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Ferrari 296 LMGT3
最終スティントでトップに浮上
富士スピードウェイで開催されたWEC第7戦富士6時間レースには、ビスタAFコルセから54号車(トーマス・フロール/フランチェスコ・カステラッチ/ダビデ・リゴン)と55号車(フランソワ・エリオ/サイモン・マン/アレッシオ・ロベーラ)という2台の「フェラーリ 296 LMGT3」がエントリー。
決勝レース、9番グリッドからスタートした54号車は、スタートを担当したカステラッチが順調にポジションを上げ、第2スティントを担当するフロールへとバトンを渡す。最終スティントの2時間を担当したリゴンが、素晴らしいオーバーテイクを披露し、トップに浮上した。
54号車は194周を走り切り、2位のマンタイ・ピュアレクシング「ポルシェ 911 GT3 R LMGT3」92号車に約4秒差をつけて、トップでフィニッシュラインを通過。7戦目にしてシーズン初勝利を手にしたカステラッチは次のようにレースを振り返った。
「これは私たちにとって本当に重要な勝利です。前戦のローンスター・ル・マンではグリッドにすら並ぶことすらできなかったのですから……。富士において、296 LMGT3は非常に競争力がありました。スタート前の目標はいくつかポジションを上げて、事故を避け、トーマス(フロール)にできるだけ良いポジションでマシンを渡すことでした」
2024年シーズンから投入された296 LMGT3が、記念すべき初勝利をマーク。勝利をフェラーリに持ち帰ったフロール、カステラッチ、リゴンの3人は、488 GTE Evoを駆った昨年の富士6時間レースでもLMGTE Amクラスで勝利を飾っている。最終スティントを担当し、トップでチェッカーフラッグを受けたリゴンは喜びを爆発させた。
「この勝利に心から満足しています。今週末は『素晴らしい結果を残せる』と感じていましたが、最終的にそれを実現することができました。これはチームワーク、タイヤマネージメント、そして全員のハードワークの賜物です。エンジニアとメカニックの素晴らしい仕事もあって、本当にバランスのとれた最高のマシンで戦うことができました。最終的には、他のドライバーたちとバトルを楽しみ、素晴らしいオーバーテイクをいくつか決め、常に限界までプッシュすることができたのです」
ABSトラブルを抱えながら6位で完走
予選でポールポジションを獲得し、フロントローからスタートした296 LMGT3 55号車は、ブレーキトラブルが発生。予定外のピットインを余儀なくされ、大きくポジションを落とすことになった。それでも3名のドライバーが素晴らしい追い上げを見せ、チームメイトから約20秒遅れた6位でレースを走り切っている。
スタートドライバーを担当したロベーラは、悔しさを露わにした。
「序盤に発生したブレーキトラブルにより、スタート直後から厳しいレース展開となりました。それでも、優勝した54号車から20秒差でフィニッシュすることができました。54号車のクルーが示したように、優勝の可能性もあっただけに残念です。最終戦バーレーンでは今回の54号車のようなパフォーマンスを発揮し、最終的に表彰台に上りたいです」