驚異のハイパーEV、マクマートリー スピアリングとは何ものか?

EVの新たな可能性? ハイパー電動車「マクマートリー スピアリング」ってなんだ? をまとめてみた

2021年のグッドウッドに出場したマクマートリー スピアリングの走行シーン
昨年のグッドウッドにおいて、鮮烈なデビューを飾ったマクマートリー スピアリングが、2022年も「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に登場する。
今週イギリスで開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード。そこに1台の小さなEVがヒルクライムレコードに挑戦しようとしている。これまでに何度か当サイトでもレポートしてきたマクマートリー スピアリングである。今回はその出自や背景などをまとめてみた。

McMurtry Spéirling

1トンあたり1000ps超? 驚異の性能を発揮するハイパーEV

昨年のグッドウッドにおいて、鮮烈なデビューを飾ったスピアリングが、2022年もグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場する。
昨年のグッドウッドにおいて、鮮烈なデビューを飾ったスピアリングが、2022年もグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場する。

「マクマートリー・オートモーティブ(McMurtry Automotive)」は2016年に設立され、英国グロスターシャーに拠点を置く新興EVメーカーだ。現在のラインナップは電動ハイパースポーツ「スピアリング(Spéirling)」のみだが、過激で魅力的なモデルを生み出していることで注目を集めている。

2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでワールドプレミアされたスピアリングはゲール語で「雷雨」を意味する。ゲール語を使うのは「マクマートリー・オートモーティブ」を創設したのが、アイルランド出身のデビッド・マクマートリー卿だからだ。アイルランドは英語とゲール語が公用語なのである。

最高速度320km/hだけではない、その驚異の性能の秘密とは

スピアリングのスペックは公開されていないが、車重は1トン以下で搭載される2基の電気モーターによる最高出力は1トンあたり1000psに達すると謳い、最高速度は320km/h以上、0-300km/h加速は9秒以内を目標としている。

速さの源は出力だけではない。強力なダウンフォースを発生させる「ダウンフォース・オン・デマンド・システム」も採用している。つまり最近ではゴードン・マレー T.50、古くはCan-Amのシャパラル 2Jなどに搭載されたファンカーである。車体後端に設置された大型ファンが、ボディ下面の空気を強制的に後方に排出することで強力なダウンフォースを生み出すのである。これによってボディパネルにエアロパーツを装着しなくてもダウンフォースを高めて、デザインに注力できる。

その走る姿はまさに異形のもの。小さなバットモービルのような風貌だが、ダウンフォース・オンデマンド・システムは、ジェットエンジンに匹敵するほどの大きなサウンドを発生する。このシステムこそ、スピアリングのサーキット走行におけるポテンシャルのキーデバイスで、小型化された独特のプロポーションを維持したまま、驚異的な性能を発揮することが可能になったのだ。

名だたるドライバーを擁して開発を進める

昨年のグッドウッドにおいて、鮮烈なデビューを飾ったスピアリングが、2022年もグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場する。
ユニークなアピアランスに驚異的なドラッグを生むメカニズムを搭載し、唯一無二の魅力を放つスピアリング。

現在、元F1、元インディカードライバーのマックス・チルトンや、ル・マンで5勝を挙げたレジェンドドライバーのデレック・ベルが公式ドライバーを務めるなどしている。チルトンは2023年まで1年間の契約で開発責任者として、またシニア・スポークスマンとして広報活動も担当している。

スピアリングは今週開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライムコースでの記録更新に挑むことがアナウンスされる注目の1台である。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…