クルマ好きが愛車を手放す時はどうしたらいいか?の記録

クルマ好きが愛車を手放す時はどのような手順が最善か?(アバルト595の場合)

MTでできるだけコンパクトなサイズ、運転が楽しく、所有の満足感もそれなりに得られるとして選んだアバルト595。
MTでできるだけコンパクトなサイズ、運転が楽しく、所有の満足感もそれなりに得られるとして選んだアバルト595。
クルマを所有していれば、やむを得ない理由で手放すことはある。それが趣味のクルマならなおさらだ。しかし、思い入れのある趣味のクルマだからこそ、手放す時に最善の策をとりたいものである。そんな時、プロの自動車ジャーナリストはどうするのか?

急遽クルマを手放すことに

当時アバルト595のMTは、ノーマルの595(145PS)とコンペティツィオーネ(180PS)の2種類だった。選んだのはノーマル。

今年2月に買ったアバルト595を手放さざるを得なくなった。保管していた実家のガレージが来春以降使えなくなることが確定したからだ。露天の駐車スペースなら確保できるのだが、私は自分の車はシャッター付ガレージに保管できないと気が済まない質なので、手放す方を選択したのだ。自宅ガレージは2台分あるが、BMW 118d(F20)とマツダ・ロードスター(ND)があり、この2台は絶対手放したくないお気に入りなのでアバルトを収めることができない。

では、そもそもなぜアバルト595を買ったのかというところから説明したい。それまで981ケイマンを実家ガレージに保管していたのだが、60歳を過ぎてパワーのありすぎる車は持て余すようになり、昨年秋に知人に売却してしまったのだ。次の車の条件はMTでできるだけコンパクトなサイズ、運転が楽しく、所有の満足感もそれなりに得られること。そして118dとロードスターとキャラが被らないもの。そこで最終的に目をつけたのがアバルト595だった。

アバルトを購入した理由

アバルト595のMTを買う場合、今年初めの時点で選べたのはノーマルの595(145PS)とコンペティツィオーネ(180PS)の2種類である。乗り比べたところ、低速域ではノーマルの方がレスポンス良く走り、乗り心地もマイルドだった。またノーマルはドアミラーやインパネがボディ同色になるのも好みで、買うならノーマル595と判断した。

1月にディーラーを訪ねてみると、なんとノーマルの595は終売・在庫限りで、春以降はF595という新グレードとなり、高級化して、価格も高くなるという(その時点では価格未定)。仕様も私の好みとは違う方向だ。となると在庫限りのノーマル595を慌てて買うしかない。希望色のグリジオ・カンポヴォーロは残り2台、若干値引きもしてもらえるということで即決したのだった。

ロードスターとは異質な楽しさを味わわせてくれる595を大いに楽しんでいたのだが、冒頭で書いたとおり、来年4月頃までには手放さなくてはならなくなった。売る場合、年を越すと年式が1年落ちになるので、売るなら年内、すぐに売却先探しを始めることにした。

どこで売却するか

希少なMTモデル2台が並ぶ。ロードスターとは異質な楽しさを味わわせてくれた595。

まず訪ねたのは購入先のディーラーである。ディーラーでの買取金額は220万円程度とのこと。新車価格320万円の車、しかもイタリア車だから、確かにそんなものかもしれない。しかし、もう少し高く売れるのではという予感がしたので、次に訪ねたのが以前空冷ポルシェを望外の高価格で買い取ってくれた輸入車専門店である。

私の595はシャッター付き車庫保管で雨の日はほとんど乗っていない(実家は家から徒歩5分のため、雨の日は乗りに行かなかったのだ)ので非常に状態は良く、傷も全くないのでそれを評価してくれて245万円をつけてくれた。そこで決めても良かったのだが、まだ慌てて売る必要もないためもう少し他をあたることにした。

そこで思いついたのが某大手中古車買い取り店である。以前利用して思いの外高く買い取ってくれたことがあったからだ。ただその大手買い取り店(仮にGとしよう)は国産車が中心だし、マニアックなMTのイタリア車を高く取ってくれるとは思えなかったが、ものは試しと訪れてみた。

さらなる高値を求めて

オークション終了間際についた最終的な買取額はなんと297万円!

買い取り店Gには3種類の売却方法があり、ひとつ目は通常の買取、二つ目はGフリマという個人売買の斡旋のような形態、三つ目はGオークションというもので、系列店の買取担当者間で競り合うというものだ。まずは普通の買取の査定をしてもらったところ、いきなり240万円という値がついた。まだ交渉も何もしていない状態の一発目の回答としてはなかなかの金額である。

店の担当者はGオークションにかけるともっと良い値が付くかもしれないという。参加は無料で、金額に不満なら売らなくても良いという。ただし売る場合は即契約をしないと無効だということだ。試しに20分程度オークションにかけてみるのはどうかと言われたのでやってみることにした。

初期設定金額は240万円である。最初の5分は全く動きがなかったが、5分過ぎに245万円がついた。輸入車専門店と同じ金額である。その1分後くらいに250万円となり、その後小刻みに上昇が続いて270、280と上がっていった。そして終了間際についた最終的な買取額はなんと297万円である。それにしても「役物」でもなんでもない定価320万円のモデルである。いったいいくらで売るつもりなのだろう。すぐに売却契約したことは言うまでもない。

高値の理由とは

今はどこかの大手買い取り店Gで販売されていることだろう。

おそらく私が幸運だったのは、ノーマル595が終売となって、新たに発売されたベースモデルのF595がなんと422万円と100万円以上も高くなってしまっているということだ。その上新車の納期がかなり延びている。そうなると新車時より多少高い価格でも状態の良い中古車を買いたいという需要が生まれるのは不思議ではない。

アバルトに限らず、今輸入車は値上げラッシュである。車種によってはちょっとびっくりするような値上げ幅である。値上げ前に買った車を今手放すと、状況によっては望外な高値がつくかもしれないのだ。車を手放す場合はディーラーの下取りで済ますのではなく、買い取り店にも足を運ぶことを強くお勧めする。

今回の実証実験には、アバルト 595シリーズが持ち込まれ、サーキットにおいて、治験者は様々なドライブシチュエーションを体験した。

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著者プロフィール

山崎 明 近影

山崎 明

1960年、東京・新橋生まれ。1984年慶應義塾大学経済学部卒業、同年電通入社。1989年スイスIMD MBA修了。…