アルミボディのアウディR8の初代の高いコスパ

毎日乗れるスーパーカー「アウディR8」初代モデルがお得すぎる【今買うなら、ひょっとしてコレちゃう?7台目】

R8最大の魅力は毎日のように通勤や移動に使えること。ミドシップスーパーカーの範疇にありながら、真逆の使い方ができるのだ。
R8最大の魅力は毎日のように通勤や移動に使えること。ミドシップスーパーカーの範疇にありながら、真逆の使い方ができるのだ。
クルマの流行廃りにあわせて大きく動く中古車市場。もしも中古車ライフを送るなら、その波を正確に捉えてお得な買い物をしたいものだ。そんな時代の羅針盤たるべく、西川淳が「今」買いのクルマを紹介する。第7回は今でも好事家の中で話題となる初代アウディR8だ。

AUDI R8

久々に相場をチェックすると

中古車検索でアウディR8をかけると初代クーペはもう10気筒でもなんでも全て1000万円以下!

今年に入ってからいよいよクルマが安くなってきた。海外筋が景気後退懸念から買いに慎重になってタマの動きが鈍り始めると、高値で売り抜こうと思っていた投資目的のオーナーが安くなる前に売ろうと焦り始める。そうすると必然的に売りが増えて価格がジリジリと下がりだし、今度は真剣に買おうと思っていた人まで「もう少し下がるかも」と様子を見始めるというわけ。

つまり下げのスパイラルに入りつつあって、業者のオークションを覗くと同じようなモデルがたくさん放出されているのが分かる。そして大抵、流れている。要するにこの先はもう少し下がっていくモデルが多いというわけだ。

じゃ、しばらく待つのが得策か。そこが難しいところで、モノ(値段)によりけり、豊富に出始めた今だから気に入った個体を見つけたら買いもありだし、市場にたくさん存在する仕様であればもう少し待ってみるのもいい。

とはいえ鉄則は「欲しいクルマはいつでも買い」。投機目的でないのなら、後悔しないためにも「これだ!」と思った個体が出てきたら潔く買うがイチバンだ。真のクルマ好きならば! というわけで、この連載を始めてからアレコレ欲しくなってしようがなく、忙しい合間を見ていろんなモデルをカーセンサーなどでチェックする日々だったのだが、最近、相場のチェックを怠っていたモデルがあった。以前、1年ほど付き合ったことのあるアウディR8だ。

スーパーカーに毎日乗る

以前はずっと相場を追っかけていて、狙いは初代のV8マニュアル、変わった色味と決めていた。茶色が出た日にはもうソットーしそうになったけれど、ソッコー買うには至らず。逃したことを悔やんでいる。中古車選びは一期一会、出会った時が買い時とアピールする所以だ。

久しぶりに中古車検索でアウディR8をかけてみる。いつものように年式順にソートをかけると、わお!初代クーペはもう10気筒でもなんでも全て1000万円以下じゃないか〜。8気筒クーペが600万円台から、10気筒クーペが700万円台から、そしてついでに調べてみれば10気筒スパイダーも800万円台から、と綺麗な序列ができていた。限定車のGTだって高くない! 流石に2代目はまだそれなりに値が残っているので今回は無視。それに初代の方がスタイルはシンプル、みょうな外連味もないからまさにデイリースーパーカーとして使える。

面白いことに距離の少ない個体が多い。毎日乗れそうなクルマなのに案外伸びていないのは、やっぱりカタチが非日常的だからか(それを毎日使うから面白いのに)。

NSXがまともに進化していたら

実用的で高性能。フェラーリやランボのように妙なぎらつきもない。ホンダNSXがまともに進化を続けていたらこんなクルマになっていたかもしれない……。

そう、1年間、R8のV10に乗っていた時も毎日のように通勤や取材に使っていた。ミドシップスーパーカーの範疇にありながら、真逆の使い方ができる。それがR8最大の魅力というもので、乗り心地も取り回しも、そしてここ一発のパフォーマンスも全てが高いレベルにある。峠やサーキットでもなかなかのもの。姉妹のランボルギーニ ガヤルドと遜色ない。というかホイールベースが長い分、扱いやすい。

初代に乗っていると、ホンダNSXがまともに進化を続けていたらこんなクルマになっていたかもしれない、と思ったものだ。実用的で高性能。フェラーリやランボのように妙なぎらつきもない。え、それならマクラーレンの方がNSXっぽいんじゃないかって? いやいや、石橋を叩いても渡らないのがホンダという会社だから、カーボンモノコックボディの量産車なんて絶対に作らなかったと思う。

ロングホイールベース故に

アウディR8は実用性を担保するためロングホイールベース化されている。サイドブレードはそれを目立たなくさせるアクセントだ。

それはさておき、R8だ。変わった色がなかなかない。ならばいっそ目立たないシックなコーデを探すのもいい。最近はブラック&ブラックもお気に入り。でもなぁ、R8を黒にするとドア後方のサイドブレードも黒になることが多くて、けっこう間延びして見えてしまう。あれ、実はデザイン上のマジックで、実用性を担保するためのロングホイールベース化を隠すためのもの。だからあえて色を変えたのに、同色にしてしまってはデザイナーの努力も水の泡だ。

と、最も安い個体(620万円)がライトブルーにシルバーブレードだった。R8らしいカラー。こういう時には基本に立ち返ってみるというのも、また面白い。ちなみに3ペダルはちょっと高い。ほとんど見かけないしね。ツウが買って大事に乗っているに違いない。そう、R8は最もツウなスーパーカーだと思う。

C6コルベットZ06。LS7の魅力はアメリカンV8ファンなら誰しも認めるところ。早晩、奪い合いになることは必至だ。

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アストンマーティンDB9。デービーと聞くだけでもうすでに芳しく香ばしい。その美しさは誰もが認めるところ。大いにツウ好みだ。

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かつてわれわれを虜にした911ターボ。その水冷ナローの最上級グレードが500万円から……。いろいろ想像させてくれるじゃないか。

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西川 淳