新シャシー「Gen3」ベースのポルシェ99X エレクトリックGen3を公開

ポルシェの新世代フォーミュラE「99X エレクトリック Gen3」がイタリアでワールドプレミア【動画】

新シーズンに向けてイタリアで精力的にテストを続ける「ポルシェ 99X エレクトリック Gen3」。
先代のポルシェ 99X エレクトリックから、大きくフォルムを変えた「99X エレクトリック Gen3」が、イタリア・フランチャコルタのポルシェ・エクスペリエンスセンターでワールドプレミアされた。
ポルシェ・モータースポーツは、2022-23年シーズン(シーズン9)のABB FIA フォーミュラE世界選手権に投入するニューマシン「99X エレクトリック Gen3」を発表した。ヴァイザッハのポルシェ開発センターで開発されたフル電動レーシングカーは、イタリア・フランチャコルタのポルシェ・エクスペリエンスセンターでワールドプレミアされた。

Porsche 99X Electric Gen3

ニューマシンと新体制で挑む2021-22年シーズン

新シーズンに向けてイタリアで精力的にテストを続ける「ポルシェ 99X エレクトリック Gen3」。
タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームは、アンドレ・ロッテラーが移籍し、新たにアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ加入。完全刷新されたニューマシン「99X エレクトリック Gen3」で初の王座を狙う。

2021-22年シーズン(シーズン8)のフォーミュラEに、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームはパスカル・ウェーレインとアンドレ・ロッテラーのコンビで参戦。第3戦メキシコE-Prixにおいて、ウェーレインとロッテラーが1-2フィニッシュを飾った。

来たる2022-23年シーズン(シーズン9)、チームは新型シャシー「Gen3」をベースとした、「99X エレクトリック Gen3」で4年目のシリーズを戦う。ドライバーはロッテラーがポルシェ製パワーユニットを搭載するアバランチ・アンドレッティ・フォーミュラEへと移籍し、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタが新加入。ウェーレインと新たにコンビを組む。

ポルシェ・モータースポーツの副代表を務めるトーマス・ローテンバッハは、新世代へと進化した99X エレクトリック Gen3を前に、次のようにコメントした。

「ヴァイザッハの開発チームは、この99X エレクトリック Gen3に膨大な労力や経験、そして魂を注ぎ込んできました。完成した電動レーシングカーを前に、彼らは心から誇りに思うことでしょう。フォーミュラEにとっても、ポルシェにとっても、ニューマシンの投入は未来に向けて重要なステップとなります。あらためて、シーズン開幕と新時代の到来を楽しみにしています」

軽量化されパワーアップした「Gen3」マシン

「ポルシェ 99X エレクトリック Gen3」のレーシーなフォルム。
2018-19年シーズン(シーズン5)から使われてきた「Gen2」に代わり、フォーミュラEは新世代共通シャシー「Gen3」を導入。大幅なパワーアップに加えて、軽量化も追求されており、よりスピード感のあるレースが期待できそうだ。

ポルシェ 99X エレクトリック Gen3をはじめとする、新シャシー「Gen3」は、ホイールベースが短縮され、空力デザインも大きく変更された。バッテリーが小型化される一方でパワーユニットは強化された。つまり、これまでで最も速く、最も軽く、最もパワフルで効率的なフル電動レーシングカーとして開発されたという。

特に最高出力はGen2の250kW(約340PS)から、350kW(約475PS)と大きく引き上げられており、最高速度は320km/hにまで達している。

ポルシェ 99X エレクトリック Gen3のアグレッシブなフォルムは、ポルシェが掲げるブランドポリシー「Driven by Dreams」にインスパイアされたもの。このデザインは、個性、独自性、そして未来志向がテーマに掲げられており、サスティナブルなモータースポーツに興味を持つ若者への訴求効果を狙っているという。

ポルシェ・フォーミュラE担当ディレクターを務めるフローリアン・モドリンガーは、99X エレクトリック Gen3について、次のように説明を加えた。

「新シーズンに向けて、ワクワクするような期待感に包まれています。メキシコでの開幕戦向けて、まだ多くの仕事をしなければなりません。ニューマシンの投入により、これまで以上に良いポジションにつけると確信しています。新しいポルシェ 99X エレクトリックGen3を含む、各チームの新しいGen3規定マシンが、レースをさらに華やかにし、フォーミュラEの人気をさらに高めることを期待しています」

タイトル獲得経験を持つダ・コスタが加入

2014年からフォーミュラEに参戦を続ける経験豊富なアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。シーズン6にはタイトルも手にしており、新天地ポルシェで2度目のタイトルを手にできるか。
2014年からフォーミュラEへの参戦を続ける経験豊富なアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。シーズン6で王座を獲得しており、新天地ポルシェで2度目のタイトルを手にできるか。

2022-23年(シーズン9)は、1月14日に決勝レースが行われるメキシコE-Prixで開幕。このシーズンからポルシェは、再びオフィシャルセーフティカーとしてフル電動スポーツカー「タイカン ターボS」の投入も決めている。

このメキシコでポルシェ・デビューを飾るダ・コスタは、ポルトガル出身の31歳。2014年からフォーミュラEへの参戦を続けており、2019-20年シーズンは3勝を挙げてタイトルを獲得した経験も持つ。

「Gen3マシンは大きな進化を遂げました。先代シャシーよりも軽く、よりパワフルで、それだけでレーシングドライバーは笑顔になります(笑)。タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのニューカマーとして、私はこの数週間、エンジニアやメカニックとコミュニケーションを取り、チーム内での居場所を見つけるために努力を続けてきました」

「チームが最初からウェルカムな雰囲気を作ってくれたことで、いたって快適に過ごせています。また、さまざまなシリーズで対戦してきた新しいチームメイトのパスカル(ウェーレイン)とも良い関係です。私たちはポルシェをトップに押し上げるという、共通の目標を持っています。ポルシェは勝利の代名詞のようなブランド、新しいポルシェ 99X エレクトリック Gen3で、できるだけ早くこの目標を実現したいですね」

3年目のシーズンを迎えるウェーレイン

第3戦メキシコで勝利し、ランキング10位でシーズン8を終えたパスカル・ウェーレイン。3年目となるシーズン9は、自身初のフォーミュラE王座を狙う。
第3戦メキシコで勝利し、ランキング10位でシーズン8を終えたパスカル・ウェーレイン。3年目となるシーズン9は、自身初のフォーミュラE王座を狙う。

ポルシェで3年目のシーズンを迎えるウェーレインは、新シーズンに向けて次のようにコメントした。

「ニューマシンのテストでは、最初から良いフィーリングを得ることができました。さらに、開幕に向けて多くのデータを蓄積し、大きな進歩も遂げています。シーズンが始まるまで、まだ少し時間があります。この時間を使って、ポルシェ 99X エレクトリック Gen3をもっとよく知り、パズルのピースを組み立てて、開幕戦のメキシコのスタートに向けて適切な準備を進めたいと思います」

ポルシェ 99X エレクトリック Gen3を動画でチェック!

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