「まるでテーマパークのよう」富士スピードウェイホテル宿泊体験記

クルマ&モータースポーツ好きなら一度は宿泊すべき「富士スピードウェイホテル」をアメニティまで徹底紹介

富士スピードウェイの最終コーナー奥に建つ富士スピードウェイホテル。全120室です。
富士スピードウェイの最終コーナー奥に建つ富士スピードウェイホテル。全120室です。
富士スピードウェイに新しくできた宿泊施設「富士スピードウェイホテル」。

FSW西ゲートの脇から

最初にゲストを迎える入り口のオブジェ。クルマのパーツで構成されています。
最初にゲストを迎える入り口のオブジェ。クルマのパーツで構成されています。

日本のモータースポーツの中心的存在である富士スピードウェイ(FSW)。その敷地内に「富士スピードウェイホテル」がオープンしたのはご存知でしょうか。2022年10月のオープン以来気にはなっていたのですが、念願かなって宿泊する機会を得たので、その内部の様子をお伝えしましょう。

ホテルへのアプローチはFSW西ゲートの横にある専用の道を通ります。ホテルはサーキットのすぐ横に建っているのですが、サーキットの中からはホテルに行けませんので気をつけてください。さて、入り口のドアを入ると大きなモニュメントが出迎えてくれます。これ、よく見るとクルマのパーツで作られているんですね。マフラーやらクラッチカバーやら、実に凝っています。

ミュージアムも併設される

そこからさらに進むとエントランスホールに出ます。真正面に長いエスカレーターがある開放的な空間。そして左には横向きになったトヨタ7が!あの幻のレーシングマシンにこんなところで出会えるとは!ちゃんとエンジンも搭載されていて、つい間近で観察してしまいました。

実はFSWホテルは「富士モータースポーツミュージアム」を併設していて、1階と2階はその展示スペースとなっています。このトヨタ7も展示車のひとつなんですね。ホテルのレセプションはエスカレーターで上がった3階です。

エスカレーターの途中からは2階に展示されている車両を眺めることができますし、3階の吹き抜けから下を見ると展示車が見えます。もう初っぱなからクルマ好きにはたまりません。ミュージアムを見学するには別途料金が必要となっているので、こちらは改めてゆっくり訪ねてみましょう。

エントランス周りや館内には、クルマとモータースポーツの写真やオブジェがたくさん飾られています。空間を仕切るワイヤーロープの一部がタイヤの形になっていたりと、面白い発見がたくさんあります。これらを見ながら館内を散策するだけでも十分楽しそうです。

部屋の中は遊び心満載

チェックインを済ませ、部屋へと向かいますが、その途中の壁にもクルマやモータースポーツに関連したオブジェが展示してあります。部屋に到着すると、まず部屋番号のプレートにシフトゲートが切ってあることを発見して感激。そしていよいよ部屋に入ると……お、壁にはモータースポーツを題材にしたアーティスティックな写真が飾ってあります。

コーヒーやお水が置いてある棚にはクルマの写真集が。そしてその下の棚にはFSWのコースを模したオブジェですね。細かい部分にクルマとモータースポーツを楽しむ、というコンセプトが貫かれているのがすごいです。

まだあります。テレビの初期画面の壁紙はFSWホテルを背景にしたトヨタ・スープラのイラストですし、コースターはタイヤのデザインです。そして洗面所の引き出しを開けると、ん?これはプラモデル? そう、歯ブラシなどのアメニティグッズがプラモデルのライナーを模した枠に収められているのです。FSWがある静岡県はタミヤやフジミなどの模型メーカーが本社を置いていることから、こんな遊び心が施されているんですね。

サーキットに用事がなくても

私が宿泊した部屋は富士山側の富士ビューで、うっすらと冠雪した美しい富士山を堪能できました。廊下を挟んだ反対側の部屋はFSWのコース向きで、第3セクターや最終コーナー付近の様子が見られるそうです。今度はそちらにも泊まってみたいな。

サーキット内のホテルというともてぎの「モビリティリゾートもてぎホテル」が有名ですが、「富士スピードウェイホテル」はデザインやコンセプトなどの総合力でそれを上回っていると言えるでしょう。

サーキットに用事はなくても、ミュージアムを見学してゆっくり滞在したい、そんな気分にさせてくれるクルマ&モータースポーツ好きのためのテーマパークのようなホテルです。

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。愛車は993型ポルシェ911。