日本メーカーのスポーツカー2台「日産フェアレディZ」と「レクサスRC」を比較

「日本製スポーツカーに乗るなら?」2名乗車の日産フェアレディZか4名乗車のレクサスRCで悩む

フェアレディZは2人乗り、RCは後部座席を備えた4人乗りのため、RCは全長420mm、ホイールベース180mm長い。
フェアレディZは2人乗り、RCは後部座席を備えた4人乗りのため、RCは全長420mm、ホイールベース180mm長い。
今回は少々異色の2モデル比較だ。日産・フェアレディZとレクサスRCは、それぞれのブランドを代表するスポーツモデルだが、そのキャラクターは別物と言える。日産随一のスポーツカーとして走りでファンを魅了し続けてきたフェアレディZに対して、レクサスのスーパースポーツであるLFAのイメージを受け継ぎつつもラグジュアリーテイストを強めたRC。そんな2モデルのキャラクターの違いを、スペックから解き明かしていこう。

2人乗りと4人乗りの違いが全長に反映

FRレイアウトを採用する2車だが、フェアレディZは2人乗り、RCは後部座席を備えた4人乗りという違いが、そのディメンションに反映されている。後席乗員にもスペースを確保するべく、RCは全長で420mm、ホイールベースも180mmフェアレディZより長い。

全幅はほとんど変わらないが、全高はRCが80mmも高くなっており、十分な室内スペースを確保。見た目においては、フェアレディZの方がスポーティな印象だ。

では、スポーツカーの肝ともいえる重量はどうだろうか。ともに6気筒エンジンを搭載するモデル同士で比較しても、フェアレディZが70~100kg軽い。さらに、フェアレディZの6速マニュアルモデルだとさらに軽くなるため、その差は最大で130kgにもなる。

日産フェアレディZ Version ST(9速AT)

全長4380×全幅1845×全高1315mm
ホイールベース2550mm
車両重量=1620kg

レクサスRC350“F SPORT”

全長4700×全幅1840×全高1395mm
ホイールベース2730mm
車両重量=1700kg

両車リヤがワイドトレッド

両車とも、装着されるタイヤは標準グレードが18インチで、スポーツグレードになると19インチへとアップされる。19インチタイヤ装着車の場合、FR車らしくリヤの方がワイドトレッドになっている点も同じだ。

しかし、フェアレディZはよりワイドトレッドのタイヤを選択しているのが両車の違いで、スポーツ性能をより重視していることをうかがわせる。

日産フェアレディZ Version ST

タイヤサイズ=前255/40R19 後275/35R19
トレッド(前/後)=1555/1565mm

レクサスRC350“F SPORT”

タイヤサイズ=前235/40R19 後265/35R19
トレッド(前/後)=1580/1570mm

405PSの圧倒的パワーを誇る新型フェアレディZ

直4ターボ、直4+モーターのハイブリッド、そしてV6という3種類のエンジンをラインナップするRC。これに対してフェアレディZにはV6ターボ1種類のみが設定されている。

今回はスペック的に近いV6エンジン同士を比べてみたが、その差は歴然。排気量はRCが0.5リッター上回るが、ターボとNAという違いも大きく、最高出力にしてフェアレディZが87PS、最大トルクも95Nmの大差を付けている。

ただ、これはそれぞれのキャラクターの違いを考えれば当然とも言える。RCは高級ブランドであるレクサスらしい落ち着き感を重視したモデルであり、よりスポーティな性能を求める場合は、「RC F」という選択肢も用意されている。また、ハイブリッドモデルの「RC300h」を選べば、WLTC燃費17.7km/リットルという圧倒的な環境性能を得ることも可能。これは、フェアレディZより7.5km/リットル以上優れた数値であり、RCの魅力のひとつにもなっている。

日産フェアレディZ Version ST

エンジン形式=V型6気筒ターボ
排気量=2997cc
最高出力=405PS/6400rpm
最大トルク=475Nm/1600-5600rpm
WLTC燃費=10.2km/リットル
トランスミッション=9速AT

レクサスRC350“F SPORT”

エンジン形式=V型6気筒
排気量=3456cc
最高出力=318PS/6600rpm
最大トルク=380Nm/4800rpm
WLTC燃費=10.6km/リットル
トランスミッション=8速AT

ともに生粋のスポーツカーといえる「日産フェアレディZ」と「ポルシェ718ケイマンGTS4.0」。

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ガソリンエンジンを動力源とするモデルとしては、これが最後と目される日産フェアレディZとポルシェ718ケイマン。400PSオーバーの心臓を与えられた新型フェアレディZに対抗できる718ケイマンは、6気筒エンジンを搭載する「GTS4.0」あたりだが、その違いをみてみよう。

いずれも6気筒エンジンを搭載する最上級グレードで比較してみた場合、フェアレディZとZ4のサイズは近いが、Z4の方がややワイド&ローでスポーツカーらしいスタイリングだ。

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およそ1年前に発表された新型日産フェアレディZ。世界的な半導体不足などの影響を受け、納期が大幅に延びているようだが、この希少な伝統あるFRスポーツを求める人は尽きない状況だ。同じ“Z”の名を冠するBMWのZ4は、オープンモデルという違いこそあれ、スーパーGTでしのぎを削るトヨタ・スープラの兄弟車。今回は、そんな2モデルを比較してみたい。

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著者プロフィール

古川 裕 近影

古川 裕

新型モデルを比較することを信条とするフリーランスジャーナリスト。過去にはゲンロクWebを運営する三栄に…