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入社2年目のエンジニアのアイデア
スマートウォッチを使い始めると、みんな口を揃えるのが「こんなに便利だとは思わなかった」って話。あらゆる情報がスマートフォンに集まってくるんだから、その情報をもっとも身近な手首のデバイスに転送してくれるっていうんだから、便利なのは当たり前。その上、最近はお財布がわりにもなる。
ところが、使ってみれば魔法のようなに便利な装置だけど、使い始めるまでに強い抵抗感を示す人もいる。何を隠そう僕のことだ。嗜好品として腕時計を毎日着け替えていたから、たったひとつの電子ディスプレイしかない腕時計なんて素っ気ないものに乗り換えられないよ! と思っていたのだ。
wenaはまさにそう感じたソニー入社2年目のエンジニアが思い付いたアイデアだ。父から受け継いだ思い出の時計を使い続けたいという想いと、ウェアラブルデバイスへの探究心が生み出したのは、汎用性のあるバンドのバックル部分にスマートウォッチの機能を埋め込んでしまうこと。
アナログ時計への深いリスペクトのもとに練り込まれたアイデアは、第3世代となって高い装着感をキープしながらもフル機能のスマートウォッチにも負けない利便性をバンドの中に入れてしまったのだ。
衝撃的スマートウォッチ
初代モデルはスマートウォッチというよりも、ごくシンプルな活動量計に近い機能性。それが2世代目でフィットネスへの対応度が上がり、今回はディスプレイが大型化したことで、スマートフォンからwenaに届く情報の密度が上がったうえ、より見やすくなった。
この写真で紹介されているのは、よりファッショナブルなメタルバンドだが、フィットネスバンドとしての使いやすさを求めるならばラバーバンドモデルもある。ラバーバンドモデルは腕時計本体をワンタッチで着脱できるため、ランの時には純粋なフィットネスバンドとしても使える二面性もある。
ちなみにさらにソフトなフィット感を求めるなら、レザーバンドを採用したモデルも選択できる。レザーバンドは簡単に交換できるから、ブラックとブラウンの2色を用意しておき、腕時計本体やその日の装いに合わせて交換なんてことも手軽にできる。
しかもアマゾンのAlexaも利用できるから、音声でさまざまなネット家電を操作したり音楽アプリを操ることさえできてしまうのだ。
Suicaにも対応
なんてことを真面目に書いているが、このwena3を取り上げたのは、初代モデルから一貫して望まれてきたSuicaが搭載されたからだ。これまでもほとんどの“おサイフケータイ”機能は使えていたのだけど、改札口を通過できるSuicaへの対応は今回が初めて。個人的にはこの一点だけで従来モデルのオーナーも買い替えていいんじゃないか? と思うほど。
お気に入りの腕時計は使い続けたい。でもスマートウォッチも便利だ。これまでは何かを諦めなければならなかったが、wena3ならばその両方を同時に叶えられる。踏み出せなかった一歩を決断するには十分な理由だ。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 5月号
PRICE
オープン価格
評価
バッテリーはフィットネスに使わないなら1週間を無充電でOK。Suica対応で死角がなくなった。3種類のバンド素材を選べる上、視認性も向上。良いことづくめのナイスアップデートだ。
コストパフォーマンス:3
機能性:4
アイデア:5
デザイン:4
バッテリー駆動時間:5
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