ EX30」とエンジン車もある「プジョー e-2008」を比較

EV専用か派生モデルかで生まれる差とは?「ボルボ EX30」「プジョー e-2008」をスペックで比較検証

一時期よりも落ち着いたとはいえ、世界の自動車の電動化は進んでいる。中国製のEVが台頭する中、欧州も対抗馬を続々と打ち出している。今回は2台のEV「ボルボ EX30」と「プジョー e-2008」の2台をスペック面で比較しよう。

VOLVO EX30
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PEUGEOT e-2008 GT

EX30のほうが車重がある

「ボルボ EX30」と「プジョー e-2008」のサイズは共に「コンパクトSUV」に相当する。床下に大きなバッテリーを搭載するため、SUVのスタイルはEVとの相性が良い。両車の全高は同一だがEX30のほうが全長が短く全幅がワイドなため、どっしりと構えたスタンスに映るだろう。逆に全長が長く全幅がスリムなe-2008はスマートに見えるはずだ。

一方で重量は大きく異なる。EX30のほうがe-2008よりも160kgも重い。そしてタイヤサイズもEX30の方が大径かつ偏平である。

ボディサイズ=全長4235mm×全幅1835mm×全高1550mm
ホイールベース=2650mm
車両重量=1790kg
タイヤサイズ=245/45R19

ボディサイズ=全長4305mm×全幅1770mm×全高1550mm
ホイールベース=2610mm
車両重量=1630kg
タイヤサイズ=215/55R18

EV専用のEX30は遠出にも対応できる航続距離

両車のパワートレインはリチウムイオンバッテリーと電動モーターで構成されている。しかし駆動方式は正反対。EX30はRWD(後輪駆動)で、e-2008はFWD(前輪駆動)を採用している。

前項で2台の重量差が大きいと述べたが、その理由はパワーと航続距離の違いに現れている。EX30の方が出力もトルクもe-2008より高く、出力に関してはなんと2倍もある。しかも、EX30には大容量のバッテリーが積まれている。

両車のバッテリー容量は、EX30が69kWhでe2008が50kWh。前項で触れた重量の差は、搭載しているバッテリー容量の違いが大きい。そして重要な航続距離については、EX30が560km、e-2008は380km(いずれもWLTCモード)となっている。

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=75.0kW
最高出力=272PS/6500~8000rpm
最大トルク=343Nm/5345rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=RWD

駆動用バッテリーの種類=リチウムイオン電池
定格出力=57.0kW
最高出力=136PS/5500rpm
最大トルク=260Nm/300~3674rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

コストパフォーマンスが高いのはEX30

車両価格は、EX30よりe-2008のほうが17万4000円高額となっている。パワートレインや航続距離など、EVとしての性能を考えると、EX30の方がコストパフォーマンスが高いといえそうだ。ただし、EX30はEV専用車で、e-2008は「2008シリーズ」のひとつのバリエーションである。e-2008を検討するならガソリンやディーゼルという選択肢もあるということを頭に入れておきたい。

車両本体価格

ボルボ EX30 559万円
プジョー e-2008 GT 576万4000円

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