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Ferrari Le Mans Hypercar
50年ぶりに世界耐久選手権にワークス復帰
現在、WECのトップカテゴリーであるル・マン・ハイパーカー・クラスには、トヨタがGR010ハイブリッドで参戦中で、2022年シーズン第4戦モンツァ6時間レースからはプジョーがニューマシン「9X8」での参戦をスタートする。さらに、IMSA規定と共通のLMDh(ル・マン・デイトナ・h)カテゴリーには、アルピーヌをはじめポルシェ、BMW、キャデラック、アウディ、アキュラ、ランボルギーニが参戦、または参入を決めている。
多数の自動車メーカーがWECに参戦を決めている中、フェラーリは2023年シーズンからWECのハイパーカークラスに参戦することを発表。実に1973年以来となるル・マン24時間レース・トップカテゴリーへ復帰する。今回、ベネデット・ヴィーニャCEOの立会いのもと、ピエール・グイディがフェラーリ LMHのシェイクダウンを完了した。午後には、グイディからニクラス・ニールセンに引き継がれ、予定されていたすべてのテストプログラムを終了している。
グイディとニールセンがテストを担当
フェラーリ LMHのシェイクダウンを担当したグイディは、初ドライブの感触を次のように振り返った。
「何ヵ月もシミュレーターで操作していたので、ようやく実車に乗ることができて、とても感激しています。最後のワークス参戦から50年を経て、ふたたび耐久レースの頂点を目指すフェラーリをドライブできたことは、私にとって本当に感慨深いものでした。まだスタート地点に立ったばかりでこれからが大変ですが、とても前向きな気持ちです。フェラーリの新しい冒険の始まりとなるLMHの初ドライブを終えてとても嬉しいですし、誇りに感じています」
この日、フェラーリのエンジニアは、開発テストに先立って、各種パワートレインや電子システムのチェックに集中。コース上でのセッションとルーティンチェックのため、走行とピットでの作業を繰り返した。貴重なテスト初日に立ち会ったニールセンは、次のように初ドライブの感想を語った。
「フェラーリのハイパーカーをいち早くサーキットで走らせることができるなんて、夢のような1日になりました。小さい頃からフェラーリのレーシングカーに乗るのが夢でした。それをトップカテゴリーを戦うクルマで実現できるなんて信じられません。もちろんレースデビューまではまだ長い道のりですが、今日はその瞬間に向けて小さな一歩を踏み出せました」
前述のとおり、このカテゴリーには現在アルピーヌをはじめポルシェ、BMW、キャデラック、アウディ、アキュラ、ランボルギーニなど強豪メーカーが多数参戦準備を進めているが、一部報道ではマクラーレンまでもが検討中と伝えられ、来年はかなり注目のレースシリーズとなることが予想される。