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日常の足として使い勝手を向上させたい!
かつて筆者は、1980年代に製造されたCJ-5(ラングラーの前身)に試乗した経験があるが、当時のジープは2ドア+幌タイプのルーフが基本形。乗り心地は硬く直進安定性もイマイチで、高速道路では幌がバタついてやたらうるさかった記憶がある。
ところが、筆者が乗っているJK型以降の「ジープ・ラングラー」は、伝統のラダーフレーム+リジッドアクスル構造はそのままに、SUVとしての商品価値を高めるべく、エンジン、トランスミッション、サスペンション、装備など広範囲にわたって改良が施され、かなり乗用車的な乗り味に近づいてきた。
とはいえ、VOL.2でも述べたように、少なくともJK型ラングラーにはイマイチな点がたくさんある。リジッドアクスルという構造上、回転半径が7.1mもあることは仕方ないにしても、例えばアシストグリップがなく乗降が大変な点、ドアストッパーがなくドアが勝手に全開してしまう点、ヘッドライトやフォグライトが暗く夜間走行に不安がある点など、日常の足として毎日使うことを考えると、やはり改善したい箇所はたくさんある。
というわけで、ここでは納車後、使い勝手を向上させるために行った「ジープ・ラングラー(JK型)」の“快適化カスタム”について紹介しよう。
乗降性の改善
「ジープ・ラングラー(JK型)」の最低地上高は220mmとかなり高く、しかもサイドステップの取り付け位置も高め。身長180cmの筆者でも乗降時はなにかにつかまらないとキツイ。ところが、JK型には前席・後席ともにアシストグリップが装備されていないので、Amazonで社外品を調達して取り付けた。これはJK型のオーナーならば、ほとんどの人が行っているポピュラーなカスタムだ。
また、ドアステップ部は前後とも鉄板がむき出しの状態だったので、滑り止めとキズ防止を兼ねて、純正品(MOPER)のスカッフプレートをUSから取り寄せて装着した。
ドアの開閉制御
「ジープ・ラングラー」のドアは脱着式なので、伝統的にドアストッパーがなく、代わりにパワーウィンドウなどのコード類を内蔵したベルトがストッパーの役割を担っている(カプラーで脱着可能)。現行のJL型にはドアストッパーが装着されたが、JK型は放っておくと勝手に全開してしまう。これでは狭い駐車場や強風時は危険なので、ここも購入後すぐに車外品のドアストッパーを入手して装着した。
ペダル位置の改善
ジープは、そもそも荒れた大地を縦横無尽に駆るために生まれたクルマなので、厚底のブーツでも運転しやすいように、アクセルペダルはかなり奥まった場所に取り付けられている。これは「ジープ・ラングラー」になった今も継承されていて、ここはかなり違和感がある。というわけで、JAOS製のアクセルペダルスペーサーを使ってペダル位置を手前に修正。ついでに同社製のフットレストも装着した。
断熱性・静粛性の改善
ご存知のとおり、「ジープ・ラングラー」のルーフは脱着式なので、金属+内張りではなく、樹脂製のルーフが採用されている。しかし、内張がないせいか、夏場は頭に太陽の熱を直接感じるので、このルーフは断熱性に難があることは明らかだ。そこでオプションで販売されているヘッドライナー(純正品)を、USから取り寄せて装着した。
効果はてきめんで、夏場の暑さはまったく感じなくなったので、おそらく冷暖房効率も改善されているはず。これはJL型も含めてオススメのカスタムだ。さらに、ヘッドライナーの装着は静粛性の向上にも寄与しており、全体的に騒音レベルが下がったのはいうまでもない。
グリルネットの追加
筆者の「ジープ・ラングラー(JK型)」は、スポーツというスタンダード・グレードなので、上級グレードのサハラのように本革シートは装着されておらず、各部の同色塗装も施されていない。むしろバンパーやフェンダーが未塗装ブラックの方が好みだったので、スポーツで満足しているが、唯一グリルネットが装着されていない点だけは気になっていた。
なぜならば、高速道路やオフロードで小石などが飛んできた際は、ダイレクトにラジエターに当たる可能性があるからだ。そのせいか、各種グリルキットが純正オプション設定されているが、どれもピンとこなかったので、Amazonで好みのアルミ製グリルネットなどを購入してDIYすることにした。
エクステリア系のドレスアップ
「ジープ・ラングラー」のアンテナは、アメ車でよく見かけるステンレス製の細長いネジ込みタイプが採用されているが、窓ガラスを拭く際に体に当たって具合が悪いし、走行中もゆらゆら揺れてちょっと目障り。そこで社外品の太くて短いタイプに変更した。
また、給油口はカギ付きながらフィラーキャップがむき出しになっているので、いたずら対策を兼ねて純正オプションのフューエルフィラードアを装着した。ちなみに、現行のJL型には蓋付きカバーが標準装備されている。
タイヤとホイールについては、グレードによって装着されているものが異なるが、筆者のラングラーにはBS DUELER H/T(255/70R18)とシンプルなデザインのアルミホイールが標準装備されていた。このタイヤはオンロード重視のコンフォートタイプなので、静粛性が高く乗り心地もよいが、スパルタンなフォルムと高いオフロード性能を持つラングラーには、どう考えてもミスマッチだ。
というわけで、タイヤはクロカン4WDでは定番のBF Goodrich All-Terrain T/A KO2(275/65R18)とJL型のサハラに装着されているメッキ調のアルミホイールに変更。やはりアメ車にはホワイトレターとキラキラホイールがよく似合う。
ノーマル感を維持しながら快適化カスタムを目指す
「ジープ・ラングラー」は、ノーマルでもカッコよく、高いオフロード性能を発揮してくれる頼もしいクルマだ。その一方でエクステリア、インテリア、エンジン、足回りなど、広範囲にわたって驚くほど多くのカスタムパーツが販売されているので、各々の好みに合ったオリジナル感たっぷりのカスタムを楽しむことができる。
しかし、筆者はどちらかというとノーマル派。設計者が丹精込めて作り上げたクルマの性能や特徴を、とことん味わいながら、いつまでもオリジナルをキープしたいという意識が強い。今回の快適化カスタムのコンセプトは文字どおり、日常の足として使い勝手を向上させることが最大の目的だったが、その裏でいかにノーマル感を崩さず、さりげないカスタムができるかという点も強く意識していた。
そんな中で行ったカスタムだったが、JL型に水を開けられていた部分が一部解消されたこともあって、結果的には大満足!実際、普段使いとしても使い勝手は大幅に向上したので、ますます「ジープ・ラングラー」を駆るのが楽しくなってきたのは確かだ。