古いウラカンの車高アップから生まれた「ランボルギーニ ウラカン ステラート」

ランボルギーニの全天候型スーパースポーツ「ウラカン ステラート」が11月30日に発表される前に読みたい誕生秘話

2022年11月30日、ランボルギーニ ウラカン ステラートは、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチにおいて生産仕様がワールドプレミアされる。
2022年11月30日、ランボルギーニ ウラカン ステラートは、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチにおいて生産仕様がワールドプレミアされる。
ランボルギーニ初の全天候型スーパースポーツ「ウラカン ステラート」が、2022年11月30日にいよいよワールドプレミアされる。ランボルギーニ史上例を見ないこのコンセプトは、技術陣のちょっとした思いつきから実現したという。

Lamborghini Huracan Sterrato

すべてはシャシーナンバー53から始まった

ランボルギーニの開発陣は、シャシーナンバー53のウラカンをベースに車高をアップした試作車を製作。スーパースポーツで走るオフロードの楽しさを、経営陣にアピールした。
ランボルギーニの開発陣は、シャシーナンバー53のウラカンをベースに車高をアップした試作車を製作。スーパースポーツで走るオフロードの楽しさを、経営陣にアピールした。ステッカーの「63」は創業年1963年に由来する、ランボルギーニの象徴的ナンバー。

2022年11月30日に米国・マイアミで開催されるアート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(Art Basel in Miami Beach)において、ランボルギーニは全天候型スーパースポーツ「ウラカン ステラート」をワールドプレミアする。2019年にコンセプトカーを発表した当時、3年後に市販モデルとしてデビューするとは誰も想像していなかったはずだ。

ランボルギーニ・モータースポーツの副会長であり、ステラートの開発期間中に技術部門のトップを務めていたマウリシオ・レッジャーニは次のように開発理由を明かした。

「すべてはウラカンをベースに製作された最初のプロトタイプ、シャシーナンバー53から始まりました。開発チームは使い古された古いウラカンの地上高をアップし、走る実験室を作ったのです」

「初めてプロトタイプをドライブする機会を得たとき、この予想もしていなかったスーパースポーツコンセプトが、どれだけ楽しいかすぐに理解しました。プロトタイプ完成後、経営陣もこのクルマがもたらす感動に納得してくれました。このクルマはナルドのオフロードコース『ストラーダ・ビアンカ』で生まれと言えるでしょう」

ナルドのオフロードで練られたコンセプト

ウラカン ステラートのコンセプトは、ナルドのオフロードコースで行われたテスト時に思いついたという。
ウラカン ステラートのコンセプトは、ナルドのオフロードコースで行われたテスト時に思いついたという。

現在、ランボルギーニの最高技術責任者を務めるルーベン・モールは、ウラカン ステラートの開発期間を懐かしそうに振り返った。

「ウラカン ステラートは、私にとって最も親しみを感じるプロジェクトのひとつです。私が車両開発責任者として、初めて送り出すクルマですからね。ある日、ナルドの『ストラーダ・ビアンカ』でテストをしていた時、使い古されたウラカンを改造して、このダートトラックをドライブすることを思いついたのです」

「最初のテストが終わった夜、マウリツィオ・レッジャーニとミィティア・ボルケルトと一緒に夕食をとりながら、ウラカンとウルスの中間に位置するスーパースポーツを作るというアイデアを思いつきました。目標はオフロードカーというよりも、あらゆる路面状況に対応する、これまでにないスーパースポーツ。グラベル路を走るのも楽しいし、ラリー用のセットアップを施せば、本当に素晴らしいクルマになるような1台です」

ランボルギーニの可能性を拡大させたデザイン

かつてのランボルギーニ・チータや、SUVのウルスとも異なる、スーパースポーツベースのオフロード仕様としてデザインされた「ウラカン ステラート」。これまでのランボルギーニにはない、新たなアピアランスが実現した。
かつてのランボルギーニ・チータや、SUVのウルスとも異なる、スーパースポーツベースのオフロード仕様としてデザインされた「ウラカン ステラート」。これまでのランボルギーニにはない、新たなアピアランスが実現した。

2019年、5.2リッターV型10気筒エンジンを搭載し、車高を大幅に上げられたウラカン ステラートがコンセプトカーとして公開。グラウンドクリアランスを拡大し、アプローチアングルとデパーチャーアングルを改善。トレッドを拡大し、エアインテークを内蔵したホイールアーチに大型オフロードタイヤを装着することで、威風堂々としたスタンスを実現した。

デザインを担当したミィティア・ボルケルトは、ウラカン ステラートのデザインについて次のように説明を加えた。

「ウラカン ステラートをデザインするのは、最初の瞬間からすごく楽しかったです。ランボルギーニのデザインDNAを予想外のプロポーションへと変換し、新しい方法で表現するユニークな機会を与えてくれましたからね」

「私たちが目指したのは、アクティブでスポーティ、そして楽しさを求め、道路やサーキットを超えて世界を舞台に走り抜ける人たちのためのクルマです。そのため、他とは明確に異なる存在をデザインしようと考えました。市販仕様のステラートは、ひと目見ただけでランボルギーニだと分かるし、このブランドをユニークで新しい領域へと押し上げてくれるでしょう」

ウラカン ステラートの詳しいスペックは明らかになっていないが、ライドハイトが上げられたことで、あらゆる道を走破可能だとランボルギーニは胸を張る。

非公開: ランボルギーニ ウラカン初のオフロード仕様「ステラート」がマイアミで11月30日にワールドプレミア【動画】

アウトモビリ・ランボルギーニは、新型「ウラカン ステラート」を発表する。ミッドシップスーパースポーツながらもライドハイトが大幅に上げられ、グラベル路やオフロードでも最高のドライビングプレジャーを得られるように開発された。従来のスーパースポーツの概念を打ち壊す存在になると、ランボルギーニは自信を見せる。

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…