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大幅な緊縮財政を強いられて
なんか毎年このコラムで言っている気もしますが、2024年こそ普段乗りの愛車を買い換えよう! 無難にW205型の「メルセデス・ベンツ Cクラス」というのも良いし、今年で誕生35周年を迎えた「ランドローバー ディスカバリー」、それもディスコ4あたりを中古で狙ってみるのもいいな……なんて夢が膨らんでいたのですが、春先に愛用のMacBook Proが5年目にして突然死して買い替えを余儀なくされたのに加えて、5月に行われたモナコ・ヒストリックの自費取材で驚異的な円安のダメージ(1ユーロ=170円で500mlのコーラが1本4ユーロですぜ)を受け、大幅な緊縮財政を強いられることになりました。とほほ。
しかも2月に車検を迎えた1992年式「ローバー ミニ クーパー」のコンピュータが怪しくなったため交換したところ「1箇所が良くなると、他に皺寄せがくる」という負のスパイラルに入りこみ、何度も入退院を繰り返して散財する羽目になってしまいました……。
ということで2024年買った一番高いものはMacBook Pro。結局、愛機ロータス69FF(せっかく去年大枚を叩いてエキマニをワンオフで作ったのに!)でのヒストリック・フォーミュラレースも不出場という、寂しい1年となってしまったのです。
円安のダブルパンチで
ただ、このヒストリック・フォーミュラの参戦を見合わせたのには、もうひとつ理由があります。それはタイヤ。
レギュレーション上、ヒストリック・フォーミュラ・フォード1600は、イギリス・エイヴォン社製のACB9というバイアスのオールウェザータイヤを履くのですが、2023年をもってエイヴォン社が4輪用のタイヤ製造から撤退。その供給が止まってしまったのです。
しかも円安がダブルパンチとなり、この夏、有志がイギリスに残っていた在庫を輸入したところ、13インチの細いレーシングタイヤにも関わらず、送料込みで1セット28万円!になったと聞いて意気消沈。5年前に買った時は4本で16万円だったのに……。
結局、グリップが大幅に落ちた5年前のタイヤでレースをするのは危険なので、泣く泣く参戦を見合わせたという次第。
では、タイヤが作られていない以上、走ることができないのか?というと、そうではなくてACB9をはじめとする、いくつかのエイヴォン・タイヤの製造権をイギリスのノヴァ・モータースポーツが取得。彼らが買収したポルトガルのCAMACタイヤの工場で生産が継続されることになりました。実際、彼らのYouTubeを見ると、2024年8月にパイロット版が完成し、テストに供された結果、以前と同じパフォーマンスを発揮したとのこと。
それならいっそのことF1?
そのまま順調にいけば2025年の第1四半期には製造、販売が開始されるそうで、ほっと一安心と言いたいところですが、価格の発表が行われていない以上、朗報!と言い切れないのもまた事実。またタイヤの件に限らず、レーシングスーツやヘルメットの価格も上がっているし……で、クラシックといえども個人がレース活動を続けるのは、なかなか大変な世の中になっているのでした。とほほ。
……と、寂しい話ばかりしていても気が滅入るので、タイヤなんてケチくさいことを言わずにコスワースDFVを積んだF3000マシン、世代的には「マーチ88B」とか「ローラT88/50」とか、「レイナード88D」あたりを買えたら嬉しいなぁ。それならいっそのこと、ロータスやブラバムは無理でも「マーチ761」とか「フィッティパルディF5A」とか、DFVを積んだアルミモノコックのF1を買えたりしなかなぁと、夜な夜な原稿も書かずにネットサーフィンをする日々だったりもします。えー、2025年はもっと頑張ろうっと。