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BMW Classic
レーサーでありアンバサダー
実はブルーノ・スペングラーさんは、ブルーノ・スペングラー選手でもある。2023年シーズンからスーパーGTのGT300クラスで荒聖治選手と共に「BMW M Team Studie x CRS」の「BMW M4 GT3」をドライブするレーシングドライバーで、2012年DTM（ドイツ・ツーリングカー選手権）のドライバーズ・タイトルを獲得したBMWワークスのエースのひとりなのだ。新木みおさんも「BMW／MINIアフターセールス学びプロジェクト」のリーダーだが、「BMW M Team Studie x CRS」のレースクイーンと「BMW ＆ MINI RacingのMINIアンバサダーガール」も務めるなど様々なレースと関わりを持っている。そんな新木さんが、スペングラーさんにBMWクラシックのアンバサダーになった経緯を訊いた。
「2022年、ドイツでDTMと併催されていたDTMクラシック・カップに出場したのがきっかけです。これは1984年から2008年までのDTM、グループAマシンなどを対象にしたクラシックカー・レースです。私はE36型のBMW 320i STWで出場してノリスリンクで2位、ホッケンハイムで3位に入りました」
そして徐々にクラシックと縁のあるイベントでの関わりが増えていったという。
「イタリアのコモ湖畔で行われるヴィラ・デステ・コンクールデレガンスや、イギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにも行きました」
ヴィラ・デステでは、木曜と金曜にミラノとモンツァでBMW Mのイベントがあり、そこで新しい3.0CSLのデモンストレーションをこなした後、翌日コンクール会場に駆けつけるなど多忙な日々を過ごしているようだ。それでは具体的にBMWクラシックのアンバサダーとは、どういう仕事をするのだろうか？
「イベントでクラシックモデルのドライブをするのはもちろん、トークショーに参加したり、オーナーの皆さんと交流したりします。BMWクラシックを、広く知ってもらうために貢献したいと思っています。BMWに情熱を持つクルマ好きなら、BMWの歴史が好きなら、BMWクラシックはぜひ体験してほしいプログラムです。というのも、クラシックは過去のものですが、E30 M3やル・マンのV12 LMRのようなレーシングカーでテクノロジーを追求し、限界を極めた結果が、後の市販車にフィードバックされているからです。実はクラシックは若い人たちのためのものでもあるのです」
他に比べるものがない魅力
今回、新木さんがスペングラーさんから学びを得た場所は、日本初、アジア初のクラシック・パートナーに認定された東京都港区のAbe BMW 品川サービスセンター。清潔かつ整理されたメンテナンススペースには、1978年に発表された3.5リッター直6DOHC M88型エンジンを積むミッドシップのスーパーカー「M1」があった。
「これは素晴らしい！」と目を輝かせてスペングラーさんはM1に歩み寄る。そしてアンバサダーとして、さっそく新木さんに説明を始めた。
「実は1度だけ、M1を運転したことがあります。BMWクラシックの所有するプロカー（レーシングカー）ですが、とてもエモーショナルでした。他に比べるものがないまさしくスーパーカーです。M1には他のBMWにない特徴があるのを知ってますか？ ほら、リヤにエンブレムが2つあるんです」
一つひとつの質問に、丁寧に答えてくれるスペングラーさんに対して新木さんも「まず形が全然違いますよね。インテリアとかいろんなパーツの作りも今と昔とで全然違うのに驚きました。M1のライトがピッと出てくる（リトラクタブル）ライトが面白いですね」と終始興味深げな様子だ。
聞けば、スペングラーさんのお父さんは3シリーズ（E36やE46）を乗り継いだ、生粋のBMW党とのこと。その影響を大いに受けたスペングラーさんにとって、BMWワークスドライバーを務め、さらにBMWクラシックのアンバサダーとなったのは、とても光栄なことだという。
「私にとってBMWクラシックのアンバサダーになったことは、非常に大きな喜びです。今回、日本のファンが情熱に溢れ、BMWクラシックを楽しんでくれていることを知って、とても嬉しく感じます。これからも日本でそんなオーナーの皆さんと、その愛車に会えるのが楽しみです」
日本におけるBMWクラシック
では、今の日本におけるBMWクラシックの最新事情はどのようなものなのか？ Abe BMW 品川サービスセンターの大澤アフターセールス・ゼネラル・マネージャーに伺った。
「私はもともとクラシックモデル好きということもあって、皆さんに少しでも長く乗っていただきたかった。そのためには、ディーラーで継続的に面倒を見させていただくのが一番良いと思っていました。それが、（アジア初の）クラシックパートナーの認証を得るきっかけでした」
「お陰様でスタートしてまだ日も浅いのですが、反響も問い合わせも入庫も増えています。今日入庫しているモデル以外でも、E24のM6、E34のM5、さらに2002が来たこともあります」
大澤アフターセールス・ゼネラル・マネージャーの話を真剣な表情で聞きながら、日本での取り組みにスペングラーさんも感銘を受けたようだ。
「クラシックに限らず、BMWはエンジン、ハイブリッド、EV、色々なパワーユニットがあって実に“オープンな”ブランドだと思います。日本でもそれが支持されているのは嬉しいですし、大澤さんのような方のお陰でクラシックモデルが維持されているのは素晴らしいことですね」
様々なモデルをカバーする
他にも多くのクラシックモデルに触れたあと、スーパーGTのレース参戦のために出発するというスペングラーさんは、去り際BMWクラシックの魅力について、こう強調した。
「BMWクラシックは世界中どこでも積極的に活動しています。またレーシング・コンペティションからコンフォートまで、実に様々なモデルをカバーしています。そういう幅広さ、懐の深さも魅力だと思います」
「皆さんはBMWクラシックの本拠地に行ったことがありますか？ Moosacher Strasse 66という創業の地にある施設ですが、とてもユニークです。歴史的な建物を利用していてとても素晴らしいので、ぜひ1度訪れてほしい場所です」
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