【COOL GADGETS Vol.44】Apple Watchを個性的にする「スマートウォッチウェア」

アップルウォッチを個性的にするスマートウォッチウェア「HUMBLE RICH」【COOL GADGETS Vol.44】

“控えめ”ながらも個性を主張するハンブルリッチ。その日の気分やファッションに合わせて“着替える”ことをコンセプトにしている。
“控えめ”ながらも個性を主張するハンブルリッチ。その日の気分やファッションに合わせて“着替える”ことをコンセプトにしている。
iPhoneと組み合わせるウェアラブルデバイスとしては他に選択肢はないほど、高い機能性で使いやすいApple Watch。だがファッションアイテムとしてはやや没個性である。そんな不満を持つ人に紹介したいのが「スマートウォッチウェア」だ。(GENROQ 2023年5月号より転載)

控えめながらも個性を主張

横面にある小さなボタンを押し込むだけでかんたんに裏蓋を開閉できる「プラグ&リッチ ウォッチ」構造を採用している。ユーザビリティを強く意識した製品だ。

「スマートウォッチウェア」というジャンルが生まれたのは2015年。スウェーデンのGolden ConceptがApple Watch向けのケースと専用ストラップを発売したのが始まりだ。これが19年に日本に上陸すると、画一的なApple Watchのデザインに不満を感じていた人たちが、一斉にこのブランドに飛びついた。なにもApple Watchじゃなくてもいいのでは? と思うだろうが、iPhoneと組み合わせるウェアラブルデバイスとしては他に選択肢はないほど、高い機能性や使いやすさ、連携の滑らかさがある。つまり便利だからApple Watchは使いたい。しかしファッションアイテムとしてのApple Watchはニュートラルなトーンではあるが、その没個性的な面に不満を持つ人も少なくなかった。

しかし、個人的にはこのジャンルに興味を持てなかった。理由はいくつかあるが、ハンブルリッチのApple Watchケースはそんな僕の気持ちを大きく揺り動かした。やや華美に過ぎるスマートウォッチウェアが多い中、ハンブルリッチの製品はさりげなく“控えめ”ながらも個性を主張し、その日の気分やファッションに合わせて“着替える”ことをコンセプトにしている。

ガガミラノのデザイナーが製作

多くのスマートウォッチウェアは、専用工具でフレームの中にスマートウォッチ本体を納めるが、この製品は極めて高精度な裏蓋開閉システムを備え、付属のピンで小さなボタンを押し込むだけでベゼルを交換できる。

加えてストラップもボタンひとつで簡単に取り替え可能だ。柔軟性の高いエラストマに、サステナブルなファブリックや型押しのフェイクレザーを用いたラバーストラップは、手首へのフィット感も最高。今ではApple Watch Series 8を常にこのケースに入れて使っている。

実は創業者のルーベン・トメッラは、ガガミラノでデザイナーを務めていた人物。機械式時計での“着せ替え”を検討していた中でApple Watchに触れ、この利便性をそのままにファッションアイテムとしての腕時計が持つ魅力を加えられないか? と考えていたそうだ。スマートウォッチウェア一番乗りとはならなかったハンブルリッチだが、その代わりにシーンに応じた着せ替えを可能にし、今年デビューとなった。

心電図計測以外はすべて機能

シックで堅牢なハンブルリッチ専用のケースも付属する。ケースも非常にデザインコンシャスであり、毎日ハンブルリッチを取り出す行為が楽しくなるはずだ。

ステンレスにイオンプレーティング加工のベゼル、型押しレザーのCLASSICシリーズ、再生アルミあるいは再生カーボンベゼルを用いたSPORTシリーズ、エコセラミックベゼルのETHICALシリーズがあるが、僕が気に入ったのは再生アルミに金箔をあしらったケース。スーツならばCLASSICシリーズがシックリくるだろう。Apple Watch本体を覆うステンレスフレームに入れるためサイズは大きくなるが、その分をカバーするだけの装着感は魅力。ケースに入れても、竜頭を用いて計測する心電図計測機能以外はすべて問題なく機能する。

英語で“謙虚な豊かさ”を意味するハンブルリッチ。もちろん機能やスペックは、この製品がなくとも充足される。しかし毎日使うアイテムだからこそ、その日、身に纏うファッションとのマッチングには拘りたい。そんな贅沢を味わいたいなら試してみてはいかがだろう。

REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2023年 5月号

PRICE

SPORT CARBON WBB0289-017(41mm) 14万3000円(写真右)
CLASSIC IPcoating WBB0289-011(41mm) 9万9000円(写真左)

評価

ワンタッチで着せ替え可能。純正ストラップとの交換も簡単だ。存在感のあるサイズだが、腕時計の快適性は大きさと重さだけでは決まらない。実用性も高いスマートウォッチウェアだ。

コストパフォーマンス:2
デザイン性:4
機能性:5
装着感:5
質感:3

【問い合わせ】
HUMBLE RICH
https://www.humble-rich.jp

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著者プロフィール

本田 雅一 近影

本田 雅一

テクノロジージャーナリスト、オーディオ&ビジュアル評論家。ガジェットはもちろん、ITやクルマにも精通…