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Renault Espace
スペインのパレンシア工場で生産
1983年、ルノーは、これまでにない広大なスペースを備えたミニバン「エスパス」を発表。5世代にわたって進化を続けてきたエスパスは、広大なスペースを持つ“ピープルキャリア”という初代から受け継いできたコンセプトを携えながら、5人乗り/7人乗りクロスオーバーSUVに生まれ変わった。
高効率ハイブリッドパワートレインを搭載した新型エスパスの登場により、ルノーはCセグメントとDセグメントに、強力な選択肢を加えたことになる。
新型エスパスはスペイン・パレンシア工場で生産。エスパスの生産を前にパレンシア工場には新型製造ロボット400台が導入された。オーダーはヨーロッパにおいて2023年春からスタートし、詳しいデリバリー時期は今後発表されれる予定だ。ルノー・ブランドのファブリス・カンボリヴCEOは、新型エスパスについて次のようにコメントした。
「新型エスパスは、高度なハイブリッドシステムや、室内でのユニークなマルチメディア体験など、お客様のご要望にお応えするため、完全に生まれ変わりました。高級化を進めるルノーのラインアップにとって非常に重要な車種です。最高級のエクステリアやインテリア、高い快適性と居住性など、これまでの5世代のエスパスが紡いできたDNAを受け継いでいます」
サイズダウンしながらも広大なスペースを実現
新型エスパスは、SUVらしい雰囲気とエレガントなデザインが与えられ、「エスプリ・アルピーヌ・トリム」装着モデルは、モータースポーツのエッセンスを加えることもできる。SUVらしいスタイルを得たものの、5人/7人のパッセンジャーでの長距離移動をこなすエスパスのコンセプトは不変だ。
ルノーと日産が共同開発した「CMF-CD」モジュラープラットフォームを採用。全長は4720mmと、先代エスパスから140mmも短縮されたが、室内長は2480mmに拡大した。特に2列目のパッセンジャーは、最大321mmというレッグスペースを確保。2列目シートは最大31度までリクライニングするため、まるでファーストクラスのような快適性を実現している。
オーダー時に無料で装着可能な3列目シートは、128mmと十分なレッグスペースが確保された。2列目シートを260mm前方にスライドし、バックレスト前方に傾けることができる「イージーアクセス」を採用。シートベルト・プリテンショナー、タッチスイッチ付きシーリングライト、USB-Cポートを標準装備し、オプションでハーマン・カードン・サウンドシステムによる極上の音楽体験を楽しむことができる。
オプションのサンルーフは、横枠を排した1㎡(長さ1330mm × 幅840mm)という市販モデル最大サイズを実現。高度な技術を駆使したガラスルーフは、内側に低放射率コーティングを採用したことで、紫外線と赤外線のほとんどをブロック。そのため、暑さとまぶしさを防ぐための遮光カーテンが必要ないという。
1.2リッター直3ベースのフルハイブリッド
ルノー オーストラルと共通の「CMF-CD」プラットフォームを採用し、ボディサイズとエンジンキャパシティを小型化したことで、215kgもの軽量化を実現。超高効率1.2リッター直列3気筒ガソリンターボに2基の電動モーターを組み合わせた「E-Tech」フルハイブリッド・パワートレインは、最高出力202PS・最大トルクは250Nmを発揮する。
「E-Tech」フルハイブリッド・システムは、減速やブレーキング時に作動する回生システムにより、都市部において80%の走行域をEVモードでカバー可能。これにより燃料消費を先代モデルのディーゼル仕様から最大で40%も削減している。PHEVのように停車して充電する必要がなないにもかかわらず、航続距離は最大1100kmを実現した。
デジタルダッシュボードには、ハイブリッドパワートレインのエネルギー状態をアニメーションで表示。ドライバーは、現在どの動力で走行しているかを簡単に確認できるだけでなく、バッテリーゲージには使用可能な電力量がリアルタイムで表示される。