アウディは生産を徹底的に変革することに焦点を当てており、「360factory」と呼ばれるこのコンセプトでは、未来の生産の姿を垣間見ることができる。ブリュッセル工場は、この革新的な工場コンセプトを体現する模範となっており、アウディにとって、既存の工場への投資は、経済的、環境的、社会的な「持続可能性に対する行動」だとされている。
アウディ ブリュッセル工場 最高経営責任者(CEO)フェルカー ジャーマン氏は、「Audi Q8 e-tronの生産は、ただ単にインフラを整えれば良いというものではなく、何よりも、情熱的な従業員のチームが必要でした。」と、スタッフが果たした役割についても強調している。
2025年から、全社的な環境プログラム「Mission:Zero」の一環として、すべてのアウディの工場における生産がカーボンニュートラルに移行される。2020年、ブリュッセル工場は既に、ベルギーのテクノロジー業界団体連盟Agoria(アゴリア)によって「未来の工場」の称号を授与している。Audi e-tronの生産が開始されて以来、ベルギーのブリュッセル工場は、プレミアムセグメントで世界初となるカーボンニュートラルな生産工場として認定されてきた。
2012年には、工場で使用される電力がグリーン電力に切り替えられている。さらに、アウディ ブリュッセルは、10万7,000m2の工場敷地内に地域最大級の太陽光発電システムを設置。このシステムは、毎年約9,000 MWhの持続可能なエネルギーを供給する。これは、約9万台のAudi Q8 e-tronを充電するための電力に相当し、1,881トンの炭素排出量が削減される。
また、アウディの電気自動車にバッテリーセルを供給する企業は、生産に再生可能エネルギーのみを使用する義務が課せられている。生産用の電気モーターは、グリーン貨物によってハンガリーからブリュッセルまで輸送される。2022年5月以降、アウディは約1,300kmの区間で鉄道輸送を利用しており、これにより年間約2,600トンのCO2排出量が削減される。
AUDI AGは、2007年からベルギーの拠点を所有している。アウディは、買収後にブリュッセル工場をリニューアルのあと、当時のアウディラインナップに新たに追加されたAudi A1を生産して、2018年には、Audi e-tronが誕生した。2021年には、4万3,866台の電気自動車が生産された。2023年下半期以降、3,000人を超える従業員が、この工場でAudi Q4 e-tronを生産する。