ル・マン24時間制覇を目指すフェラーリ LMH、フィオラノで初走行

フェラーリが50年ぶりにワークス復帰! ル・マン・ハイパーカーのシェイクダウンを完了し、2023年WEC参戦に向け着々と準備

フェラーリ・ル・マン・ハイパーカーの走行シーン
フィオラノ・サーキットにおいて、ピエール・グイディのドライブで初走行を行った「フェラーリ・ル・マン・ハイパーカー」。
7月6日、フェラーリのファクトリードライバーを務めるピエール・グイディが、フィオラノ・サーキットにおいて新型フェラーリ・ル・マン・ハイパーカー(LMH)のシェイクダウンを行った。2023年からFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスへのエントリーを表明しており、順調な開発をアピールした。

Ferrari Le Mans Hypercar

50年ぶりに世界耐久選手権にワークス復帰

1973年を最後に耐久レースから撤退したフェラーリは、2023年からWECへのワークス復帰を発表。今回シェイクダウンを行ったフェラーリ LMHでル・マン制覇を狙う。
1973年を最後に耐久レースから撤退したフェラーリは、2023年からWECへのワークス復帰を発表。今回シェイクダウンを行ったフェラーリ LMHでル・マン制覇を狙う。

現在、WECのトップカテゴリーであるル・マン・ハイパーカー・クラスには、トヨタがGR010ハイブリッドで参戦中で、2022年シーズン第4戦モンツァ6時間レースからはプジョーがニューマシン「9X8」での参戦をスタートする。さらに、IMSA規定と共通のLMDh(ル・マン・デイトナ・h)カテゴリーには、アルピーヌをはじめポルシェ、BMW、キャデラック、アウディ、アキュラ、ランボルギーニが参戦、または参入を決めている。

多数の自動車メーカーがWECに参戦を決めている中、フェラーリは2023年シーズンからWECのハイパーカークラスに参戦することを発表。実に1973年以来となるル・マン24時間レース・トップカテゴリーへ復帰する。今回、ベネデット・ヴィーニャCEOの立会いのもと、ピエール・グイディがフェラーリ LMHのシェイクダウンを完了した。午後には、グイディからニクラス・ニールセンに引き継がれ、予定されていたすべてのテストプログラムを終了している。

グイディとニールセンがテストを担当

フェラーリのGTプログラムのワークスドライバーとして、WECに参戦するピエール・グイディ(写真)がシェイクダウンを担当。その後、同じワークスドライバーのニクラス・ニールセンに引き継がれた。
フェラーリのGTプログラムのワークスドライバーとしてWECに参戦するピエール・グイディ(写真)がシェイクダウンを担当。その後、同じワークスドライバーのニクラス・ニールセンに引き継がれた。

フェラーリ LMHのシェイクダウンを担当したグイディは、初ドライブの感触を次のように振り返った。

「何ヵ月もシミュレーターで操作していたので、ようやく実車に乗ることができて、とても感激しています。最後のワークス参戦から50年を経て、ふたたび耐久レースの頂点を目指すフェラーリをドライブできたことは、私にとって本当に感慨深いものでした。まだスタート地点に立ったばかりでこれからが大変ですが、とても前向きな気持ちです。フェラーリの新しい冒険の始まりとなるLMHの初ドライブを終えてとても嬉しいですし、誇りに感じています」 

この日、フェラーリのエンジニアは、開発テストに先立って、各種パワートレインや電子システムのチェックに集中。コース上でのセッションとルーティンチェックのため、走行とピットでの作業を繰り返した。貴重なテスト初日に立ち会ったニールセンは、次のように初ドライブの感想を語った。

「フェラーリのハイパーカーをいち早くサーキットで走らせることができるなんて、夢のような1日になりました。小さい頃からフェラーリのレーシングカーに乗るのが夢でした。それをトップカテゴリーを戦うクルマで実現できるなんて信じられません。もちろんレースデビューまではまだ長い道のりですが、今日はその瞬間に向けて小さな一歩を踏み出せました」

前述のとおり、このカテゴリーには現在アルピーヌをはじめポルシェ、BMW、キャデラック、アウディ、アキュラ、ランボルギーニなど強豪メーカーが多数参戦準備を進めているが、一部報道ではマクラーレンまでもが検討中と伝えられ、来年はかなり注目のレースシリーズとなることが予想される。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、走行を披露した「ポルシェ 963」

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ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(Porsche Penske Motorsport)は、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権と、FIA世界耐久選手権(WEC)参戦に向けた、LMDhプロトタイプレーシングカー「ポルシェ 963」を、6月23~26日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて世界初公開した。ポルシェ・ペンスキーは、IMSAとWECの両シリーズに、それぞれ2台の963で参戦する。

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