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Audi A5 Sedan
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BMW 318i Sedan
Dセグメント屈指の“軽さ”を誇る3シリーズ




アウディの新世代ICE(内燃機関)搭載モデルの先陣を切る形で、2024年にデビューを飾った「A5」。最新ICE用アーキテクチャー「PPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション」をベースに開発され、高い効率性と理想的なパッケージングを実現した。
今回、幅広いパワートレインを展開するA5から、48Vマイルドハイブリッドを搭載しない「A5 TFSI 110kW」と、BMW 3シリーズの量販モデル「318i セダン M Sport」をピックアップした。現行3シリーズは7代目として2018年にデビューし、2022年に大規模なフェイスリフトを実施。BMWの最新デザインランゲージに則ったエクステリアへとアップデートされている。
サイズは全長が115mm、全幅が35mm、ホイールベースが45mm、A5のほうが大きい。重量に関しても、同じ2.0リッター直4ターボの2WDモデルでありながら、A5が210kgも重い。これはA5が“重い”というよりも、運動性を重視した3シリーズがDセグメントでは例外的に“軽い”と言えるかもしれない。
アウディ A5 TFSI 110kW
ボディサイズ=全長4835mm×全幅1860mm×全高1455mm
ホイールベース=2895mm
車両重量=1750kg
タイヤサイズ=205/60R17
BMW 318i セダン M Sport
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1825mm×全高1440mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1540kg
タイヤサイズ=225/45R18
日本の交通環境では必要にして十分なパワー




エントリーモデルに搭載されるパワーユニットは、どちらも2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ。最高出力はA5が150PS、3シリーズが156PSと、ほぼ変わらない。トルクに関してはA5が3シリーズを30Nm上まわった。日本の市街地や高速道路を走行することを考えても、必要にして十分なスペックを備えていると言えるだろう。また、どちらのモデルも上級仕様にはハイブリッドシステムが導入される。
アウディ A5 TFSI 110kW
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1984cc
最高出力=150PS/3900〜6000rpm
最大トルク=280Nm/1400〜3600rpm
トランスミッション=7速Sトロニック(DCT)
駆動方式=FWD
BMW 318i セダン M Sport
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1998cc
最高出力=156PS/4500rpm
最大トルク=250Nm/1300〜4300rpm
トランスミッション=電子制御式8速AT
駆動方式=RWD
“BMWらしさ”はエントリーモデルでも健在




A5はアウディが誇る最新世代一体型コクピット、11.9インチ「Audi バーチャルコックピットプラス」と14.5インチ「MMIタッチディスプレイ」を搭載。対する3シリーズも、改良新型から12.3インチ・メータースクリーンと14.9インチ・コントロールディスプレイで構成される「BMWカーブドディスプレイ」が導入された。リヤシートの居住性やラゲッジの使いやすさに関しては、長いホイールベースと効率的なFWDレイアウトを活かしたA5に軍配が上がる。
A5 TFSI 110kWと、318i セダン M Sportの価格差は63万円。最新世代のミドルサイズサルーンを選ぶ際、A5のプライスタグは大きな魅力となる。ただ、基本設計の古さはこそあるが、3シリーズはエントリーモデルでもBMWらしいシャープなハンドリングを備えている。3シリーズが60万円以上の価格差を埋めることができるのか、ぜひステアリング握って確かめて欲しい。