目次
Ferrari Challenge JAPAN Series
イギリスに続いて2ヵ国目の単独シリーズ
フェラーリのカスタマー・レース部門「コルセ・クリエンティ」のオーガナイズによるワンメイクレース・シリーズ、「フェラーリ・チャレンジ」に、ジャパン・シリーズが創設されることが決定した。
従来はアジア・パシフィックシリーズとして開催されていたが、2023年からは日本のみで開催されることになるのだ。単独の国で開催されるシリーズとしては、イギリスに続いて2ヵ国目にあたるもの。
その選択はフェラーリにとって日本という市場がいかに大切なものであるのか、また実際にカスタマーによるモータースポーツ・アクティビティが世界の中でも非常に積極的に行われている国であることなどを理由とするものだと、フェラーリ・ジャパン社長のフェデリコ・パストレッリ氏は説明した。
2023年のレース・カレンダーは、全5イベントで合計10レースの構成。開幕戦は4月8日、9日の富士スピードウェイで、以下5月6日、7日のオートポリス、7月1日、2日の富士スピードウェイ、7月15日、16日の鈴鹿サーキット、8月19日、20日のスポーツランドSUGOと続くスケジュールだ。
万全のホスピタリティ
ここで注目したいのは、そのすべてが土曜日と日曜日の2デイ・レースとして開催されること。これはエントラントの負担を低減し、およそ20台の参加を計画するためのものだと、プレゼンテーション当日に来日したアジア・パシフィック地域におけるコルセ・クリエンティの責任者、フィリッポ・ダニエル氏は語っている。
もちろんカスタマー・ドライバーに対してのサポートも十分な体制。レースのスケジュールに合わせ、イタリアのAFコルセからメカニックが派遣され、そのもとでサポートチームが組織され、チームあたり4台のマシンをメンテナンスする体制がとられる。
実際に使用されるマシンは、488チャレンジEVO。車両価格はダニエル氏によれば税込みで4130万円。さらにエントリー費用としてフル参戦の場合は1360万円、スポット参戦では370万円が必要となるが、専用のパーソナルロッカーなどが備えられる更衣室を始め、ランドリーサービス、ウェルカムディナーやレース中のケータリングなど、あのXXシリーズにも相当する万全なホスピタリティ体制を考えれば、このエントリーフィーもエントラントには十分に納得できるものといえるのだろう。
正式なエントリー開始はまだスタートしていないが、コルサ・クリエンティのもとに2023年シーズンの参加を表明しているカスタマーはすでに10名以上。車両の製作時間などを考えるとオーダーは早ければ早いほど良いとのことだが、まだ現在の段階でオーダーすれば、開幕戦のグリッドに自分自身の488チャレンジEVOを並べることが可能であるという。
これまでのフェラーリ・チャレンジがさらに身近になるジャパン・シリーズ。もちろんこのシリーズの参加実績によっては、毎年恒例のフィナーリ・モンディアーリでのレース出場も可能になるというから、それもカスタマーにとっては大きな夢となるのではないだろうか。
REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
PHOTO/平野陽(Akio HIRANO)、FERRARI S.p.A.